日本語の日常会話でよく使う「色々」という表現、何かと便利ですよね。

そんな「色々」が英語でも表現できたら便利でしょうが、何やら種類が色々ある様子…。ということで、今回のテーマは「色々」です。

「色々」を表す英語表現を複数取り上げ、それぞれの意味やニュアンスの違いを詳しく確認していきます。

これを読めば、英語でも「色々」が使いこなせるようになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

「色々な」は英語で何て言う?

「色々な」は英語で何て言う?

「色々な」を表す英語表現は、主に以下の5種類です。

  • various
  • all kinds of
  • many different
  • a variety of
  • multi〇〇

それぞれに意味やニュアンスが少しずつ異なるので、詳しく確認していきましょう。

色々な①:various

「色々な」という意味で最も一般的なのは “various” です。発音記号は「vé(ə)riəs」、カタカナだと「ヴェリアス」となります。

various は「~を色々に変える」という意味の動詞 “vary” を由来とする形容詞。various books(色々な本)、various people(色々な人々)、various reasons(色々な理由)などと、”various 〇〇” のかたちで、「色々な〇〇」を幅広く表現することができます。

Aさん
The bookshop sells various books.
訳)その本屋さんでは色々な本を売っています。

色々な②:all kinds of

“all kinds of” は直訳すると「すべての種類の」という意味。日本語でも日常会話で「絶対」「全部」などと言い切ることが多いのと同様、英語でも all(すべて) は日常会話に頻出の表現。厳密には全部でなくても、色々なことを表したい場合には all kinds of がよく使われます。

また、ほぼ同じ意味の表現に “all sorts of”、”all types of” があります。強いて言えば「kinds=アメリカ英語」「sorts=イギリス英語」という違いがありますが、実際はそれほど意識されていません。そのため、自分にとってしっくり来る表現を選んでしまってOKです。

Aさん
There are all kinds of people in the world.
訳)世界には色々な人がいます。

色々な③:many different

「たくさんの」という意味の many と「異なる」という意味の different を組み合わせることで、「たくさんあって、かつ異なる」という状態、つまり「色々な」を表すことができます。カジュアルからフォーマルまで、幅広いシチュエーションで使いやすい表現です。

many は可算名詞(数えられる名詞)がたくさんあることを表します。そのため、many different の後の名詞は複数形(-s)になるので注意しましょう。

Aさん
I have seen many different movies.
訳)今までに色々な映画を観てきました。

また、many の代わりに a lot of を使った “a lot of different” でも同じ意味になります。a lot of は可算名詞でも不可算名詞でも使えるので、後ろに来る名詞は(可算名詞の)複数形でも(不可算名詞の)単数形でもOKです。

Aさん
We’ll prepare a lot of different food at the party.
訳)パーティーで色々な食べ物を用意するつもりです。

色々な④:a variety of

前述の various と同じく vary を語源とする variety を使った “a variety of” も「色々な」という意味を表します。variety の発音記号は「vərάɪəṭi」、カタカナだと「ヴァラエティ」となります。

variety の意味は「種類」です。そのため、a variety of と a が付いていても「一連の種類」という意味になり、後ろに来る名詞は複数形になるのが基本です。比較的フォーマルな文脈で使われることが多い表現です。

Aさん
My sister has a variety of cloths.
訳)私の姉は色々な洋服を持っています。

また、variety と似た言葉に variation(ヴァリエーション)がありますが、こちらが表すのは「変化」です。そのため、種類が色々あることを指して「バリエーション豊富」と言うのは、日本独自の用法(和製英語)です。英語では通じないので注意しましょう。

色々な⑤:multi〇〇

名詞の前に “multi-“ という接頭辞を付けることで「色々な〇〇」を表すことができます。multi- の発音記号は「mˈʌltɪ」、カタカナだと「マルティ」です。

日本でも「マルチ〇〇」というカタカナ英語が一般化してきているので、聞き覚えがある方も多いのではないでしょうか。

ここまでご紹介してきたものと異なり、multi- が付く語は慣例的に決まっていることが多いです。そのため、少し専門用語的なニュアンスを帯びた言葉になります。

multi- が付く言葉の例は、以下表の通りです。

multilingual 色々な言語の(多言語の)
multicultural 色々な文化の(多文化の)
multinational 色々な国の(多国籍の)
multipurpose 色々な目的(多目的)
multiverse 色々な宇宙(多元宇宙)

その他の「色々」を表す慣用表現

その他の「色々」を表す慣用表現

「色々な」を表す表現は上記の通りですが、日本語に訳すと「色々」に相当する表現は、それこそ色々存在します。

ここでは、その中でも特によく使われる慣用表現を確認しておきましょう。

「色々なことが起こる」in English

「色々なことが起こる」という場合、単純に出来事の数が多いことを表していることが大半です。そのため、このような「色々なこと」は “many things(a lot of things)と言います。

Aさん
Many things happened at the same time.
訳)同時に色々なことが起こりました。

「色々聞いて」in English

後輩やお客様などに「色々聞いて(ください)」と声を掛ける場合、それは「どんなことでも」という意味です。そのため、このような「色々」は “anything” で表します。

Aさん
Feel free to ask me anything.
訳)気軽に色々聞いてください。

「色々と忙しい」in English

「色々と忙しい」という場合、頭の中には「あれ」や「これ」が色々思い浮かんでいる状態そのため、このような「色々」は “this and that” と表現するとピッタリです。日本語で言うところの「あれこれ」に近いニュアンスです。

Aさん
I’m so busy with this and that recently.
訳)最近色々と忙しいです。

まとめ

今回は「色々」について詳しくお話ししてきました。

色々を表す英語表現は、various や all kinds of など、それこそ色々あります。それぞれにニュアンスが異なっているものの、絶対の正解があるわけではないので、その時々で自分にとってしっくり来る表現を使うことが大切です。

今回ご紹介したことを参考に、英語でも色々な場面で色々なことを色々と表現していきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!