英語を学習していると、英語で電話をかける機会も出てくるのではないでしょうか。電話ではどのような単語を使えばいいのか分からずに困っている方もいるかもしれません。今回は、「電話」に関する表現を学んでいきましょう。ビジネスシーンで使えるようなフレーズも一緒にご紹介していくので、英語で電話をする時の参考にしてみてください。

「電話」にまつわる英単語まとめ

まずは、「電話」に関する英単語を紹介します。

「電話」は、英語で言うと「a telephone」で、複数形は「telephones」です。口語では、「a phone」です。また、「a call」も「電話」を意味し、「call」は「電話をかける」という動詞としてよく使われます。

「電話」と関連する英単語として、「phone book(電話帳)」、「pay phone / phone booth(公衆電話、電話ボックス)」、「phone card(テレホンカード)」、「phone number(電話番号)」、「smartphone(スマートフォン)」などがあります。

「電話」を意味する英語表現

この章では、前の章で紹介した「電話」を意味する「phone」と「call」の使い方を解説します。「phone」と「call」のそれぞれの意味を理解して、どのように使い分けるのかをしっかり押さえておきましょう。

「phone」の使い方

日常会話の中では、「電話」は「telephone」ではなく、「phone」を使う場合がほとんどです。「phone」は、実際にかけたり、かかってきたりする「電話を通しての会話」というよりも、機械としての「電話機」そのものを意味します。

「電話で話す」
「電話で話す」は、「talk on the phone」といい、ほかに「on」の代わりに「by」を使って「talk by the phone」とも言います。
「電話を切る」
「電話を切る」は、「hang up the phone」 で、「電話を切らないでください」は、「Don’t hang up the phone.」または「the phone」を省略して「Don’t hang up.」と言います。

そのまま切らずに待ってほしいと伝えたい時は、「Hold on a second, please.」(そのまま少々お待ちください)を使います。

「電話を借りる」
「電話をお借りしていいですか」とたずねる時は、「May I use your phone?」で、それを許可する時は、「Sure, go ahead.」(ええ、どうぞ)と答えます。

「call」の使い方

「call」も「phone」と同様に「電話」を意味しますが、「電話の呼び出し」や「通話」のニュアンスで使われます。

「電話ですよ」(現在形)
「(あなたに)電話ですよ」は、「There’s a (phone) call for you.」で、「(近くにいる人に)電話ですよ」と知らせる時は、「It’s for you.」と言って受話器を渡します。
「電話があったよ」(過去形)
「(留守中に)お母さんから電話があったわよ」は、「You had a (phone) call from mom.」で、「had」の代わりに「get」の過去形「got」を使って、「You got a call from mom.」とも表現できます。
「(…に)電話する」
「…に電話する」は、「give … a call」で、「今度町に来たら電話ちょうだい」は「Give me a call next time you’re in town.」と言います。同様に「make a call」も「電話する」という意味ですが、この表現を使うと、通話の相手を明示する必要がありません。例えば、「日本に国際電話をかける必要があります」と言いたい時は、「I need to make a call to Japan.」で、日本に電話するということだけを伝えられます。

「電話をかける」を意味する英語表現

前章の最後に、名詞「call」を使った「電話する」という表現を紹介しました。この章では、同じ「電話をかける」を意味する 動詞「call」の基本的な使い方を解説します。例文は、電話にまつわる会話でよく使われる表現ばかりですので、覚えておくと便利です。

他動詞「call」(…に電話をかける)の使い方

他動詞は、必ず動詞の後に目的語がきます。他動詞「call」の場合は、「誰に」電話をかけるかを明示して使います。

「I called Mary this morning, but nobody answered.」は、「今朝メアリーに電話したんだけど、だれもでなかったよ」という意味です。「電話に出る」は、「answer」がよく使われますが、「pick up」を使って、この例文では「nobody picked up.」(誰も出なかった)と言うこともできます。

「Call this number in case of emergency.」は、「緊急の場合はこの番号にお電話ください」という意味です。「call」の後に目的語の「this number」(この番号)が置かれ、具体的な番号にかけるように指示しています。また、「Please call me at this number.」は、「この番号に電話してね」と訳せますが、話し手が電話番号を伝えながら、自分自身にかけてほしいと言っています。このケースでは、「this number」の前に前置詞「at」を置いて「この番号に」と表現しますので注意しましょう。

