普段何気なく使っている一つの英単語。

「まったく知らない使い方があった!これは面白い、覚えやすいぞ」、こんなときは何だか得をしたような気分になることも。新しい単語を覚えることなく、英会話などでの表現力を一つ高めることができるからです。

今回の記事で紹介する英語「rock」もそんな単語

お馴染みの岩やロックミュージックという意味の他に、褒める言葉として使えるということを知っていますか?
さっそく、英語の「rock」について説明を始めていきましょう!

岩石,石塊;石;暗礁,岩礁の英語表現

岩石,石塊;石;暗礁,岩礁の英語表現

皆さんがrockを使うときの代表的なものが「岩」でしょう。
日本人が苦手とする発音にRがあります。rockはRで始まっていて発音に自信がないという人、いませんか?発音のヒントですが、舌を口の奥のほうに引っ込め、そのときに舌の先を上あごにつけるような感じにすると「ラー」となります。rockのRの発音もここを抑えれば問題ありません。ちなみに、イギリス英語では「ラク」ではなく「ロク」に近くなります。

名詞「rock」の使い方

日本語で岩とは、表面がなめらかでなくゴツゴツしているもので、石、岩石(がんせき)、石塊(いしころ・せっかい)であり、海中に隠れていて見えない岩(=暗礁や岩礁)が含まれます。名詞rockはこれらすべてを含めた総称として使うことができます。例文でみてみましょう。

Aさん
It’s so hard to walk on rocks.
訳)岩の上を歩くのって、とっても大変だ。
Aさん
We played by throwing rocks in the sea.
訳)海に向かって石を投げて遊んだよ。

rockが使われる英語表現

rock saltは美味しく岩塩を意味しますが、ゴツゴツ感もrockのイメージからリンクしやすいですね。塩と言えば砂糖。氷砂糖はrock sugar、合わせて覚えましょう。
それと、じゃんけんぽん。英語ではrock, paper, scissorsと言い、ここでもrock(石)がグーの代わりで使われているんです。

揺り動かす,揺らす,揺する;振動するの英語表現

2つめの使い方は「~を揺り動かす」または「揺らす、揺する」といった、何かが振動するというときのrockです。ということで、こちらは動詞の働きとして使います。rockと聞くと、反対に岩のように何が何でも動かないという印象があるのにおもしろいですね。「おもしろい」、このポイント重要です。英語学習は好奇心を持ってやると辛さが半減するどころか、記憶に定着して楽しくなっていきます。

揺らす、揺するという英単語にはswingやshakeがあります。これらを比較してみましょう。
rock – 前後に静かに動くこと。
swing – 中心から外れた定点を中心に回転すること。
shake – 何かを交互に逆方向に急速に動かすこと。

確かに、ブランコのことはswingと言いますし、カクテルを作るときはシェイカーを急速にシェイクしますからshakeを使うんだと納得します。
rockで言えば、ロッキングチェアは確かに前後に静かに動かします。そしてもう一つ、地震大国に住む私たちが覚えたいのがrockは地震で揺れたときに使えるというポイントです。

Aさん
I was scared because my house was rocked by an earthquake!
訳)地震で家が揺れて怖かった~!

心がrockする

rockが物体を揺り動かすときの英語表現ということが分かりましたが、実は心を動かすというときにも使えます。それは動揺ということであったり驚かされたことなど、心に変化が起こったことであり、そんなときにrockで表現するのです。

Aさん
The news of 911 rocked the whole world.
訳)911のニュースは世界中を震撼させたのです。

ロック音楽,ロックンロールの英語表現

rockといえば、音楽!という人は多いはずですね。洋楽ロックバンドのファンであることが英語を学びたいと思ったきっかけだったり、日本で大物アーティストが来ればチケットはすぐに完売したりします。
ここでは、音楽に関するrockについてみていきましょう!

ロック音楽

1960年半ばにでき、エレキギターのサウンドを前面に押し出すロック音楽はそのままrockと表現します。日本語でもロックとして浸透していますね。ロックのなかにはハードロック、ヘビーメタル、パンクやオルタナティヴなどのカテゴリがあります。ビートルズはイギリスのみならず、世界のロック代表と呼べるでしょう。

Aさん
I love rock music, I’m especially a big fan of the Beatles!
訳)ロックが大好きで、特にビートルズの大ファンです!

イギリス英語を学びたいと考える人はぜひビートルズの曲を口ずさめるようにして、ロンドンのライブハウスへ行くことを目標にしたら楽しそうですね!

