日本語では、既にあるものを指す際に「既存」という言葉がよく使われますが、これを英語でどう表現すればよいかご存知ですか?
ということで、今回のテーマは「既存」です。英語での既存の言い方を、「既存品」や「既にある」、反対の意味の「新規」なども交えつつ、詳しく解説していきます。
また、記事の後半では「既製品」や「従来品」など、ビジネスで便利な既存の類義語についても、英語で何と言うかご紹介します。
これを読めば、日常生活からビジネスシーンに至るまで、あらゆる場面で「既存」を英語でスムーズに言い表せるようになりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
「既存(既存の)」は英語で何て言う?
「既存(既存の)」と英語で表現する際は “existing” が使われます。発音記号は【ɪɡˈzɪstɪŋ】、カタカナだと「イグジスティング」となります。
existing は「存在する」を意味する exist(イグジスト) という動詞がもとになった表現です。形容詞として他の名詞に付き、「既存の○○」という意味でよく使われます。
この表現は、日常生活はもちろん、ビジネスシーンでも非常によく出てくる表現です。
Dismantling an existing system requires a lot of courage.
訳)既存のシステムを解体することは、非常に勇気が要ります。
「既存品(既存のもの)」は英語で何?
「既存品(既存のもの)」と、具体的な品を示さずに言いたい場合は “existing goods” や “existing product” と言えばOKです。
goods は主に消費者視点で見た商品を表します。日本語でも「グッズ」というカタカナ語が定着しているので、聞き馴染みのある方も多いでしょう。
なお、goods は常に s を付けて複数形で使うのがポイントです。good と単数形にすると、単に「良い」を表す形容詞になってしまうので注意してください。
I’ve nearly bought out the existing goods from this manufacturer.
訳)このメーカーの既存品は、ほとんど買い尽くしました。
また、product は主に生産者目線で語る商品を表します。それほど明確に使い分ける必要はありませんが、ビジネスシーンで既存品を表す際に迷った場合は、existing product と言っておけば間違いないといえるでしょう。
Continuous improvement is essential, never being content with existing products.
訳)既存品で満足せず、常に改良を加え続ける姿勢が大切です。
「既にある」は英語で何?
「既にある」と言いたい場合、英語では “already exist” を使います。たとえば、「○○は既にあります」と動詞として使うこともできますし、「既にある○○」と、既存と同じようにも使えます。
表す意味自体は existing とほぼ同じですが、知っていると表現の幅が広がるので、この機会にぜひ覚えておきましょう。
When you’re having trouble with your smartphone, most of the time, the solutions that already exist in the FAQ can be quite helpful.
訳)スマホの操作に困ったとき、たいていはFAQに既にある解決法が役に立ちます。
既存の反対である「新規」は英語で何?
既にあるものは「既存」と呼びますが、その反対に新しくできるものを「新規」と呼びます。この「新規」を英語で表現する際は “new” を使えばOKです。
たとえば「新規顧客」なら “new customer”、「新規登録」なら “new sign-up”、「新規事業」なら “new business” といった具合になります。
While analyzing the behavior of existing customers, I started to see hints for acquiring new customers.
訳)既存顧客の動向を分析していたら、新規顧客獲得のためのヒントが見えてきました。
「既存」を使った英語の会話例文
ここでは、以上ご説明してきた「既存」を表す existing などを使った英語の会話例文を2つご紹介します。
どちらも実践的な例文なので、ぜひ参考にしてください。
例文①
I tried to open an existing file and accidentally overwrote it.
訳)既存のファイルを開こうとして、間違えて上書き保存しちゃった。
Don’t worry. You can use the restore function to fix it.
訳)大丈夫。復元機能を使えば何とかなるよ。
Really? Thank you, you saved me.
訳)本当に? ありがとう、助かったよ。
例文②
Hey, B-kun, you always come up with innovative ideas in our meetings. How do you come up with them?
訳)Bくんって、いつも会議で斬新なアイデアを発表してるよね。どうやって考えてるの?
Thanks. They may seem new at first, but I’m actually just combining existing ideas.
訳)ありがとう。一見新しく見えるけど、実際は既存のアイデアを組み合わせてるだけなんだ。
I see. So, the hints for new ideas are within the things that already exist, right?
訳)なるほどね。新しいアイデアのヒントは、既にあるものの中にあるってことか。
That’s right.
訳)そういうことだね。
ビジネスで使える「既存」の類似表現をマスターしよう!
最後に、ビジネスでもよく出てくる「既製品」や「従来品」など、既存に類似した表現を英語で何と言うか、詳しく確認していきましょう。
「既製品」in English
注文に応じて作るのではなく、既に製品になっているものを「既製品」と言います。これを英語で表現する場合は “ready-made product” や “off-the-shelf product” を使います。
ready-made は直訳すると「既に作られている」という意味で、大量生産や出来合いの品であることを表す形容詞です。主に衣類や家具など、身の回りで使う既製品を指して使われます。
また、off-the-shelf は「棚(shelf)からすぐに取り出せる(off)」という意味で、在庫があってすぐに入手可能な製品を表します。主に製剤やソフトウェアなど、専門的な市場における既製品を指す際によく使われます。
「従来品」in English
「従来品」は、英語だと “conventional goods”、”conventional product” と言います。goods と product の違いは、前述の通り消費者目線か生産者目線かの点にあるので、ビジネスで迷ったら product を使っておきましょう。
既存品と従来品は、日本語でもほぼ同じ意味ですが、新製品との対比をする場合は従来品と呼ぶことが多いです。英語の場合も同様で、ビジネスのプレゼンなどで新製品の利点を表現したいシーンでは、conventional product がしばしば使われます。
まとめ
今回は「既存」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。
「既存」は英語で “existing” と言うのが一般的です。また、「既にある」と言う場合は “already exit” と表現する場合もあります。
既存は日本でも英語でも、主にビジネスシーンでよく使われる言葉です。今回ご紹介したことを、実際の会話に役立てていただければ幸いです。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!