英語を学習しているとどうしても英語圏の国のことについての知識に偏ってしまいますが、今回はあえて英語圏以外の国である韓国についてご紹介したいと思います。英語で韓国を何と言うのか、また、韓国の英語事情はどのようになっているのかについて知っていきましょう。今は日本でも韓流ブームが起きており、昔からドラマは人気ですが、K-popカルチャーとしてアイドル人気が高まっていますよね。お菓子も食べ物もかなりブーム!ということで、日本で大人気の韓国ついて少し触れていきましょうか。
「韓国」は英語で何と言う?
ネイティブは、英語で韓国を以下のように言います。
- South Korea
- Republic of Korea
朝鮮半島は北と南に分かれたため、南の朝鮮半島という意味でSouth Koreaというのです。ですから北朝鮮のことはNorth Koreaと言います。正式にはRepublic of Koreaと言うのですが、ネイティブがここまで厳密に国名を言うことは稀です。政治の場などならニュースで聞くかもしれませんが、それ以外では単にKoreaと言うことが多いです。
しかし、日本と韓国の事情をよく知っている、あるいはセンシティブに捉えている外国の方は、Koreaと言うと「しまった!という顔をし、”Sorry, I mean South Korea.”と言い直したりします。これは個人の性格によるところもありますし、日本と韓国の関係性を知っているか知らないかにもよるところでしょう。
日本人でも、Koreaと言われて別に何とも思わない人もいますし、実質KoreaはSouth Koreaの省略になっているパターンも多いです。特段意識しないのであれば、あえて「南の」という意味をつけずにKoreaと言うだけでも外国人には通じます。
そもそも「韓国の」という形容詞がKoreanで、その時にはあまりSouthを付けないのでここも国名を表す英語に影響を与えていると思われます。
韓国人の英語力は高い!?
英語と韓国を絡める話題をするのなら、韓国人の英語力が高いことには触れておきたいですね。お隣なのに、どうして日本人よりも高い英語力を保っていられるのでしょうか。
TOEIC公式サイトでは、TOEIC L&Rテストの平均スコアが公表されています。少し古い情報ではありますが、2015年のスコアを見てみると、「日本513点」に対して「韓国670点」と発表されています。TOEICはあくまでリスニングとリーディングの受け身の能力しかはかりませんが、それでもこれだけの差が開いていることを思えば、韓国がいかに英語に力を入れているかがわかるでしょう。
また、スピーキングに関しては実際に韓国へ行ったという方の多くは、韓国人は英語を喋れるという感想を持って帰ってきていることが印象的です。ということは、今後韓国へ旅行する時には韓国語がさっぱりわからなくても英語で乗り切れる可能性が高そうですよね。
韓国人が英語を得意とする理由
気になるのは、どうして韓国人は英語がそんなに得意なのかという点です。日本人は、およそ6年間英語を学ぶのに英語が全く喋れないとコンプレックスに感じている人が多いです。どうしてこんなことになっているのかを紐解いていきましょう。
激しい受験戦争
韓国人が英語を得意とする理由のひとつとして考えられるのが、日本ではまず考えられない厳しい受験戦争にあります。日本も欧米諸国に比べたら相当に受験は厳しい方ですが、それに比べても韓国はさらに上を行っています。受験シーズンになると、韓国の試験会場に遅刻しそうな生徒を警察官がバイクで送迎する映像を目にすることがありませんか?毎年のように流れているので、それだけすごい戦争なのだとわかります。
日本では、一部の生徒は受験を免れます。それはエスカレーター式に学年が上がれるシステム。しかし、このようなシステムは韓国にはほとんど存在しないのだそう。また、推薦入試という受験科目が少なく、かつ早くに合格が決まってしまうある意味差別的な入試システムも韓国では稀なのだそうです。
韓国の受験は、誰もに対して平等であるという点を見れば好感が持てるという方もいるのでは?いくら成績が良くても、日本は学校の宗教色や私立か公立かという違いで推薦枠さえないというところもあり、かなり不平等です。また、賢い子は自力で国立へ行けるからとあえて推薦枠をあげず、勉強できない子に合格させるために推薦を使うといった学校も実は少なくありません。こうすれば学校全体としての合格率が上がるからです。
そんな平等に受験を行う韓国では、毎年11月に大学就学能力試験という、日本でいうところの共通テストが行われます。11月というと日本と時期がずれるのでなんだか不思議な感じですね。
大学就学能力試験は一発勝負となっていることから、国中がピリピリした雰囲気になります。日本だったら、特に私立は何度も受験できるチャンスがあるのでここも大きな違いだと言えます。ちなみに、この受験日には交通機関のダイヤも特別に変更されるそうですよ!
そしてその受験戦争に打ち勝つために重要なのが、英語なのです。この人生を左右する国を挙げての応援モードの中、自分の実力をその日のためだけに発揮するとなれば、大きなプレッシャーの中かなりの勉強をすることでしょう。この韓国の受験システムこそが、英語力が高い理由であると言えます。
貿易依存度がスピーキング能力に影響?
韓国に行った人は、日本人と比べて英語が話せると感じると言います。つまり、TOEICの試験ではかれるリスニングやリーディングだけでなく、スピーキング能力も高いということになりますね。この理由のひとつと考えられているのが、韓国の貿易依存度の高さです。
実は、韓国の貿易依存度は80%を超えています。これはかなり高い方で、例えば日本は30%ですし、アメリカに至っては20%です。ということは、韓国に住んでいる限りほとんどのものは海外企業とのかかわりがあるということ。つまり、仕事をする上でも英語を使う頻度はどうしても高くなるわけです。
就職する時に海外企業とセールスの話ができるだけの英語レベルを求められるのは自然なこと。就職にも影響するのであれば、学生のうちから英語をしっかりと、ビジネスレベルにまで引き上げようと思うのも自然なことではないでしょうか。もちろん英語を使わない企業に就職すれば良いのですが、韓国の経済が海外に依存しているなら、英語力が欲しいと言われる企業は日本よりもかなり多くなります。こうして、入試が終わった後も英語力を高めているのが韓国なのです。
まとめ
英語で韓国はSouth Koreaですが、一般的な会話で使うならKoreaでもOKということでしたね。単語自体は中学生のうちに習うのであまり抵抗なく思い出せたはずです。また、お隣なのに韓国人が英語を得意とし、日本人は英語を苦手とする理由もご紹介しました。もっと複数の要因が絡んでいるとも考えられますが、韓国独自の受験システムや、貿易依存度の高さを見れば英語力が必要となる環境であることは間違いありません。やはり、必要に迫られて学習することは、実践で使う機会も多いために定着し、伸びやすいのでしょうね。日本でも英語を実際に使う機会を多くして、机上の勉強を減らしてほしいものです。