今回は、「機会」という英語について解説をしていきます。おそらく英語学習者であれば辿り着くのが、ChanceとOpportunityの違いは何だろうということ。どちらも和訳が「機会」になっていると、同じ意味として使っても差し支えないのかなと思ってしまいます。また、スペルの長さや難易度から、Chanceがカジュアルに使えてOpportunityがフォーマルに使う単語かななんて想像したりもできますが、これは果たして合っているのでしょうか。

chanceは「偶然の機会」

ではまずはChanceの方から見ていきましょうか。Chanceは基本的に偶然、ラッキーに舞い込んだ機会を意味します。意図して何かの機会を作ったわけではなく、偶然たまたまそのような機会ができたというイメージですね。

「意図していない」、「偶然である」という意味に着目してみると、Chanceは必ずしも良い意味で使われるとは限らないこともわかります。例えば、新しいカフェに行って偶然友人と会ってたくさんの人と交流する機会に恵まれたと言うこともできますが、逆に意図せず大雪が降って交通機関が乱れ、帰宅困難者になった悪い意味でも使えます。

「もし偶然そのような機会があったら」と、何かをおすすめする際にもChanceを使ったりします。よく言う決まり文句は「If you have a chance, ~」ですね。

Aさん
If you have a chance, you should visit the new cafe.
訳)もし機会があったら新しくできたカフェに行ってみるといいよ
Bさん
OK. I’ll tell you my opinion.
訳)オッケー。行ったら感想伝えるね

ここでぜひ覚えておいてほしいイディオムは、「by chance」という「たまたま」という表現と、「by any chance」という「もしかして」という表現です。

Aさん
I met Jim in the restaurant by chance.
訳)レストランで偶然ジムに会ったんだよね
Bさん
Do you know him by any chance?
訳)もしかして彼を知ってるの?
Aさん
Of course! Why do you say so?
訳)もちろんだよ!なんでそんなこと聞くの?

opportunityは「願望を叶えるための機会」

opportunityは「願望を叶えるための機会」

Opportunityも日本語訳にすると「機会」になるのですが、こちらはあえて追加説明をするなら「願望を叶えるための機会」です。

どういうことかというと、例えば前々からたくさんの人達と交流をしたいなという願望を持っていて、そこに本当にたくさんの人と知り合う機会が来たという状況ですね。

自分が元々望んでいた展開になるのは、完全に偶然であり、運が良かったのかと言われればそうでもありません。少し意識しているのなら、自分の願望が叶う方へ行くのが人間です。ですから、OpportunityはChanceほど偶然性や意図していないことを含んでいないところがポイントなのです。

Chanceの方はまったくの偶然なので何も努力することはなく、ただラッキーと思うのみですが、Opportunityは自分の願望を叶えるための努力が必要な点にも注目しておきましょう。

ChanceとOpportunityの違いクイズ!

ChanceとOpportunityの違いクイズ!

では、今までのChanceとOpportunityの違いを意識しながら、以下の会話を読んでみてください。

Aさん
I have a chance to meet many people.
訳)たくさんの人と会う機会があるんだ
Bさん
Lucky you!
訳)良かったね!

こちらはChanceという単語を使っているので、この人は努力せず、運に恵まれたことがわかります。

Aさん
I have an opportunity to meet many people.
訳)たくさんの人と会う機会があるんだ
Bさん
Then you should practice to introduce yourself.
訳)じゃあ自己紹介する練習しなきゃな

一方こちらはChanceを使っている時と同じ訳になりますが、Opportunityという単語を使っていることから自ら望んでそのような機会を取り付けたことがわかります。偶然ではなく、誰かとコンタクトを取るなど行動を起こして今に至ったという意味合いがあります。

occasionも「機会」として使える

ここで追加情報です!今までChanceとOpportunityについて解説していきましたが、実は「機会」という訳にOccasionが使えることもあるのです。

Occasionはフォーマルな単語で、もっと具体的な機会を表します。日本語だと「状況」と訳した方がしっくりくることが多いかもしれません。「this happy occasion」という風に使えば「この幸福な場」などと訳しても良いですし、「a formal occasion」だったら「改まった状況」とも言えます。

また、機会の頻度や回数を表す時にはOccasionが好んで使われます。回数を表す時に使えるということは、Occasionは複数形になるということも覚えておきましょう。

英訳するのが難しい「一期一会」ですが、これも人と会う機会という意味を含んでいると考えれば「every occasion of meeting a person as the invaluable experience of a lifetime」と表せられます。直訳は、「人と出会う機会は、どれも人生の経験において価値あるものである」ですね。

まとめ

「機会」は、英語だとChanceとOpportunityがありますが、これらは明確に違いがありましたね。日本語訳にしてしまうとどちらも同じ意味のように捉えてしまいがちなのですが、Chanceは偶然、運が良くその機会に恵まれたことを示すのに対し、Opportunityは、意図してその機会を設けたという意味を示すのでした。そしてOccasionは、偶然か偶然ではないかに焦点を置かず、より具体的な機会を指す時に使うもので、ChanceとOpportunityとは焦点が違います。これらの単語を使い分けられるようになれば、日本語訳ではなく英語で意味が取れるようになるので大幅にレベルアップできますよ!