今回のテーマは「少ない」です。

日本語の場合は、なんでもかんでも「少ない」で対応可能ですが、英語の場合はそうもいきません。何が少ない状態を表すかによって、適切な表現が変わってきます。

この記事では、たくさんある「少ない」を表す英語表現の違いを詳しく確認していきます。これを読めば、状況に応じてそれぞれの表現を的確に使い分けられるようになるはずですよ。

それでは、早速始めていきましょう!

「少ない」は英語で何て言う?

「少ない」は英語で何て言う?

英語で「少ない」を表すのは、”few”、”little”、”not + many(much)”、”scarce” の4種類です。

とはいえ、ひとくちに「少ない」と言っても、何が少ないか、そして少なさのニュアンスによって言い方が異なります。

それぞれ詳しく確認していきましょう。

「少ない」①:few

“few” が表すのは「数が少ない」状態です。発音記号は「fjúː」、カタカナだと「フュー」となります。

few は数えられる名詞(可算名詞)の数が少ない状態を表します。a few だと「少し~ある」という肯定的な意味、few だけだと「ほとんど~ない」という否定的な意味になります。

ただし、few は基本的に「名詞の前」に付けてしか使われません。”The cars are few.(車が少ない)” のような使い方は不自然なので注意しましょう。

Aさん
Few students can speak in my school.
訳)私の学校には、英語を話せる生徒が少ししかいません。
Bさん
Really? A few students can speak English in my school.
訳)そうなの?僕の学校には英語が話せる生徒が少しだけいるよ。

 

「少ない」②:little

“little” が表すのは「量が少ない」状態です。発音記号は「líṭl」、カタカナ表記だと「リトル」となります。

little は「水(water)」や「お金(money)」などの数えられない名詞(不可算名詞)の量が少ない状態を表します。a little だと「少し~ある」というポジティブな意味、little だけだと「ほとんど~ない」というネガティブな意味になります。使い方が似ていることから、few とセットで語られることが多いです。

しかし、little は few と違い、付ける場所に制約がありません。また、名詞以外に形容詞や副詞に付けることもできるので、幅広いシーンで使用可能です。

Aさん
My father talks very little.
訳)私の父はほとんど話しません。

「少ない」③:not + many(much)

「たくさん」を表す many や much を否定して「少ない」を表すことも可能です。

many は可算名詞の「たくさん」、much は不可算名詞の「たくさん」を表すので、”not + many” で few と同じ意味、”not + much” で little と同じ意味を表します。

(可算名詞の)数が少ない few(a few)
not + many
(不可算名詞の)量が少ない little(a little)
not + much

Aさん
Not many students can speak English in my school.
訳)私の学校の英語を話せる生徒は少ないです。

Aさん
My father doesn’t talk much.
訳)私の父は口数が少ないです。

また、”a lot of” も「たくさん」という意味なので、”not + a lot of” で「少し」の意味を表すこともできます。この場合、many、much のような使い分けは必要なく、数と量いずれの場合にも使用可能です。

Aさん
I don’t have a lot of books.
訳)私の持っている本は少ないです。

「少ない」④:small

「小さい」という意味で有名な small で「少ない」を表すこともできます。ただし、あくまで「数量の規模が小さい」という意味なので、small 単体では使うことができません。

「少ない」という意味を表す場合、small は主に以下の組み合わせで使われます。

  • the number is small:数(number)が少ない
  • the amount is small:量(amount)が少ない
Aさん
This library is very good.
訳)この図書館いいね。
Bさん
Yes, but the number of books is small.
訳)うん、でも本の数が少ないな。

「少ない」⑤:scarce

“scarce” が表すのは、本来の数(量)に足りていない少なさです。発音記号は「skéɚs」、カタカナだと「スケアス」となります。

不足という状態は、リンゴなどの可算名詞でも、水などの不可算名詞でも起こり得ます。そのため、scarce は可算・不可算という名詞の種類を問わずに使うことが可能です。

しかし、scarce はここまで紹介してきた表現に比べて、少し難しい表現なので、日常会話で使われることは少ないでしょう。

Aさん
In summer time, the electricity comes to be scarce.
訳)夏の間は電気が不足します。

「〇〇が少ない」と具体的に言ってみよう

「〇〇が少ない」と具体的に言ってみよう

以上のように、「少ない」と一括りに言ってもその表す意味はさまざまです。

そこで、ここからは具体的に「〇〇が少ない」を表す際、上記のどの表現が適切なのかを確認していきましょう。

「数が少ない」in English

「数が少ない」ことを表すには、以下の表現が適切です。

  • few
  • not + many
  • the number is small
  • scarce

「量が少ない」in English

「量が少ない」ことを表すには、以下の表現のいずれかを使えばOKです。

  • little
  • not + much
  • the amount is small
  • scarce

「人が少ない」in English

「人が少ない」というのは、人の数が少ないということ。したがって、人の少なさを表す場合は「数が少ない」状態を表す以下の表現が適切です。

  • few
  • not + many
  • the number is small
  • scarce
Aさん
There are not many people in this theater.
訳)この映画館は人が少ないです。

「本数が少ない」in English

電車やバスなどの本数が少ないと言いたい場合、そこで問われているのは電車やバスが来る「数」ですね。ということで、「本数が少ない」状態を表すには、「数が少ない」の表現を使えばOKです。

  • few
  • not + many
  • the number is small
  • scarce
Aさん
The number of buses on this route is very small.
訳)この区画はバスの本数がとても少ないです。

「未満、以下」in English

「AはB未満」と言いたい場合 “A is less than B.” と表します。この less は 先述の little の比較級です。そのため、A is less than B. を直訳すると「AはBよりも量が少ない」という意味になります。

Aさん
You eat less than usual. What happened?
訳)いつもより食べる量が少ないけど、どうしたの?
Bさん
I’m on a diet.
訳)ダイエット中なんだ。

 

本来、量の比較が little の比較級(less)なら、数の比較は few の比較級(fewer)となりますが、実際は数と量のどちらも less で代用することがほとんどです。そのため、「~未満=less than」と公式っぽく覚えてしまって問題ありません。

また、「〇〇以下」と表現したい場合は “or less” を付け加えればOKです。

まとめ

今回は「少ない」を表す英語表現について確認していきました。

ひとくちに「少ない」といっても、「数が少ない」なのか「量が少ない」なのかなど、表す対象やニュアンスによって適する表現が異なります。

今回ご紹介したことを参考に、状況に合わせてピッタリの表現を使っていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!