世の中にはさまざまな職業がありますが、中でも「学者」になりたいと考えたことがある方もいるでしょう。

ソニー生命株式会社が実施する『将来なりたい職業調査』において、「学者」は幼児小学生部門で3位、高校生部門で9位になるほど人気の職業です。

そんな人気の職業ですが、どのような職業かわからない、なり方がイメージできないという方も多いでしょう。また、英語で何と表現するのかパッと思い浮かばないかもしれません。

そこで今回は、学者とは何かについて解説したうえで、英語で何と表現するのかについても紹介します。

「学者」とは?

「学者」と聞いてどのような人を思い浮かべるでしょうか。

「学者」を調べてみると以下のように説明されています。

がく‐しゃ【学者】
読み方:がくしゃ
1 学問の研究を仕事としている人。
2 学問のある人。豊富な知識のある人。
出典:デジタル大辞泉

このように、特定の学問を研究し、なおかつそれを仕事としている人のことを「学者」と言います。また、知識が豊富な人なら、必ずしも職業にしていなくても「学者」と呼ばれることがあります。

「学者」は「研究者」と呼ばれることもあり、どちらも“学問の専門家”であることを意味します。

学者の種類

一口に「学者」といっても、学問の分野ごとに細分化された名称で呼ばれることがあります。

たとえば、「物理学者」「考古学者」「心理学者」などが挙げられるでしょう。学問の分野はさまざまな分け方ができ、どの分野の学問を研究しているかによって呼び方が変わります。

「学者」と「博士」の違い

「学者」と似ている言葉に「博士」があります。

「博士」も学問の専門家といえるのですが、博士というのは学位の最高位を指す言葉です。大学などの高等教育機関を終了する、もしくはそれと同等の研究成績を残すと「学位」を与えられます。学位は「学士」「修士」「博士」の3種類があります。

中でも「博士」学位の最高位であり、大学院の博士課程や博士後期課程を修了することで与えられます。

つまり、「学者」は特定の学問を研究し、なおかつそれを仕事としている人(そうでない場合もある)であるのに対し、「博士」は授与される称号なのです。

学者に必要な英語レベル

学問の分野によっては、英語が共通言語となっています。たとえば、科学研究などの分野では、英語が共通言語です。

共通言語が英語となっている学問では、英語レベルは高いほど良いといえるでしょう。というのも、研究データや論文もすべて英語で記載されており、論文を書いたり、研究の成果を発表したりするのも英語で行わなければならないからです。

日本語に訳された情報もありますが、過去の情報になるので最先端の研究ができなくなってしまいます。

ただ、学者の全員がネイティブではないのはもちろん、英語レベルも人によってさまざまです。そのため、完璧な英語を求められるわけではなく、意思疎通をしたり、研究をしたりするうえで最低限必要なレベルの英語が求められるといえます。

「学者」を英語で?

「学者」を英語で?

「学者」の英語はいくつか単語があり、どのような分野の学問を専門としているかによって表現が異なります。

たとえば、人文系の学問を専門にしている学者は「scholar」と言います。一方、理系を専門としていく学者は「scientist」と表現します。

なお、人文系の学者に対して、堅い英語で表現するときは「learned man」を使うこともありますが、「scholar」が一般的です。

Aさん
She will make an excellent scholar.
彼女はすばらしい学者になるでしょう。
Aさん
His dream is to become a scientist.
彼の夢は科学者(理系の学者)になることです。

「考古学者」「心理学者」など「〇〇学者」一覧

「学者」は学問分野によって英語でscholarやscientistと言います。

しかし、世の中には数多くの学問分野があり、「考古学者」や「心理学者」など分野ごとに細分化して「〇〇学者」と表現されることも多いです。そこで、英語で「〇〇学者」をまとめて確認してみましょう。

日本語 英語
考古学者 Archaeologist
建築学者 Architect
天文学者 Astronomer
化学者 Chemist
天文学者 Astronomer
生物学者 Biologist
工学者 Engineer
経済学者 Economist
地質学者 Geologist
歴史学者 Historian
言語学者 Linguist
法学者 Jurist
数学者 Mathematician
医学者 Medical scientist
哲学者 Philosopher
教育学者 Pedagogist
薬学者 Pharmacologist
哲学者 Philosopher
物理学者 Physicist
政治学者 Political scientist
心理学者 Psychologist
科学者 Scientist
社会学者 Sociologist
統計学者 Statistician
動物学者 Zoologist
植物学者 Botanist
解剖学者 Anatomist

さまざまな「〇〇学者」があってややこしく感じるかもしれません。

しかし、「〇〇学者」はほとんどの単語で「人」を表す接尾語の「-an」「-eer」「-ist」「-ant/-ent」が付いています。

そのため、「数学」はmathematicsと言いますが、「数学者」は「mathematics」+「-an」となって「mathematician」となります。

単語をそのまま暗記するよりも、言葉の成り立ちを確認するほうが覚えやすく、なおかつ忘れにくくなります。

「学者」に関連する英語表現

「学者」に関連する英語表現

ここでは、「学者」に関連する英語表現を解説します。

学士・修士・博士

学士や修士、博士は世界共通の学位であり、それぞれに英語表現があります。

・学士:Bachelor degree
・修士:Master degree
・博士:Doctor degree

学士の名称は「Bachelor of~」、修士の名称は「Master of~」として記載するケースが一般的です。ただし、文系の修士号は「Master of Arts」を省略して「M.A.」、理学系の号は「Master of Science」を省略して「M.S.」と表現されることも多いので覚えておきましょう。

また、「博士号」は「Doctor of Philosophy」を省略して「PhD」「Ph.D.」と言います。イギリス英語では「PhD」、アメリカ英語では「Ph.D.」と表記するのが一般的です。

論文

論文は英語でthesisと言います。

Aさん
I’m working at my thesis every day.
わたしは毎日論文に取り組んでいます。
Aさん
I presented my graduation thesis yesterday.
わたしは昨日、卒業論文を提出しました。

また、「修士論文」はmaster’s thesis、「博士論文」はdoctoral thesisと言います。

まとめ

いかがでしょうか。

今回は「学者」とは何か、さらに英語表現についても解説しました。

人文系の学問を専門にしている学者は「scholar」、理系を専門としていく学者は「scientist」と表現します。

また、学問分野ごとに「〇〇学者」と表現されることもあります。その場合、「人」を表す接尾語の「-an」「-eer」「-ist」「-ant/-ent」を単語の後に付け加えて表現するケースが基本となります。単語をそのまま暗記するよりも、言葉の成り立ちを確認するほうが覚えやすいので、チェックしてみてください。