日常英会話がある程度話せるようになったら、ビジネス英会話など分野別の勉強をする人もいるでしょう。また、自分の職業に合わせた英語を学習する人もいるはずです。

そんな分野別英語の中でも、密かに人気なのが医療英語。
医療機関に勤務する人だけではなく、翻訳をする人やドラッグストアで働く人も、医療英語を知っておけば役立つときがあるでしょう。また、自分が英語圏で患者・お客さんとして医療機関や薬局・ドラッグストアに行く場合も、医療英語の基礎を知っておけば、会話がスムーズです。

そこで今回は日常生活から医療系就職にも役立つ医療英語についてまとめてみました。日常英会話の学習に物足りなさを感じている人は、ぜひ参考にしてくださいね。

 医療英語の重要性

英語を使って仕事をしたい人は、日常英会話だけではなかなか思うような仕事が見つからないかもしれません。事務系や営業のお仕事であればビジネス英語を学ぶだけでも十分かもしれませんが、翻訳や通訳といった仕事をしたい場合は、プラスアルファが必要になります。

そのプラスアルファとして、医療英語がおすすめ。医療英語は教材も充実していますし、医療英語のコースなどもあるので、学びやすい分野の一つです。

また、少しでも医療が関係するお仕事につきたいのであれば、医療英語は必須。今すぐ英語を使うような医療系英語の就職を考えていなかったとしても、早めに始めておいて損はありません。

国内で働く場合にも、外国人のお客さんや患者さんが多いエリアなら、医療英語を知っておくことで就職に役立つ可能性は十分あります。
そして将来的に海外に住むことを考えている人にも、医療英語の基礎を抑えておけば、もしもの病気やけがの時に安心して病院に行くことができるでしょう。

意外と生活の中で医療に関する会話をしていることはよくあります。医療英語を覚えておくことで、英語で話せる話題の幅が広がりますし、何より非常に実用性があるのです。

 医療英語を学ぶならまずは日常英会話の習得を!

どういう目的で医療英語を学ぶにしても、まず先に日常英会話の習得をしておきましょう。英語のレベルが初級くらいの人が、突然医療英語を学んでも、あまり役立つとは言えません。

基礎文法や基礎的な表現はすべて習得し、日常英会話の学習だけでは物足りなくなったときが医療英語の学び時。そもそも、医療英語の教材も、基礎英語はすでにマスターしている人を対象にしていますから、日常英会話を先に学んでおかなければ、かなり難易度が高く感じるはずです。

目的別!医療英語の勉強方法

目的別!医療英語の勉強方法

ここからは、医療英語を学ぶ目的別に、医療英語の勉強方法をご紹介していきます。

一般的な会話の範囲で医療英語が必要な場合

自分が患者として医療機関やドラッグストアに行く場合や、家族や友人と医療に関する話をするのを目的として医療英語が必要な人は、基礎的な表現だけ知っておくと良いでしょう。

無理に医療英語の教材などで学習する必要はありません。インターネットで医療英語系のフレーズを調べて覚えるだけでも十分です。
もう一歩踏み込んだ会話をしたい場合は、症状と病名を説明するのに役立つ単語を覚えましょう。これも日常的に誰もが知っているくらいのもので構いません。

医療機関での受付やドラッグストアで働く場合

医療機関での受付や薬局・ドラッグストアで働く場合は、上記よりももっと踏み込んだ医療英語の学習が必要です。目安としては、「日本医学英語検定試験」の4級レベル。
4級は基礎級とも呼ばれ「基礎的な医学英語運用能力を有するレベル(医科大学・医療系大学在学あるいは卒業程度)」とされています。(引用元:日本医学英語検定試験)
勉強も日本医学英語検定試験の4級に対応した教材を買ったり、基礎医療英語の教材を使うのもおすすめです。

日本のドラッグストアで外国人の接客をするのに、ここまでの知識は必要ないかもしれませんが、海外のドラッグストアで働くなら覚えておいて損はありません。
英語圏だと、病院に行くよりもドラッグストアで薬を買うという人が多いので、ドラッグストアで「〇〇の時に効く薬はどこ?」なんてことを聞かれます。

