この「ことわざ」、「英語」で何と言う?シリーズ、今回は、「大・小」のつく「ことわざ」を英語に翻訳してみました。
「大」とは、大きいや広いなど量が多いことを表す言葉です。反対に「小」とは、小さいや狭いなど量が少ないことを意味する言葉です。数学においては大は小よりも大きいものであるとして、不等号を用いて表すことができ、大>小と記載します。
そんな「大・小」のつく「ことわざ」を今回は5つ選んで英語に訳しました。
1.大は小をかねる
「大は小をかねる」とは、大きいものは小さいものの代わりになる場合もありますが、小さいものが大きいものの代わりにはならないことを意味する「ことわざ」です。小さいものよりも、大きなもののほうが役に立つことも意味しています。
英語では
”The greater serves for the lesser.”
と翻訳することができます。
直訳すると「大は小にも役立つ」という意味で、この「ことわざ」と同じ意味でつかわれます。”serve”は主に「(人に)給仕する、(食事などを)出す、仕える」の意味で使われますが、ここでは「~の役に立つ」の意味でつかわれています。
「大は小をかねる」を使った対話文の例を見てみましょう。
訳)小さい車で十分役に立つのに、なぜ大きい車のためにお金を貯めるのですか?
訳)大は小を兼ねる。大きな車は、快適さと収納のためのスペースが広いことを意味するからね。
2.大器晩成
鐘(かね)のように大きな器は作り上げるまでに時間がかかります。「大器晩成」は、大きな器が作り上げるまでに時間がかかるように、人間もできあがるのに時間がかかることを意味する「ことわざ」です。
また、本当に才能のある人は、若いうちは力を発揮していなくとも、歳を重ねるごとに力を身に着けていくという意味でも使われます。
日本で「大器晩成」の有名人としては、葛飾北斎が挙げられます。北斎は、若い頃から画家として世に出ていましたが、世界的に知られる「富嶽三十六景」を描いたのは、72歳のときでした。「富嶽三十六景」のうちの一枚「神奈川沖浪裏」”The Great Wave off Kanagawa”を、46歳のときに描いた波の絵と比べてみると、26年ぐらいの間に著しく進化したことが分かります。
訳)北斎は大器晩成の人でした。彼が「富嶽三十六景」を描いた時、彼は72歳でした。
「大器晩成の人」を英語で ”late bloomer” と言います。
英語では
”Better late ripe and bear than early blossom and blast.”
と翻訳することができます。
直訳すると「早く花が咲いて枯れるよりも、遅く熟して実を結ぶほうがよい」という意味です。”bear”は名詞で「熊(クマ)」という意味がありますが、ここでは動詞の”bear”で「(1)耐える(2)生まれる」などの意味を持ち、ここでは(2)の意味から「実る」という使い方をしています。”ripe”は「(果実などが)実った、熟した」という意味です。
「大器晩成」を使った対話文の例を見てみましょう。
訳)ずっと何年も小説を書き続けているんだけど、まだ完成していないんだ。
訳)それでいいよ! 大器晩成だよ。君が費やした時間の分だけ、君のの物語は豊かになるよ。
3.知恵は小出しにせよ
「知恵は小出しにせよ」とは、後で困ったときのために、知恵は一度に出し切らず小出しにしたほうが良いという意味の「ことわざ」です。
英語では
”Give ideas little by little.”
と翻訳することができます。
”little by little”は「少しずつ、ちょっとずつ」の意味です。「知恵は小出しにせよ」を使った例文を見てみましょう。
訳)娘にお金を貯めることをについて教えたいのですが、彼女はまだ幼すぎて理解できません。
訳)知恵は小出しにしなよ。簡単な概念を導入すれば、時間が経つにつれて彼女は理解できるようになるよ。
4.油断大敵
一瞬の油断が大きな失敗のもとになることがあります。「油断大敵」は、油断こそが最大の敵であることを例えた「ことわざ」です。
英語では
”Security is the greatest enemy.”
と翻訳することができます。
直訳すると「安心は最大の敵である」という意味です。”enemy”は「(ひとりの)敵」という意味です。
”Don’t let your guard down.”
「油断してはいけない」としても、「油断大敵」の意味は表現できます。英語ネイティブに伝えるには、こちらの表現の方が自然に聞こえるでしょう。「油断大敵」を使った対話文を見てみましょう。
訳)家の修復が終わったので、今家にいて安全に感じるわ。
訳)それは素晴らしいことだけど、油断大敵だよ。夜間は必ず戸締りをし、周囲に気を配りなよ。
5.大利は利ならず
「あまりに大きすぎる利益は、利益にならない」という意味です。このことわざに賛成しない人もおられるかもしれませんね。思いがけず大きな利益を得たけれど、節税対策を何もしていなかった場合は、このことわざがあてはまるのかもしれません。
英語では
”A profit that is too large is ultimately unprofitable.”
と翻訳することができます。
訳)今年は、副業でたくさんお金を稼いでいます。
訳)それは素晴らしいことだけど、税金が適切に管理されていなければ、「大利は利ならず」ということを覚えておいて。
まとめ
今回は、「大・小」のつく言葉にまつわる「ことわざ」をまとめて紹介しました。
「大は小をかねる」や「油断大敵」など日常生活でもよく登場する「ことわざ」ばかりでしたね。英語に訳した「ことわざ」で、日常生活によく出てくることわざを覚えておくことで、ちょっぴりクールで知的な会話ができそうです!
英語のことわざを会話で使う上で大事なことは、そのことわざがピッタリ合っているシチュエーションで、それを使うことです。「大器晩成」や「油断大敵」がピッタリ合うシチュエーションに遭遇するこは、わりと多いのではないでしょうか。
今後も様々な「ことわざ」や「名言」を翻訳していきますので、お楽しみに!