キュウリやニンジン、トマトなどは英語ですぐ言えても、ナス、ゴボウ、タケノコなどの野菜はなかなか英語ですぐは英語で言うのは難しいですよね。
この回では、野菜に関する英語をみていきましょう。

「vegetable」の本来の意味は、「元気づけるもの」

「vegetable」はラテン語系の言葉ですが、それより前はゲルマン語系の「起きる」という意味だったとされています。
「起きる」から「活動している」、「(植物のように)活力のある」へと変化していったようです。
一方、同じ語源をもつ「vegetate」は、「ぼんやりと単調な生活をする、無為に暮らす」という言葉です。元は同じなのに、まったく逆の意味になっていて面白いですね。

野菜の複数形を英語で書くと?

vegetable」を複数形にするときは、最後に「s」をつけるだけです。また一般的に「野菜」と言うとき、英語ではふつう「vegetables」と複数形を使います。

例えば、

Aさん
Eat all your vegetables!
訳)野菜は全部食べなさい!

となります。

ある1種類の野菜についていう場合、

Aさん
Spinach is a vegetable good for the health.
訳)ほうれんそうは健康に良い野菜です。

でOKです。

「vegetable」の略語は?

「vegetable」は、日常会話で略されることが多い言葉です。アメリカ・イギリスでよく使われる略語を順番にご紹介します。

アメリカの場合、略語は「veggie(ヴェジー)」。複数形なら「veggies(ヴェジーズ)」と呼ばれます。野菜を使った、こんな料理名に使われることも。

veggie pizza(ベジタブルピザ)

veggie burger(ベジタブルバーガー)

veggie lasagna(ベジタブルラザニア)

主にイギリスで多く使われるのが「veg(ヴェジ)」。こちらは不可算名詞で、複数形のsは付きません。こんな風に使います。

Aさん
Would you like some veg?
訳)野菜はいかがですか?

「vegetable」の略語は初めて聞くとピンとこないかもしれませんので、覚えておくと便利です。

【45種類・発音付き】野菜の英語名一覧

日本語 英語 発音 音声
アスパラガス asparagus アスパラガス

インゲン豆 kidney bean キドニービーン

エンドウ豆 pea ピー

オクラ okra オウクラ

カブ turnip ターニプ

カボチャ squash / pumpkin スクワシュ、パンプキン

カリフラワー cauliflower コラフラウワアー

キャベツ cabbage キャベジ

キュウリ cucumber キュカムバー

グリーンピース green pea グリーンピー

ゴボウ burdock バードク

小松菜 Japanese mustard spinach ジャパニーズ・マスタード・スピニチ

ゴマ sesami セサミ

サツマイモ sweet potato スウィートポテイトウ

サトイモ taro タロウ

シイタケ shiitake mushroom シイタケマッシュルーム

シソ beefsteak plant ビーフステイクプラントゥ

ジャガイモ potato ポテイトウ

春菊 Chrysanthemum leaves クリサンセマムリーブズ

ショウガ ginger ジンジャー

西洋ネギ leek リーク

大根 Japanese radish ジャパニーズラディシュ

大豆 soybean ソイビーン

タケノコ bamboo shoot バンブーシュートゥ

タマネギ onion オニャン

トウモロコシ (米)corn、(英)maize コーン、メイズ

トマト tomato トメイトウ

ナス eggplant エッグプラントゥ

ニラ Chinese chive チャイニーズチャイヴ

ニンジン carrot キャロットゥ

ニンニク garlic ガーリク

パセリ parsley パースリイ

白菜 Chinese cabbage チャイニーズキャビジ

バジル basil バズル

パプリカ paprika パプリーカ

ピーマン green pepper グリーンペパー

ブロッコリー broccoli ブラカリ

ホウレンソウ spinach スピニチ

細ネギ green onion グリーンオニャン

レンコン lotus root ロウタスルートゥ

舞茸 maitake mushroom マイタケマッシュルーム

水菜 mizuna ミズナ

ミツバ mitsuba ミツバ

ミョウガ Japanese ginger ジャパニーズジンジャー

モヤシ bean sprouts ビーンスプラウツ

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「キュウリ」の英語名には、いろいろな種類があります。こちらの記事でチェックしましょう。

