英文の書類にはいくつか付属の文書が添えられますが、そのひとつにappendixがあります。この単語、見たような記憶があるけれど、果たして何を意味するのか?とはっきりしない人もいるのではないでしょうか?
そこで今回の記事では、appendixの意味やその使われ方などを解説します。英語の書類も苦手意識を持たないよう、基礎知識を身につけましょう。なお、appendixが持つ体に関する意外な意味も紹介しましょう。
アペンディクスの意味
英文書面への添付ファイルはattachmentであることはある程度親しみがあるでしょう。では本記事で取り上げるappendixはどういう使われ方をしているのか紹介します。
appendixの意味と語源
アペンディクスを英語にすると”appendix”です。カタカナ語の発音はアペンディックスのようにします。
appendixは可算名詞で「付属」「付録」「後付け」といった意味を持ちます。本編そのものではなく、主体となるものに添えられた追加情報がappendixということになります。
語源を知ると、さらにappendixを理解することができます。ラテン語にappendereという言葉があり、この意味は「ぶら下がる」であることから、大腸からぶら下がっている虫垂(ちゅうすい)を言うようになりました。その後で、「付属」や「付録」といった追加の情報にappendixが使用されるようになっていきました。
なお、虫垂に関しては本記事の後半で紹介しましょう。
appendixを略すると?
appendixは略された形で使用されることがあります。ここでは、appendixの省略形について紹介します。
appendixの省略形appx.
書籍や文章でappx.とあればappendixのことです。またapp.と表現されることもあります。スマホなどのアプリ/applicationをappとしたり、数値データなどで「おおよその」の意味で使われるapproximatelyをapprox.と略することもあり、少し混同しそうですがappendixの省略形appx.とapp.が使用される媒体や位置を考えて判断します。
なお、appendixは可算名詞であることから複数形を略する場合でもappxs.とapps.のように-sを付け加えることも覚えましょう。
アペンディクスの使い方
「付属」「付録」「後付け」などの意味を持つappendixは、例えば英文契約書にも使われ、その場合は「別紙」の意味になります。ビジネスの場面になると「参考資料」や「補足」としても用いられます。
ここでは、appendixの使い方を紹介します。
appendixの使い方
巻末にあるappendixの使い方として、例えば研究論文を挙げてみましょう。本文で方程式や公式の結果が述べられているとき、付録としてappendixには”Appendix A”などとして方法論について記載されるといったパターンになります。これによって、オリジナルの素材を提供したり出展やデータの引用を示すことができます。
訳)本の最後には、日付のリストを含む付録があります。
訳)アペンディクスは研究を強化し、信頼性を高め、さらに参考文献をリストするために使用される。
bolsterには「増強する・支える」などの意味があります。credibility(信頼性・信ぴょう性)、reference(参考・参考文献)といった表現もappendixの役目の関連表現として合わせて覚えることをおすすめします。
訳)著者が本の付録を含める理由には、出典・データを引用するため、オリジナルの資料を提供するためなど、さまざまなものがある。
Wordでドキュメントを作成する場合にも、appendixを追加するやり方が動画で紹介されています。
英語解説で2分ちょっとの動画ですので、ご覧になってみてください。
eHowTech “How to add an appendix to a Word” document
appendix – 日本語の場合
appendixは日本語で作成された配布資料などでも使用されます。ここでは、会議で行なうプレゼンテーションを例にとって解説しましょう。
プレゼン資料とappendix
社内用、クライアント対象と日々プレゼンが行なわれます。本来の目標やそこに行き着くための戦略などを視覚的に見せるためにプレゼン資料が必須です。会議出席者へのトークとともに、ビジュアルにサポートするプレゼン資料はプレゼンを聞く立場の出席者が理解することに大きな役割を持ちます。このように、プレゼンにおける資料は視覚的に理解するものになります。
一方、プレゼン資料を裏付けるための配布資料があります。こちらは読んで理解するための配布物です。この配布資料関連にappendixがあります。appendixの「付録」という意味から考えても、配布資料を補足する参考資料のことを指します。
appendix – 虫垂
最後のappendixは、医療関連で「虫垂」に関して紹介します。appendixの語源のところでも、「ぶら下がる」の意味を持つラテン語から虫垂に使われるようになったことを述べました。
虫垂って体のどこ?
大腸の始まりである盲腸に開口する人差し指ぐらいの大きさの突起物が虫垂。この虫垂の英語がappendixです。虫垂は腸内細菌の善玉のすみかです。
虫垂炎は暴飲暴食や便秘、過労、不規則な生活などが原因となって起こるもので、何らかの理由で血行が悪くなり、そこに大腸菌などの細菌やウイルスが侵入して発症すると言われています。
虫垂appendixの例文
訳)最近、虫垂を摘出しました。
治療しないまま症状が進んで虫垂が破裂すると腹膜炎などが起こり、敗血症など命にも関わる可能性もあります。この虫垂炎は英語でappendicitis(アペンディサイティス)です。虫垂炎は、一般的にもう腸・盲腸炎の名前で知られています。
訳)私の弟は、虫垂破裂で病院に運ばれました。
訳)医療旅行保険は、虫垂炎を含む1,000種類を超える様々な病状をカバーします。
まとめ
appendixは可算名詞で「付属」「付録」「後付け」、そして大腸の始まり盲腸に開口する人差し指ぐらいの大きさの突起物である虫垂を表す言葉であることが分かりました。
今後、英語の契約書、論文や書籍、またはプレゼンなどの資料ではぜひappendixのページに注目してみましょう。また、海外旅行の保険ではappendicitisを補償するのかもチェックくださいね。
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