今回のテーマは「アトリエ」です。

アトリエと聞くと、なんだかおしゃれな仕事場というイメージがありますが、英語でもそのまま通じるのでしょうか。また、似た意味の言葉に「スタジオ」や「工房」もありますが、これらを英語で何と言うかについても、それぞれの違いを踏まえつつ、詳しく解説します。

これを読めば、英語で工房や作業場を適切に使い分けられるようになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

「アトリエ」は英語で何て言う?

「アトリエ」は英語でもそのまま “atelier” と言います。発音記号は【ˌæt.əlˈjeɪ】で、カタカナ表記だと同様に「アトリエ」ですが、イントネーションが日本語とは違っているので、音声で一度確認しておくとよいでしょう。

atelier は主に、画家や彫刻家などのアーティストが、クリエイティブな活動を行うための場所を指す言葉です。

Aさん
My parents are both painters, so we have separate ateliers for each of them at home.
訳)私の両親は2人とも画家なので、家にはそれぞれのアトリエがあります。

日本語でも「アトリエ」と聞くと、どこかアートな雰囲気が感じられると思いますが、英語でもその語感は同様です。そのため、アート以外の作業場を atelier と呼ぶと、少し気取っている印象に聞こえることもあるので注意しましょう。

Aさん
I have an atelier at my house for doing DIY projects.
訳)私の家には、日曜大工をするためのアトリエがあるよ。
Bさん
Hmm, I don’t think we usually call it an atelier…
訳)うーん、それはアトリエって言わないんじゃないかな…。

 

Aさん
Then what should I call it?
訳)じゃあ何て言うの?
Bさん
You’ll find out by reading this article to the end!
訳)それはこの記事を最後まで読んでもらえればわかるよ!

 

アトリエの由来は?

アトリエ(atelier)の由来は、英語ではなくフランス語にあります。

もともと atelier はフランス語で「木片の堆積」を意味する言葉で、木片が堆積する部屋、すなわち「大工さんの仕事場」を表すようになりました。その後、意味が広がり、大工さんという職業にとらわれず、幅広い創作活動の場を意味するようになったといわれています。

そんなフランス語 atelier がなぜ英語でそのまま使われているかというと、響きがおしゃれだからです。日本語でカタカナ英語が使われる感覚と非常に似ています。

そのため、atelier を英語で使う場合は、本来の「大工さんの仕事場」という本来の意味はほぼ失われ、代わりに「おしゃれな仕事の作業部屋」というニュアンスで使われます。

Aさん
Atelier is originally not an English word; it’s of French origin.
訳)アトリエはもともと英語じゃなくて、フランス語由来の言葉なんだね。
Bさん
That’s right. So, it generally carries the nuance of a stylish workspace.
訳)そういうこと。だから、基本的にはオシャレな仕事をする部屋ってニュアンスがあるよ。

 

Aさん
I see. I’ll work hard to make my atelier so stylish that I can call it that for my DIY projects.
訳)なるほどね。じゃあアトリエって呼べるくらいおしゃれなDIYができるように頑張るよ。

 

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「スタジオ」は英語で何て言う?

「スタジオ」は英語で何て言う?

アトリエと似ていて少しニュアンスの違う言葉に「スタジオ」があります。

スタジオは、アトリエよりも広範囲の活動を行う作業場を表します。たとえば、「映画スタジオ」「写真スタジオ」「ダンススタジオ」などが代表的です。これらは日本語でもアトリエを使うと違和感がありますが、スタジオならしっくり来ますね。

そんな「スタジオ」は、英語でもそのまま “studio” と言います。しかし、発音が少し違っているので注意してください。発音記号は【ˈstuː.di.oʊ】で、カタカナだと「ステューディオ」という感じに聞こえます。

Aさん
There is a famous film company’s studio in my neighborhood.
訳)私の家の近所には、有名な映画会社のスタジオがあります。

スタジオの由来は?

スタジオ(studio)の由来は、ラテン語で「研究部屋、勉強部屋」を表していた “studium” から来ています。現代英語で「勉強」を意味する study も同語源です。

studio は、その語源通りもともとは勉学などに使う部屋を指していましたが、そこから意味が派生し、何かしら生産性のある活動を行う部屋全般を表すようになりました。

ちなみに、フランス語で studio と言うと、マンションなどの一室を表すようです。同じ単語でも、国によって表す対象が違うのは面白いですね。

アトリエとスタジオの違いは?

アトリエ(atelier)とスタジオ(studio)の違いは、「アートに関係するか」と「複数人で共同して使うか」という2点にあります。

まず atelier は先述の通り、フランス語をそのまま借用していて、アーティスティックでおしゃれな雰囲気が漂う単語です。その一方、studio にはおしゃれなニュアンスはなく、アート以外のさまざまな創作活動現場に使えます。

また、atelier が主に1人で集中して使うスペースを表すことが多いのに対して、studio には大人数で協力して使うイメージもあります。

Aさん
I have a studio for doing DIY projects at my house.
訳)私の家には、日曜大工をするためのスタジオがあるよ。
Bさん
Hmm, that sounds a bit different. It sounds like it’s being shared by several people.
訳)それも何か違うかな。なんだか、何人かで共有しているように聞こえる。

 

Aさん
Well then, what should I call it?
訳)じゃあ何て言えばいいの?
Bさん
You’ll find out in the next heading!
訳)それは次の見出しでわかるよ!

 

「工房」は英語で何て言う?

workshop

アトリエやスタジオと似ているものの、より気軽に「工房」の意味で使えるのが “workshop” という単語です。

shop は今では「お店」の意味で有名ですが、もともとは「小屋」を表していました。そのため、workshop で「作業小屋」というニュアンスになり、私たち日本人が「工房」と聞いて想像するのと同様のものがイメージされます。

アトリエと工房の違いは?

アトリエ(atelier)と工房(workshop)の違いは、簡単に言ってしまえば「アートに関係するかどうか」という点です。

たとえば、自宅にDIY用の小屋やスペースがある場合は、特にアートとは関係ないので workshop が適切でしょう。一方、同じ空間で画家が仕事に励んでいれば、そこは atelier と呼ばれます。

Aさん
I have a workshop for DIY projects at my house.
訳)私の家には、日曜大工をするための工房があるよ。
Bさん
Really? I’d love to come over sometime.
訳)そうなんだ。今度遊びに行きたいな。

 

まとめ

今回は「アトリエ」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。

アトリエは英語でも “atelier” ですが、主にアーティストが1人で作業する場を表します。そのため、複数人で協力して創作活動をする場所だったら “studio”、DIYなどに打ち込む場所なら “workshop” などを使う方が、よりニュアンスが伝わりやすくなります。

今回ご紹介したことを参考に、色々な仕事場や工房などについて、英語で適切に使い分けていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!