「〜するために」を意味する代表的な英語に”in order to”があります。
”in order to”は、中学校で習うto不定詞の用法で、高校の英文法はもちろん、大学入試やTOEICなどでも頻出の超重要表現です。
英語に苦手意識を持っていると、「to不定詞」という言葉を聞いただけで「難しそう」「よくわからない」と目を背けたくなる方もいるでしょう。
しかし、会話でも文章でもよく出てくる”in order to”は、みなさんが思っているほど難しくありません。
基本の形を覚えておけば、カジュアル・フォーマル問わず幅広いシーンで活用できるとても便利な表現なのです。
今回は、必ずおさえておきたい英語表現”in order to”の意味と使い方、そして同じ「〜するために」の意味を持つ”so as to”との違いを解説していきます。
”in order to”の意味
”in order to”は、「〜するために」という意味で、行為や動作の目的を表すときに用いられ、日常会話に限らずメールや文書でも非常によく使われている英語表現です。
辞書では以下のように定義されており、”aim”や”purpose”という単語からもわかるように、「目的」や「目標」、「意図」などを示しています。
- with the aim of achieving something
何かを達成する目的で:- for the purpose of doing something
何かをする目的で参考:
ORDER | Cambridge Dictionary
order | Longman Dictionary of Contemporary English
”in order”には、「順番に」や「正常な状態で」といった意味があり、そこから変化して「目的にふさわしい」「目標に向けて必要な」「正しくて適切」などというニュアンスが加わっています。
そのため、”in order to”は、行動の目的や目標をはっきり示したいときや、内容を強調したいときに使われることが多いです。
日本語では「〜する目的で」「〜を実現させるために」のように訳すとより正確に表現できるでしょう。
状況によっては少々わざとらしい印象も与えかねないので、伝えたいことや話す相手を見極めて、適切に使用することがとても重要になります。
”in order to”の使い方
”in order to”の使い方を解説します。
基本形と否定形、主語が異なる場合の3パターンをみてみましょう。
基本形「~するために」
< in order to + 動詞の原形 >
中国出身の同僚とコミュニケーションを取るために、中国語を学んでいます。
否定形「〜しないように」
< in order not to + 動詞の原形 >
訳)彼女は朝寝坊しないように、カーテンを開けっ放しにしていました。
【ポイント】
”to” の直前に ”not”が置かれるので、位置を間違えないように注意しましょう。
主語が別にもう一つあるとき
< In order for A to + 動詞の原形 >
訳)植物の光合成には、太陽の光が必要です。
【ポイント】
文頭の主語と、”in order to” の動詞に対する主語が異なるときは、”for + A” を挿入してもう一つの主語を表します。
”in order to”と”so as to”の違い
”in order to”と同じ「〜するために」という意味を持つ英語表現はほかにもたくさんありますが、なかでもよく比較されるのが、”so as to”です。
”so as to”のフレーズだけは聞いたことがあっても、”in order to”との意味の違いまでは正しく理解できていないという方は多いのではないでしょうか。
辞書でも”in order to”と記載されていることから、2つが同じ意味で用いられていることがわかりますね。
- in order to
〜するために- (formal)in order to do something
何かをするために参考:
SO AS TO | Cambridge Dictionary
so as to do something | Longman Dictionary of Contemporary English
”so as to”は、「〜するために」という意味を表し、”in order to”に言い換えることが可能です。
”so as to”の使用頻度は、”in order to”よりも少なめですが、英文で目にする機会はわりと多い表現といえます。
訳)ハエがつかないように、いつも果物を冷蔵庫に入れています。
訳)彼女は人目を避けるために木の後ろに立っていました。
”in order to”と”so as to”には、含まれる意味合い、置かれる位置、主語の表し方において違いがあります。
含まれる意味合いの違い
in order to ▶︎ 比較的カジュアル so as to ▶︎ フォーマルな印象 |
”in order to”より”so as to”の方が、やや堅くフォーマルな意味合いを含んでいます。
置かれる位置の違い
in order to ▶︎ 文頭にも文中にも使用できる so as to ▶︎ 文頭には使用できない |
”in order to”は、文頭でも文中でも、自由に使える便利な表現です。
望んでいる結果や到達目標などを強調したいときは、”in order to”を文頭に置くことで表現できます。
主語の表し方の違い
in order to ▶︎ in order for A to の形で、 別に主語(A)を表現できる so as to ▶︎ 主語は一つしか表せない |
上記のAは、”in order to”に続く動詞に対する主語を指しています。
”in order to”は、”for A”を挿入して別の主語を表せますがが、”so as to”の文では、主語は一つだけしか置けないと覚えておきましょう。
”in order to”を使った例文
”in order to”の使い方を例文で確認しましょう。
文中で用いられる場合と、文頭で用いられる場合に分けて紹介します。
文中で使われる”in order to”
明確な目的や目標を表しています。
訳)彼は自分のパフォーマンスを向上させるため、毎日トレーニングを行いました。
訳)彼女は子どもたちが寝る前に会えるよう早く帰宅しました。
訳)子どもたちが学校でうまくやっていくためには、家庭での安心感を得ていなければなりません。
訳)価値ある存在でいるには、常に好かれていなければならない、という考えを捨てる必要があります。
文頭に使われる”in order to”
目的がより強調された表現になります。
訳)会社を存続させるためには、残念ながら人員削減が必要です。
訳)留学するために、まずお金を貯めた方がいいと思います。
訳)テストに落ちないよう、時間をかけて勉強しなければなりません。
訳)通勤ラッシュを避けるため、遅くとも午後5時までには仕事を終えるよう彼に頼みました。
まとめ
必ずおさえておきたい英語表現”in order to”について、正しい意味と使い方、そして同じ「〜するために」という意味を持つ”so as to”との違いを解説しました。
”in order to”は、「実現したいこと」や「望んでいる結果」をはっきりと明示するときに使われる表現です。
”in order”を省略したto不定詞でも「〜するために」という意味は表せますが、複数の用法と解釈があるため、文脈によっては解釈があいまいになってしまうこともあります。
「〜するため」を意味する英語には、いろいろな表現があるので、相手や場面、文脈に応じて適切に使い分けていくことが大切です。
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