医師・看護師や翻訳・通訳者として医療英語が必要な場合

医師や看護師、そして翻訳者や通訳者として医療英語が必要な場合は、どこまで勉強しても足りないくらいです。自分の求めるレベルに合わせて学習を行いましょう。

ひとまずは、前述の「日本医学英語検定試験」3級の合格を目指すのも良いですね。明確な目標があれば学習がしやすくなるはずです。
また、医療英語関連の教材から、自分の専門分野に役立ちそうな教材を探すのもおすすめ。探してみると医療英語の教材は豊富です。
医療英語のコースを取るのも良いでしょう。オンラインで学べるものもあるので、自分の生活やレベルに合ったものを探してみましょう。

基本的な医療英語フレーズ

基本的な医療英語フレーズ

ここからは、まだ医療英語を勉強したことがない人向けに、基本的な医療英語フレーズを会話形式でご紹介します。医療英語の入口として参考にしてくださいね。

症状を尋ねる

まずは診察が始まるところから、医師と患者の会話をみてみましょう。

Aさん
Hello Mr. Tanaka. How can I help you today?
田中さん、こんにちは。今日はどうしましたか?

Bさん
Good afternoon. Well, I think I have a cold.
こんにちは。ええと、風邪をひいてると思うんです。

Aさん
OK. Could you tell me more about your symptoms?
そうですか。症状についてもっと詳しく教えてください。

Bさん
Yes, I have a sore throat and I’m coughing a lot.
はい、喉が痛くて、よく咳をしています。

Aさん
I see. When did they start?
なるほど。それはいつからですか?

Bさん
Hmm… about 3 days ago? It’s getting worse. I started to cough last night.
うーん・・・3日くらい前からかな?段々ひどくなってきました。昨日の夜から咳が出るようになったんです。

Aさん
IOK. I would like you to take a flu test just in case.
わかりました。念のため、インフルエンザの検査を受けていただきたいのですが。

Bさん
Sure.
もちろんです。

意外とそこまで難しい表現が使われていないことがわかるでしょうか。症状や病名さえ英語でどう言うかがわかっていれば、あとは日常英会話の応用をします。
「How can I help you」というフレーズで始まるのは、接客英語にも似ていますね。

薬の処方

次は、上記の会話文の続きの会話文で、薬を処方するとき・されるときの表現をご紹介します。

Aさん
The result of the flu test was negative, so it seems that you have a cold. I’m going to give you a prescription for some medicine. Do you have any allergies?
インフルエンザの検査結果は陰性でしたので、風邪のようですね。薬を処方します。アレルギーはありますか?

Bさん
No, I don’t.
いいえ、ありません。

Aさん
Are you taking any medicine right now?
今、何か薬を飲んでいますか?
Bさん
I take a pain killer when I have a headache.
頭痛がするときに鎮痛剤を飲んでいます。

Aさん
Alright. You can take that with the medicine. Please take this three times a day after meals.
そうですか。この薬と一緒に飲んでもいいですよ。1日3回、食後に服用してください。

Bさん
OK.
わかりました。

Aさん
If it gets worse or you have other symptoms, please come back to see me.
もし、悪化したり、他の症状が出たら、また診察にきてください。

Bさん
Yes, I will. Thank you very much.
はい、そうします。ありがとうございました。

Aさん
You’re welcome. Please take care.
どういたしまして。お大事に。

薬を処方される時の流れは、大体こんな感じです。アレルギーや薬の服用、そして持病がある人は、それに関する表現も覚えておくと安心でしょう。

医療英語を覚えれば可能性が広がる!

今回ご紹介したのは、医療英語の基礎中の基礎のフレーズでしたが、英語を使って医療関連のお仕事につくなら、もっと踏み込んだ表現が必要になります。
もし興味があれば、早速医療英語の教材などをリサーチしてみてくださいね。