ロックンロール

一方、ロックンロールは1950年代中頃アメリカででき、リズム&ブルース、そしてカントリーがベースの音楽です。英語ではRock and roll(rock ’n’ roll)。ロックンロールの王道といえば、King of Rock and rollと呼ばれたエルヴィス・プレスリーでしょう。映画で主演を務めたり、凄まじい数の女性ファンを魅了しました。

Aさん
King of Rock and roll Elvis Presley was a great singer but also an actor for many years.
訳)ロックンロールのキング・エルヴィス・プレスリーは偉大な歌手であるとともに、長年に渡って俳優としても活躍したんだ。

スラング「rock」の英語表現

英語rockの使い方でユニークなのがスラングとしてのフレーズです。親しい人に向かって日常会話で使う言葉がスラング。短くてもいくつか覚えるとネイティブに近づいた感じがもてます。

一緒に何かをするときのLet’s rock it

「楽しもうぜ」「ベストを尽くそう」といった意味。大きな岩があなたの目の前にあり、それを全力で揺らそうとしている=全身ですること、全力で向かうという捉え方になります。Let’sを使っていますので、何かを一緒にするときに使いましょう

人や物事を褒めるときのrock

人を主語にして「you rock(あなた、最高!)」、物事を主語で「○○ rocks!(○○ってすごい!)」など、褒めるときにrockが使われます
または、good atのように「うまい」、またクールだと褒めるときにも使えるスラングです。

Aさん
He really rocks at football.
訳)彼って本当にフットボールが上手だよね。

頼りがいのある人・頑固な人もrock

rockのスラングで面白いのは頼りになる人・信頼できる人に対しても使われるところでしょう。The English teacher is a rock.(英語の先生は信頼できる人だ)のような使い方になります。

挨拶やすごいねなどのrock on

rock onは「ヤァ」「おめでとう」「がんばれ」「最高じゃん」などを表すスラングです。テンション高めでコミュニケーションをとるときに便利なフレーズです。

rock(ロック)とrocky(ロッキー)

rockには名詞と動詞の働きがあることは分かりましたが、rocky(ロッキー)にすると形容詞になります。かの有名なアメリカの映画「ROCKY」は同じスペリングですが、これはシルヴェスター・スタローンが役するボクサーがロッキー・バルボアという名前だからですのでこのケースではありません 笑)

さて、形容詞rockyには「岩のような」というダイレクトな意味の他に

  •  意志の固い・頑固な
  • 困難な・障害のある・問題を抱えた
  • (酒を飲み過ぎて・打ちのめされて)ふらふらの・グロッキーの
  • 不安定な・グラグラする

というような、知っていれば使いたいと思える意味を持っています。

Aさん
It’s difficult to talk to my father about my future because he is rocky and doesn’t listen to me.
訳)父が頑固で話を聞いてくれないので、将来のことを相談しにくいの。
Aさん
He is so drunk and rocky, someone should take him home.
訳)彼、すっごく酔っ払ってふらふらしてるから誰か家に連れて行ってあげないといけないな。

ウイスキーのオン・ザ・ロックなんていう飲み方がありますが、お酒を飲み過ぎてふらふらしている様子をrockyとは覚えやすいかもしれませんね。

rockを観に行こう

rock(ロック)とrocky(ロッキー)

世界には岩の名所があります。
オーストラリアのAyers Rock(エアーズロック)も有名ですね。そして、グランドキャニオンも大変有名です。

rockといえばグランドキャニオン

rockといえば、圧巻の風景で有名なアメリカのグランドキャニオン
大峡谷グランドキャニオンは、年代の異なる複数の峡谷が約600万年前に浸食作用によって一つになり、その後現在の地形へ形成されたという見方が有力とされているらしいとのこと。侵食の速度などには岩石の分析が行なわれます。

参考:National Geographic
ここで、グランドキャニオン公式サイトから、rockが使われている文章を紹介しましょう。

The story begins almost two billion years ago with the formation of the igneous and metamorphic rocks of the inner gorge. Above these old rocks lie layer upon layer of sedimentary rock, each telling a unique part of the environmental history of the Grand Canyon region.
内側の峡谷の火成岩や変成岩の形成がほぼ20億年前に始まったことがストーリーである。これらの古い岩が堆積岩に層を作り、それらがグランドキャニオン地域においての環境史のユニークな側面を伝えている。

  • igneous rocks:火成岩
  • metamorphic rocks:変成岩
  • gorge:峡谷
  • sedimentary rock:堆積岩

専門的な用語がでてきますがグランドキャニオンがどのようにしてできているかイメージできますね。

参考:National Park Service Grand Canyon

まとめ

「rock」には、岩や音楽のロック以外に本当にたくさんの意味があることが分かりました。
一つのシンプルな単語を詳しくみていき、違う意味の発見があったらすぐに使ってみる、これって使い慣れた単語ならではできる賢い方法ではないでしょうか?!ぜひ、その方法をrockで試してみましょう!