野菜の調理法にまつわる英語例文集

野菜にはさまざまな調理法がありますが、なかでも多いのが切り方のバリエーション。ここでは、野菜の切り方を中心に英語での表現方法をご紹介します。

野菜の切り方の英語名

千切りにする cut into fine strips
さいの目切りにする cut into cubes
スティック状に切る cut into sticks
角切りにする dice
みじん切りにする mince / chop into small pieces
薄切りにする cut into thin slices
輪切りにする slice into rounds
Aさん
Cut the pepper into stripes.
訳)ピーマンを短冊切りにして。
Aさん
Cut the top / bottom off.
訳)上側(下側)を切り落として。
Aさん
Chop the onion into small pieces.
訳)タマネギをみじん切りにして。
Aさん
Peel the potatoes.
訳)ジャガイモの皮をむいて。
Aさん
In a bowl, mash the beans with a masher.
訳)ボウルの中で、マッシャーを使って豆をつぶして。

野菜料理の代表、スープとサラダの話

元気づけるという意味を持っていた「vegetable」ですが、こうした野菜の栄養をしっかり体に取り入れられる料理といえば、欧米ではスープ「soup」、サラダ「salad」でしょうか。

スープのルーツは、紀元前1500〜1600年頃のエジプトに見られます。いろいろな野菜や肉、固くなったパンを混ぜたごった煮のようなものだったようです。その後、スープに革命が起こります。11〜13世紀のヨーロッパで、十字軍が遠征から持ち帰った香辛料が味を劇的に変えたのです。その後は料理の技術も進化し、17世紀のフランスでは、スープがひとつの正式な献立として登場するようになりました。

18世紀に起こったフランス革命で、王族に仕えていた料理人たちが町へ出て店を開くようになると、あるお店の看板メニューとして「レストラン」という名前のスープを出します。この「レストラン」が評判となり、後にお店そのものを示す「restaurant」という言葉になっていくのです。

「soup」はフランス語の「soupe」から来ていて、「浸す」という意味。もともとは、汁に浸していたパンをさす言葉だったと言われています。西洋世界にとって、パンとスープは切っても切れない関係なんですね。

サラダの始まりは、古代ギリシャに遡ります。野草を摘んで塩をかけた「herba salata(塩をふったハーブ)」という料理があり、これがサラダのルーツとされています。塩を意味する「sal」が語源です。ローマ時代になると、ゆで野菜や生野菜、ハーブ、酢やオリーブオイル、魚醤などで味付けした料理が登場します。

大航海時代を迎えると、トマトやピーマン、じゃがいもなどが新大陸からもたらされ、野菜の種類や味付けが増えていったとされています。

サラダに使う生野菜は「fresh vegetables」で、有機野菜は「organic vegetables」です。
ちなみに、日本で生野菜が家庭でふつうに食べられるようになったのは戦後のことで、とんかつに添えられたキャベツが始まりだと言われています。

冬の定番・野菜たっぷりの鍋。よく使う野菜は、何て言う?

一方、日本料理で野菜をたくさん野菜を食べられて、元気になれるものといえば、やはり鍋物「nabemono」でしょうか。たっぷりの野菜や肉を水や出汁で煮て、調味料をつけて食べる鍋は、外国の方も喜んでくれそうなメニューですね。
では、日本の鍋でよく使う野菜をみていきましょう。先ほどと重複する野菜もあります。

ダイコン a Japanese radish
カブ a turnip
ニンジン a carrot
シイタケ a shiitake mushroom
キャベツ (a) cabbage
ハクサイ (a) Chinese cabbage
ミズナ mizuna
シュンギク Chrysanthemum leaves
ホウレンソウ spinach
モヤシ bean sprouts
細ネギ a green onion

ミズナはアジア特有の野菜で、欧米ではあまり見られません。こうした独特のものは基本的に、そのまま日本語で「mizuna」でOKです。
「鍋物」の説明をするときは、次のように言ってみましょう。

Aさん
A dish is cooked right at the dining table. People sit around the pot to enjoy eating and talking. A particularly nice meal for wintertime.
訳)食卓にコンロを置いて鍋を囲み、楽しく話しながら食事をします。特に冬に喜ばれます。

根菜中心の煮物「simmered dishes」も日本の代表的な野菜料理ですね。

ゴボウ a burdock
レンコン a lotus root
タケノコ a bamboo shoot
サツマイモ a sweet potato

ゴボウを日常的に惣菜として食べるのは、日本人だけと言われています。中国から伝わった食材ですが、中国では野菜としてではなく、薬膳スープの材料などに使われるようです。

日本人がよく食べる野菜

Aさん
How often do you eat vegetables?
訳)皆さんは、どのくらい野菜を食べていますか?