「How late can I call you tonight?」は、「今晩何時ごろまでだったら電話していい?」という意味です。電話をかける上で、事前に相手の迷惑にならない時間を確認する場面で使います。日本語の「何時頃まで」「How late」(どのくらい遅くまで)で表現しています。

自動詞「call」(電話をかける)の使い方

自動詞は、動詞の直後に目的語などの名詞を置きません。自動詞「call」の場合は、「誰に」電話をかけるかを明示しなくても使うことができます。

「I’ll call again later.」(あとでまた電話します)は、話したかった人が不在だった場合などに、電話に出た人に告げる表現で、誰に電話をかけるかは周知の事実として、自分が後でまた電話することを伝えることに重点が置かれています。

「Thank you for calling.」(お電話ありがとうございます)は、電話を受けた人が言う表現です。電話の最後に言うことが多いですが、企業への問い合わせなどの場面では、一番最初に言われるフレーズでもあります。

その他の「電話」にまつわる会話表現

最後に、「電話」にまつわる会話表現をさらに紹介します。

電話を受けた時の応対など日常的によく使う表現ばかりです。

Aさん
Who’s calling, please?
(どちらさまですか)

Aさん
Who are you calling, please?
(どなたにおかけでしょうか)

Aさん
Please call me later.
(あとで電話してね)

Aさん
I’ll call (you) back later.
(あとでこちらから電話をかけ直します)

Aさん
Talk to you later.
(またね)

ビジネスシーンですぐ使える!電話をするときのフレーズとは?

英語で電話をする時は、対面で英語を話す時よりも緊張するのではないでしょうか。今まで電話で英会話をしたことがない方は特に、どのような対応をすればいいか分からないかもしれません。予期せぬことが起こった時は、その状況に合った英語を使う必要があります。焦って会話を止めてしまわないように、ビジネスシーンで使えるフレーズを覚えておくと安心です。自分から電話をかける時や、相手から電話がかかってきた時の対応の仕方など、それぞれの場面に合ったフレーズを見ていきましょう。

電話を掛けるとき

ビジネスシーンで電話をかける時は、まず自分の情報を相手に伝えることが大切になります。相手が電話に出たら、「Hello, This is (名前) from (会社の名前).」など、しっかり挨拶したうえで名前と会社の名前を言うといいでしょう。電話ではお互いの表情を見ることが出来ず、声だけでのコミュニケーションになります。そのため、電話先の相手が聞き取りやすいようにハッキリとした発音で話すように心がけてください。また、緊張をしていると自分が思っているよりも早口になってしまう可能性があります。ビジネスシーンということでかしこまる必要はありますが、過度に緊張して焦ってしまわないように気を付けましょう。

相手の会社に電話を掛けた理由は様々ですが、仕事に関する話をしたい担当者がいるはずです。電話を受けた方が担当者ではない場合は、「May I speak to (担当者の名前) please?」と言って担当者に電話をかわってもらいます。この時に担当者が不在だった場合は、伝言をお願いしたり折り返しの電話をかけてもらえるように伝えてもらいましょう。伝言をお願いする時のフレーズは「Could I leave a message?」になります。

折り返しをお願いする時のフレーズは「Could you please ask her/him to call me back?」などがあります。臨機応変に対応することがビジネスシーンでは求められるため、覚えておくといいでしょう。担当者と電話をすることが出来たら、用件を伝えます。「I’m calling about (要件).」というフレーズが使えるので、電話をする前に伝えたいことをまとめておくとスムーズです。相手に伝わりやすいように、分かりやすく簡潔に話すことを心がけてみてください。

電話に応対するとき

自分の会社に電話がかかってきた時は、「Thank for calling (会社の名前), (名前) speaking, May I help you?」のように、会社の名前と自分の名前を伝えた上で、相手の要件を聞くようにしましょう。電話対応は会社のイメージにも繋がっていくものなので、丁寧に対応することが大切です。明るく聞き取りやすい声で話すようにしてください。相手から担当者にかわって欲しいと言われたら、その担当者が対応可能か確認します。この時、確認のために時間を取ってしまうようであれば、そのまま無言で待たせるのは失礼にあたるので、「Let me check if she/he is available.」と一言断りを入れておくようにしましょう。

