日本語の「やめる」はさまざまな意味を表現できる便利な言葉ですよね。

仕事や学校をやめるときに使うこともあれば、中断したり、諦めたりするときにも「やめる」という言葉が使えます。

しかし、英語の場合は何をやめるのかによって単語を使い分けなければなりません。
たとえば、仕事をやめるときと、諦めてやめるときは全く違う単語を使うのです。

そこで今回は「やめる」の英語表現を解説します。
表現によってどのようなニュアンスの違いがあるのかをつかみ、英会話で役立ててくださいね。

「やめる」の基本の英語

「やめる」の基本の英語

「やめる」という日本語は便利な言葉の一つで、一言でさまざまな意味を表現できます。

日本語で表現できる「やめる」の意味は幅広いため、英語では複数の表現がありますよ。どのようなニュアンスの違いがあるのか解説していきます。

stop

「やめる」の代表的な表現といえばstopですよね。

stopを使って「やめる」を表現する場合、これまで継続してきたことをやめるというニュアンスを表現できます。ただ、stopは継続したきたことをやめるが、再開する可能性があるというニュアンスも含みます。

たとえば、朝にランニングする習慣をやめる、たばこを吸うのをやめるなどですね。

Aさん
The doctor ordered him to stop smoking.
医者は彼にたばこをやめるよう命じました。

また、進行中のものをやめる場合もstopを使います。
会話をやめる、歩くのをやめるなどのシーンに使います。

Aさん
He didn’t stop talking.
彼は話すのをやめませんでした。

quit

継続してきたことをやめる場合、quitを使って表現することもできます。

stopとquitは継続してきたことをやめる点では同じですが、再開する可能性の有無が異なります。stopはいったんやめるものの再開する可能性があるのに対し、quitは完全にやめて再開する可能性がないという表現になるのです。

またquitには何かから解放されるというニュアンスがあります。

そのため、仕事をやめる、学校をやめる場合はquitが適した表現だといえるでしょう。

Aさん
Why did him quit his job?
なぜ彼は仕事をやめたの?
Bさん
I don’t know at all why he quit his job.
わたしはなぜ彼が仕事をやめたのかさっぱりわかりません。

suspend

一時的にやめるというのを表現する場合はsuspendが使われます。

suspendは「宙ぶらりんにする」というコアイメージがあり、「一時停止する」「しばらく見合わせる」「保留する」という意味があります。
そのため、完全やめるのではなく、一時的にやめるのを表現する場合はsuspendが使われるのです。

Aさん
Please suspend that work.
その仕事を中断してください。
Aさん
I decided to suspend the ordering of that product.
わたしはその製品の発注を停止すると決めました。
Aさん
My brother was suspended from school.
わたしの弟は学校を停学になりました。

いずれの例文も一時的な中断であって、完全にやめるわけではないのがわかりますね。

resign

仕事をやめるときはquitを使うと紹介しましたが、その中でも役職のある偉い人が会社をやめるときはresignを使います。

部長や社長といった会社の中の偉い人をはじめ、首相や教皇、監督などがやめるときにも使います。

そのため、resignは「やめる」と訳されることもありますが、「辞職する」「辞任する」などの日本語に訳される場合があります。

Aさん
The Prime Minister announced that he would resign.
首相が辞任を発表しました。

leave

leaveのコアイメージは「持って行かないで(そのままにして)去る」となっています。

「去る」「出る」「出発する」などの意味で用いられることが多いですが、「退学する」「卒業する」「脱退する」などの「やめる」という意味でも使われます。

コアイメージを掴んでおけば、文章に応じて適切な意味を解釈できるため、leaveは「持って行かないで(そのままにして)去る」というコアイメージがあることを覚えておきましょう。

Aさん
I’ll leave school and find a new job.
わたしは仕事をやめて新しい仕事を見つけます。

give up

「give up」は諦めのニュアンスを表現できる「やめる」です。

たとえば、「ダイエットをやめる」「合格を目指して勉強するのをやめる」といったシーンに使います。

Aさん
I gave up on losing my weight.
わたしは体重を落とす(ダイエット)のをやめました。

「やめる」の関連表現

「やめる」の関連表現

「やめる」はどのようにやめるのかによって、さまざまな英語表現があるのがわかりましたよね。

ここでは、「やめる」に関連する表現を紹介していきます。

やめられない

「~をやめられない」を英語で表現する場合、ふたつのフレーズがあります。

どちらも日本語に訳すと同じような意味に思えますが、ニュアンスの違いがあります。

can’t stop~ing

すでに動作や行為が始まっており、やめられない様子を表現する場合は「can’t stop~ing」を使います。

stopは進行中のものをやめるに使う表現のため、「動作がやめられない」ときには「can’t stop~ing」が適しているのです。

Aさん
I can’t stop sweating.
汗がとまらない。

can’t help~ing

動作や行為がまだ始まっていないものの、やめられない様子を表現する場合は「can’t help~ing」を使います。どうしようもない、こらえられないシーンで使う表現です。

Aさん
I can’t help eating.
わたしは食べずにはいられない。
Aさん
I couldn’t help but cry.
わたしは泣かずにはいられなかった。

関係をやめる

彼氏・彼女という関係をやめる場合、どのように表現するのでしょうか。

この場合、stopやquitを使って表現するのではなく「break up」というフレーズが適しています。

「break up」は「解体する」「分解する」「解消する」などの意味があり、カップルが関係を解消するときは「break up」が使われるのです。

Aさん
I want to break up with him.
わたしは彼と別れたいです。
Aさん
I think they will break up sooner or later.
彼らは遅かれ早かれ関係を解消すると思います。

「sooner or later」は「遅かれ早かれ」という意味があります。

まとめ

まとめ

いかがでしょうか。

今回は「やめる」に関する英語表現を解説しました。

日本語の「やめる」は便利な単語で、一言で幅広い意味で使えますが、英語ではどのようにやめるのかによって表現を使い分ける必要があります。

基本の表現はstopやquitですが、再開する可能性があるかどうかで使い分けるようにしましょう。また、一時的に中断する場合はsuspend、役職のある偉い人が辞任する場合はresignを使いますよ。

ぜひ今回の記事を参考に、「やめる」の英語表現を使い分けて会話に役立ててくださいね。