“blessing”は動詞”bless”の現在分詞であり、名詞でもあります。”blessing”という単語よりも、”bless you.”という表現で耳にすることが多い単語ですね。今回はこの”blessing”に関して解説していきます。最後に”bless you.”に関しても解説していますので、最後まで読んで”blessing”についてマスターしましょう!
“blessing”の意味、語源と使い方
上述の通り、”blessing”は”bless”の現在分詞または名詞です。まずはこの言葉の意味を確認してみましょう。
語源は”blood”!?
“blessing”の語源は実は”blood(血)”です。キリスト教の教えの中で、年に1度人々の贖罪のために動物が祭壇に生贄として捧げられていました。しかし、動物の血では効果が薄いという考えがあり、そこでイエス・キリストが自身を生贄にしてこの生贄の慣習はなくなった、とされています。このことから”blood”が語源となり、次のような意味を持つようになりました。
神の恵み、ありがたいこと、承認
イエス・キリストは自分の身を以て、全人類の贖罪を請いました。ここから、”blessing”は神の恵み、ありがたいこと、という意味になり、そこから派生して承認という意味になりました。動詞である”bless”は「祝福する、神の恩恵を祈る、清める」といった意味をもちます。
”blessing”を含むイディオム
“blessing“はキリスト教関連の意味合いが強く使いにくそうですよね。単語だけで使うことはあまりありませんが、イディオムに含まれることがあります。ここでは、日常生活でも使いやすいイディオムを紹介します。
a blessing in disguise:不幸中の幸い、災い転じて福となす
日本語と同様、英語にもことわざがあります。ことわざを覚えるのは難しいですが、単語の意味が理解できていると初めて見た表現でも意味を理解することができるので、できるだけ語彙力をつけておきましょう。”blessing”は「ありがたいこと、神の恵み」で、”in disguise”は「変装した」という意味です。直訳すると変装した神の恵み、でここから不幸中の幸い、災い転じて福となすという意味になります。
What our job is to bring people together.
訳)私たちの仕事は人々をまとめることです。
He encountered an accident but he just got a scratch on his arm. It was a blessing in disguise.
彼は事故に遭遇しましたが、腕にかすり傷を負っただけでした。不幸中の幸いでしたね。
ask a blessing / say a blessing:食前(食後)のお祈りをする
日本では食前、食後に「いただきます、ごちそうさま」と言います。海外ではこの習慣はないものの、キリスト教では食前(食後)にお祈りをする習慣があり、その意味は食事に感謝するという点で根本的には同じようです。この食前・食後のお祈りも”blessing”で表現することができ、”ask a blessing”または”say a blessing”で「食前のお祈りをする」という意味になります。
Aさん
Don’t forget to ask a blessing!
訳)食前のお祈りを忘れないでください!
with the blessing of:〜の賛同を得て
“blessing”にはキリスト教関連の意味の他に「賛成、許可」という意味があります。”with the blessing of~”の意味は「〜の賛同を得て」です。この表現はあらゆる場面で使えそうですね。
Aさん
I will proceed with the project with the blessing of my boss.
訳)私たちの仕事は人々をまとめることです。
上司の許可を得て、プロジェクトを進めます。
形容詞”blessed”の意味と使い方
“blessing”の形容詞は”blessed”です。”blessed”の意味や使い方について簡単に解説します。
神聖な、聖なる、祝福された
“bless”はキリスト教に関連した言葉です。”blessed”も同様にキリスト教に関連した言葉で、「神聖な、聖なる、祝福された」といった意味をもちます。ここで言う「祝福」とは、キリスト教において神が信者の幸せのために配慮する、という意味です。
楽しい、幸運な、ありがたい
“blessing”には「ありがたいこと」という意味がありましたね。ここから”blessed”には「楽しい、幸運な、ありがたい」という意味を持ちます。
ほんの少しの
話し言葉でよく使われる意味として、「ほんの少し」というものがあります。”blessed relief”で「せめてもの救い」という意味です。
blessed with~:〜に恵まれている、備わっている
一番良く使われるのは”blessed with~”という表現です。生まれ持った能力や性格などを意味します。日本語だと「〜に恵まれている」となるので、ポジティブなことに使われそうですが、ネガティブなことを表現しても間違いではありません。
Aさん
He is blessed with a bad memory.
訳)私たちの仕事は人々をまとめることです。
彼は物覚えが悪いです。
なぜ“Bless you!“と言うのか
アメリカでくしゃみをすると必ずと言っていいほど”Bless you!”という言葉が聞こえてきます。赤の他人でも関係なく、くしゃみが聞こえたら反射的に”Bless you!”と言う人も多いようです。それでは、なぜくしゃみに対して”Bless you!”と言うのでしょうか?
説1.迷信によるもの
くしゃみをすると魂が飛び出し、その魂が悪魔に取り込まれてしまう、という迷信があります。魂が悪魔に乗っ取られるのを防ぐために、「神のご加護を!」と神の守護があるようにお祈りしていた、という説が1つです。
説2.過去の流行り病の影響
14世紀に、当時は不治の病とされていたペストと呼ばれる病気が流行っていました。このペストの初期症状がくしゃみです。くしゃみを聞いて、ペストではないことを願うために”Bless you”と反応していました。また、キリスト教では「死」は天に召され天国で過ごすことができることを意味するとされています。ペスト患者の致死率が非常に高かったため、くしゃみ=ペスト=死と関連付けられ、死後の世界に行けるために祝福として”Bless you”を使っていたというのも一説です。
どのように返事すればよい?
それでは、”Bless you!”にはどのように返事をするとよいでしょうか?返事に決まりはありませんが、”Thank you!”や”Thanks!”でも問題ありません。一番のタブーは無視してしまうことです。せっかくお祈りしてくれた好意を無下にしてしまうので、なにかしらのリアクションをしてあげるとよいでしょう。
まとめ
今回は”blessing”について解説しました。語源からも分かる通り、キリスト教に関連した英単語ですが、日常会話でも使うことができます。特に”Bless you!”はアメリカでは聞かない日はないぐらい頻繁に耳にする表現です。それほどキリスト教にとって、神というのは偉大な存在であるということでしょう。
英語はラテン語由来の物が多く、ラテン語はキリスト教聖職者の間で共通語として使われていました。ここから英語の語源はキリスト教に由来するものも多く存在します。英語の理解を深めることができるので、お時間がある方は、ぜひキリスト教の知見も深めてみてくださいね。