確認後すぐに電話を繋ぐことが出来る場合は、「I’ll put you through now.」や「I’ll put you through to (担当者の名前) .」というようなフレーズを使います。電話を繋げる際に時間がかかり、少し相手に待ってもらう場合は、「Just a moment, please.」などと一言添えるようにすると丁寧な印象を与えることが出来ます。待たせてしまった後に電話に出る時は、「Thank you for waiting.」と感謝の気持ちを伝えるようにしてください。ビジネスシーンでは気配りがとても大切になってくるため、その時の状況に合わせて相手の気持ちに寄り添うことが出来るフレーズを覚えておくと便利です。

もし担当者が他の人と電話をしていたり、会議をしていたりしてすぐに電話を繋ぐことが出来ないようであれば、「I’m afraid she/he is not available.」と今対応できないことを伝えます。対応できない理由について詳細を話したい時は、会議中だったら「She/He is in a meeting right now.」、外出中だったら「She/He is not in the office.」などと伝えることも可能です。そこですかさず、こちらのほうから「Would you like to leave a message?」と伝言を残すか質問したりすると親切な印象を与えることが出来るでしょう。また、折り返しが必要だと判断した場合は、「Would you like her/him to call you back?」と担当者からの折り返し電話を提案することも出来ます。相手とのやり取りや、相手が求めていることを予測しながら、その時に合った使うフレーズを使うようにしてみてください。

相手から伝言を預かったり、折り返しの電話をお願いされたりした時は、担当者にそのことを伝えなくてはいけません。そのためにも、相手についての情報を細かく聞く必要があります。名前に関する質問は、「May I have your name, please?」というフレーズを使います。スペルを確認しておきたい場合は、「How do you spell your name?」と聞くようにします。同じ名前の人と勘違いが起きないように気を付けたいところです。会社名に関する質問をする時は、「May I have your company name, please?」などのフレーズがあります。何度も聞きなおすことがないように、相手の答えを聞いたらしっかりとメモを取るようにしてください。また、聞き間違いがないようにするためにも、聞いた内容を確認することが必要になります。「Let me repeat your number.」などと言ってから、電話番号を復唱してみましょう。

電話を切るとき

電話を切る時も、ビジネスシーンで使えるフレーズがあります。もしかしたらまだ相手側に要件が残っているかもしれないので、まずはそれを確認することから始めます。「Is there anything else I can assist you with?」と聞いたら、相手がそれに対しての返答をしてくれるはずです。もし他にも用件があるようであれば、その都度対応していくといいでしょう。他の要件がない場合は、「Thank you for calling.」と伝えます。この時、「Have a nice day.」と付け加えると印象良く電話を切ることが出来ます。

相手が言ったことを聞き返すとき

ビジネスシーンでの電話中に、相手が言ったことを一度で聞き取れないこともあるでしょう。もう一度聞き返すのは失礼なのではないかと悩む方もいるかもしれませんが、誤解が生じてしまったら仕事に影響が出てきてしまいます。それを避けるためにも、しっかりと聞き返すことが大切になります。「I’m sorry. I didn’t catch that.」と、最初に聞き取れなかったことを謝ります。そのうえで、「Could you repeat that, please?」ともう一度言ってもらえるようにお願いするといいでしょう。相手の話すスピードが速すぎると感じた場合は、「Cloud you speak more slowly, please?」ともう少しゆっくり話してもらいたいことを伝えてみてください。

また、相手の話している内容をきちんと理解することが出来なかった場合にも、しっかり聞き返すことが必要です。話の意味を聞きたい時は、「Did you mean (自分が解釈した意味)?」などと伝えます。ここできちんと意思疎通が出来ていなければ、後から大きな問題に発展する可能性が出てくるので、慎重になったほうがいいでしょう。

参照:アンカー 大人のための英語学習辞典 2016年12年20日初版第1刷発行(株式会社学研プラス)