「狐」と聞くと、その鮮やかな毛皮や機敏さに加え、物語や伝説の中では狡猾なイメージの象徴として描かれているのを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
英語でも日本語と同様に、「狐」がずる賢いイメージの象徴とされており、イディオムやことわざが多く存在します。
そこで今回は、英語で「狐」を何と表現するのかに加え、狐の英語に関連するイディオムなども解説します。狐自体の生態についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
狐ってどんな動物?
「狐」と聞くと、ふわふわで昔話や童話に登場するイメージ強いものの、詳しい生態や特徴などを知らない方も多いでしょう。
まずは、狐の特徴を解説します。
狐は何科の動物?
狐は食肉目イヌ科に属している動物です。
イヌ科の動物は肉食性で、犬歯と爪を使って獲物を捕らえます。狐はこのイヌ科の中でもとくに知恵があると言われ、物語や伝説の中ではしばしば賢者やずる賢いキャラクターとして描かれます。
狐の大きさや特徴
狐の大きさは種類によりますが、全長は約45-90cm、体重は約3-14kgほどです。
特徴的なふさふさの尾は30cm程度と長く、体温調節やバランス維持に役立つとされています。また、狐の毛皮は季節により色合いが変わり、冬毛は鮮やかで美しいのが特徴です。
また、同じイヌ科のオオカミやジャッカルよりは小さめですが、忍耐強さや知能の高さから同じ場所を何度も狙って狩りを成功させる特徴があり、「ずる賢い」というイメージが定着しています。
狐の生態
狐は獲物を捕るために夜間活動します。主に小型の哺乳類、鳥、昆虫、果物などを食べますが、雑食であり、畑の農作物や飼育されているニワトリなどを襲うこともあります。
また、繁殖期には雄と雌がペアを組み、地下の穴を掘って巣を作り雌は一度に4-5匹の子狐を産みます。
日本にいる狐の種類
日本に生息している狐は主に2種類であり、「ホンドキツネ」と「キタキツネ」が生息しています。
ホンドキツネは本州、四国、九州を中心に広く生息しており、キタキツネは主に北海道に生息しています。両種ともに性格は警戒心が強く、人間にはなかなか姿を見せません。
「狐」は英語で何て言う?
では、「狐」は英語で何と表現するのか見ていきましょう。
fox
「狐」は英語で「fox」と言います。
ただし、「fox」は単なる動物の名称ではなく、間の特性や行動を表すための形容詞や動詞としても使用されます。たとえば、「賢い」「狡猾な」「機転が利く」などの意味で使われることもあります。
日本で見られる狐の種類は、ホンドキツネとキタキツネの2種類です。
彼女は狐のようにずる賢く、常に競争相手を出し抜く方法を見つけ出します。
foxy
「foxy」はsexyとfoxを組み合わせた形容詞で、「狡猾な、ずる賢い」という意味のほか、「セクシーな」「魅力的な」という意味合いで使われます。
駅前に立っているセクシーな女の子を見て。
outfox
「outfox」とは、「出し抜く」「裏をかく」と言った意味の動詞であり、他人を狐のように賢くだましてしまうという意味があるため、対人関係で戦略的に動くことを表す際によく用いられます。
野球の試合で、その少年は大人の相手を出し抜くことに成功した。
foxed
「foxed」は、誰かにだまされたときに使うほか、本や紙がきつね色に変色したときにも使われる表現です。
彼は詐欺師の巧妙な話に完全にだまされた。
「狐」の英語に関連するイディオムやスラング
「狐」の英単語をみると、「だまされた」「ずる賢い」といった意味合いで使われるケースが多く、日本と同様に英語でも狐のずる賢さがイメージとして定着していることがわかります。
では、foxなどを使ったイディオムやスラングを見ていきましょう。
stone-cold fox
「stone-cold fox」は直訳すると「石のように冷たい狐」となりますが、「抜群に美しい人」や「非常にセクシーな人」という意味で使われます。
冷たい様子がむしろセクシー、美しいという意味を表しているのでしょう。
あの新しい映画の俳優は、非常にセクシーだ。
crazy like a fox
直訳すると「狐のように狂った」となる英語表現の「crazy like a fox」は、表面的には奇妙に見えても、実際には策略的な行動をする、頭のいい人を表現できます。ポジティブな意味合いで使うことが多い表現です。
多くの人は彼が単に変わっていると思っていますが、私は彼が見た目は変だけど本当は頭がいい人だと思います。
Don’t let the fox guard the henhouse.
「Don’t let the fox guard the henhouse.」は直訳すると「狐に鶏舎の番を任せてはいけない」となりますが、英語のイディオムで「信頼できない人に、重要なポジションを任せるべきではない」という意味になります。なお、henhouseは鶏舎という意味があります。
というのも、狐は鶏を食べてしまう可能性があるため、一見信頼できそうでも、裏切られる可能性が高いという意味になるのです。
彼に貴重品の管理を任せようと考えています。
それはひどいアイデアだ。まるで狐に鶏舎の番を任せるようなものだよ。だって彼は以前、僕の財布からお金を盗んだからね。
まとめ
今回は「狐」の英語表現を解説しました。
まず、「狐」は英語で「fox」と表現されます。そのほか、「狡猾な、または魅力的な」という意味の「foxy」、「~を出し抜く」という意味の「outfox」、そして「だまされた」という意味の「foxed」などの表現があります。
また、狐はずる賢いイメージがあることから、英語のイディオムやスラングもたくさんあります。イディオムやスラングを知らないと、相手の言っていることが理解できないため、この記事をきっかけに「狐」に関するイディオムやスラングについてもチェックしてみてください。