健康ブームが続いているので、庭やベランダで家庭菜園をしたり、シェア畑やレンタル畑などで野菜を育てている方もいらっしゃるでしょう。一般的な野菜畑は「a vegetables field」、家庭の野菜畑は「 a vegetables garden」となります。

Aさん
I grow vegetables in my garden.
訳)私は庭で野菜をつくっています。

ところで、日本人がよく食べている野菜は何でしょう。厚生労働省が2015年に発表した資料をもとに、英語でご紹介します。

1位 a Japanese radish
2位 a onion
3位 (a)cabbage
4位 (a)Chinese cabbage
5位 a carrot
6位 spinach
7位 a tomato
8位 a cucumber
9位 a pumpkin
10位 (a)lettuce

江戸時代には豆腐とダイコンの料理が圧倒的に多かったそうで、今も昔もダイコンは庶民の強い味方のようです。

出典:「日本人がたくさん食べている野菜は?」厚生労働省

果物は英語でどう伝える?

「果物」は英語で「fruit」だということは、よく知られていますよね。ただ、単数形の「fruit」と複数形の「fruits」の使い分けについてはよくわからない方が多いかもしれません。

「fruit」は基本的に不可算名詞で、果物全般のことを言いたいときには単数形で使います。

Aさん
I love fruit.
訳)私は果物が大好きです。
Aさん
We usually eat fruit every morning.
訳)私たちは毎朝果物を食べます。

複数形を使うのは、数種類以上の果物について話したいときだけです。

Aさん
She grows a variety of fruits and vegetables in the garden.
訳)彼女は庭で、たくさんの種類の果物と野菜を育てています。

「fruit」は、「たいていは単数形で、果物の種類について言うときだけ複数形を使う」と覚えておくとよいでしょう。

【26種類・発音付き】果物の英語名一覧

日本語 英語 発音
アンズ apricot アプリカットゥ
イチゴ strawberry ストゥロベリ
オレンジ orange オリンジ
Japanese persimmon ジャパニーズパシモン
カリン Chinese quince チャイニーズクインス
キウイ kiwi キーウィー
キンカン kumquat カムクワトゥ
グレープフルーツ grapefruit グレイプフルートゥ
ココナッツ coconut コウコナットゥ
さくらんぼ cherry チェリー
ザクロ pomegranate パムグラニトゥ
スイカ watermelon ウォタァメラン
pear ペア
パイナップル pineapple パイナプル
パパイヤ papaya パパヤ
バナナ banana バナーナ
ビワ loquat ロウクワトゥ
ブドウ grape グレイプ
ブルーベリー blueberry ブルーベリィ
マスカット muscat マスカットゥ
マンゴー mango マンゴゥ
ミカン tangerine タンジェリーン
メロン melon メロン
ライチ lychee ライチー
リンゴ apple アプル
レモン lemon レマン

「梨」の”pear”は、洋梨を意味します。では日本で食べられている「和梨」は何と言うでしょうか? こちらの記事でチェックしましょう。

まとめ

お馴染みの野菜は英語で言えても、そのほかの野菜はなかなか難しいですよね。
これを機会に野菜について、改めて単語を覚え直してみるのもいいですね。
最後に、キャベツに関するイギリスのことわざを一つ紹介します。

Aさん
Cabbage twice sodden.
訳)煮返されたキャベツ。

人から同じことを何度も繰り返し聞かされて、うんざりするときに使うことわざだそうです。昔、宴会でキャベツが出されたけれど、煮返したキャベツはくたくたでおいしくないので嫌がられたことからの例えです。
欧米の食べ物のことわざには、やはりパンとスープにちなんだものが多いのだそうです。
日本で言えば、ご飯と味噌汁なんでしょうね。
引用文献:アンカー大人のための英語学習辞典 2016年12年20日初版第1刷発行 株式会社学研プラス

りんごにまつわる英語のことわざもありますよ。