ビジネスシーンで使うことがある「概要」という日本語。これを英語で言おうと思ったらどんな英単語を使えば良いのでしょうか。名詞ではあるものの少しイメージしにくく、抽象的な単語ですよね。だからこそ覚えにくくて知らない人も多いのですが、このような抽象的な英単語が使えるようになってくると、いよいよレベルアップしてきたなとわかるものです。では、「概要」を表すにはどんな単語を使えば良いのか以下できっちり見ていきましょう!
outline
「概要」という英単語としてよく使われるのは、outlineです。これはアウトラインと日本語でも使われているのでイメージしやすいですね。覚えやすくてラッキーです!
outlineは、外のライン、つまり輪郭という意味なので、まさに文字通りの意味ですよね。それが派生し、「概要」という意味になりました。単語の意味を紐解いてもわかりやすいことがわかります。
ちなみにこちら、outlineは名詞でもありますが、動詞としても使えます。意味は「概要を述べる」になります。では、outlineを使った例文を見てみましょう。
This is an outline of the presentation.
訳)これが今回のプレゼンテーションの概要です。
「This is an outline of〜」という表現はとても便利です。「こちらがその概要です」と、プレゼンテーションの時などによく使います。もし人前で喋る機会があれば、このような表現は丸々覚えておいた方が楽でしょう。
I outlined today’s presentation.
訳)今日のプレゼンテーションの概要をまとめました。
こちらはoutlineを動詞として使ったバージョンです。「概要を述べる」という意味だと言いましたが、述べなくてもまとめたりと、汎用性のある言葉なのでその場その場の文脈を読みましょう。少なくとも概要に対する何かをやっていることは推測できるので、これはリスニングやスピーキングなどで感覚を掴むことをおすすめします。
summary
もうひとつ、「概要」という意味で使える名詞にsummaryがあります。こちらもやはり日本語になっており、サマリーと言ったりしますね。「概要」という訳にするよりは、「まとめ」と言う方が馴染みがあるでしょうか。
また、動詞ではsummarize「要約する」というものがあるので、「要約」という訳で覚えていた方も多いかもしれませんね。では、例文を見てみましょう。
Could you tell me the summary of the report?
訳)そのレポートの概要を教えてくれますか?
何もわからないままでは不安だ、概要だけでも知りたい、そう思った時に使える便利な表現が「Could you tell me the summary of~」です。人間、未知のこと、知らないことに対しては不安や恐怖を覚えますから、ちょっとでも良いので概要を伝えて欲しいという時に不安を減らせる表現になります。
I will summarize what she said.
訳)彼女が言ったことをまとめますね。
summarizeという動詞にして使ってみるとこんな感じ。特に熟語的な要素を持っておらず、前置詞も一緒に暗記しなければいけないといったことがないので使いやすいです。
overview
「概要」の英語訳に当たるものはまだあり、こちらのoverviewもそのひとつ。全体をまとめるという意味合いが強いので、「要約」という訳にするには少しニュアンスがズレる可能性があります。そしてoverviewは動詞として使うことが原則ないのも特徴ですね。
では例文です。
Can you give me an overview of the meeting?
訳)ミーティングの概要を教えてくれる?
先ほどは「Could you tell me the summary of~」という便利な表現をご紹介しましたが、それを少しアレンジしてみました。couldをcanとしてよりフランクにし、tell meをgive meに変えています。どちらも意味としては同じですが、couldを使った方がより丁寧な表現になるので、ビジネスシーンで使うのであれば上司などにはcouldを使った方が無難でしょう。
abstract
「概要」と言えば上記でご紹介した3つが基本ですが、それ以外にも「概要」という意味として使える英単語はあります。
例えばabstract。こちらはメインの和訳は「抽象的な」という意味なのですが、それが転じて「要約」や「概要」といった意味にもなりました。意味として似ている単語はsummaryで、どちらも論文の最初に書かれる「概要」という意味で使われたりします。
「make an abstract of~」で「~を要約する、の概要をまとめる」という熟語があるので、ぜひこちらも一緒に覚えておきましょう。以下のように使います。
I made an abstract of today’s meeting.
訳)今日のミーティングを要約しました。
digest
digestは、「摘要」「要約」という意味ですから、「概要」という意味と同じように使えます。こちらは日本でもダイジェストと呼ぶように、既に日本語として成り立っているのでイメージはしやすいかと思います。確かに、テレビで見るダイジェストはすべてを見せるのではなくその一部の重要シーンをまとめてありますからね。
ちなみに、digestは元々「消化する」という意味でした。派生したり転じたりすると別の意味になる単語は多いですが、それでも消化から概要までは大分通り道のりのように感じますね。
synopsis
synopsisは「映画や本などのコンテンツを短くまとめたもの」を言います。ですから、一般的な「概要」ではなく、限られたシーンでしか使えません。ただ、辞書を調べてみると「梗概 (こうがい)」訳されていたりもしました。なかなか日本語のネイティブでも使わない単語ですね。
résumé
résuméは「摘要」「梗概」という意味です。レジュメという発音で、またまたこちらも日本語として使われています。レジュメはアメリカでは「履歴書」のことを指すため、主に使われるものとしてはまず「履歴書」であり、文脈によっては「概要」とも言えるのだなと覚えておくと良いでしょう。
encapsulation
encapsulationは難しいスペルですが、この単語の中には「カプセル」を意味する「capsule」が入っていることに着目してみましょう。これを動詞にすると「encapsulate」で、「カプセルで包む」という意味になります。そこから転じて「要約する、短くまとめる」となりました。名詞形にすると「encapsulation」で、これが「要約」という意味で使われます。
まとめ
「概要」という意味を持つ英単語、こうしてみると結構ありますよね。ただ、一般的に使えるものは上記の3つ、summaryやoutline、overviewですので、これらをしっかりと覚えておけばまず大丈夫です。細かいニュアンスの違いを意識するならそれ以外の単語も使いますが、まだまだ英語の学習途中だという場合は自分から使うことよりもリスニングで聞くことの方が多いでしょう。