この地球上は大半が調べられ尽くしたと思われていますが、深海にはまだ多くの謎が残っているそうです。一説によると、深海と宇宙は同じくらい謎が多いとか…。なんだかロマンがありますね。
さて、深海に住む生物の中でも、特に有名な存在が「マンボウ」ではないでしょうか。その扁平で丸みを帯びた、なんとも憎めない愛嬌のあるルックスが、多くの人気を集めています。
この記事では、そんなマンボウを英語で何と言うかについて、詳しく解説していきます。また、記事の後半では、マンボウを漢字で何と書くかなど、豆知識についても取り上げています。
これを読めば、日本語でも英語でも、マンボウについて人より詳しくなれること間違いなしです。
それでは、早速始めていきましょう!
「マンボウ」は英語で何て言う?
マンボウは英語で “ocean sunfish” と言うのが最も一般的です。発音記号は【ˈoʊʃən ˈsʌnˌfɪʃ】で、カタカナだと「オーシャンサンフィッシュ」となります。
ocean は「海」、sun は「太陽」、そして fish が「魚」を表すので、ocean sunfish を直訳すると「海の太陽魚」という意味になります。
なぜマンボウは「太陽の魚(sunfish)」なのか?
なぜこんな名前が付いたかには諸説ありますが、ここでは、有力な2つの説をご紹介します。
1つ目の説は、見た目が太陽のように見えるからです。マンボウは全体的に丸みを帯びた扁平な形をしており、横から見るとまるで太陽のようにまん丸に見えます。
2つ目は、マンボウがよく海面で日光浴をしているからです。また、海面に浮かんだその姿が、まるで海面に反射した太陽のように見えるからだともいわれています。
なぜわざわざ ocean を付けるのか?
マンボウを英語で ocean sunfish と呼ぶと聞いて、「単に sunfish だけでもよいのでは?」と思った人も多いでしょう。なぜわざわざ ocean を付けるかというと、海ではなく川などの淡水に生息する sunfish もいるからです。
淡水に住む sunfish にはいくつか種類がありますが、最も有名なのは “bluegill(ブルーギル)” という魚です。ブルーギルはブラックバスの仲間で、主に北アメリカに生息していますが、日本でも釣り人に放流されたものが野生化して、琵琶湖などに分布しています。
bluegill を見たことがない人は、ぜひ Google などで画像検索をしてみてください。マンボウと同様に、平べったくて全体が丸い形状をしていることがわかるでしょう。
このことから、マンボウが sunfish と呼ばれているのは、やはりその丸いフォルムの影響が強いと考えてよさそうです。
マンボウの英語での別の呼び方
ここまで見てきた通り、マンボウは一般的に “ocean sunfish” と呼ばれますが、その他にも “headfish” や “mola mola” と呼ばれることがあります。
それぞれの由来について、詳しく確認しておきましょう。
マンボウの別名①:headfish
マンボウのことを英語で “headfish” と呼ぶこともあります。発音記号は【ˈhɛdˌfɪʃ】で、カタカナだと「ヘッドフィッシュ」となります。
一般的に魚には尾びれがありますが、マンボウにはそれがなく、背びれと胸びれが発達した独特の形状をしています。このようなフォルムが、まるで「頭しかない」ように見え、そこから通称として headfish(頭魚)と呼ばれるようになりました。
ちなみに、マンボウが尾びれを退化させて、背びれと胸びれを発達させた理由としては、遠洋で泳ぎやすくするためというのが有力です。
マンボウの別名②:mola mola
マンボウは、学術名だと “mola mola” と言います。発音記号は【ˈmoʊlə ˈmoʊlə】で、カタカナだと「モラモラ」です。なんともマンボウらしい、かわいらしい響きですね。
mola mola の語源は、ラテン語で「石臼」を意味する mola から来ています。石臼も、よく知らない人はぜひ画像検索してみてください。十中八九、丸い形状の臼が出てくるはずです。
ocean sunfish にしても mola mola にしても、マンボウはやはり、その丸い形状が最大の特徴になっていることがわかります。
マンボウに関する豆知識
最後に、マンボウに関する豆知識についても確認しておきましょう。これらを知っていれば、日本語でも英語でも、マンボウについて他の人にウンチクを披露したくなりますよ。
マンボウは漢字で何て書く?
マンボウは漢字で「翻車魚」と書きます。魚の漢字表記は総じて難しいですが、その中でも初見ではまず思いつかない組み合わせですね。
翻車魚は、翻が「ひっくり返る」、車が「車輪」を表すことから、「ひっくり返った車輪のような魚」の意味で漢字が当てられたとされています。ここでも、英語名の ocean sunfish と同様、そのフォルムの丸さがポイントになっています。
ちなみに、日本でマンボウと呼ぶ理由も、丸さを意味する「満」と魚を意味する「ボウ」を組み合わせたからだといわれています。どの言語圏においても、マンボウは丸い魚と認識されているようです。
マンボウの稚魚は超小さい?
マンボウは、最大で体長3メートル以上、体重も2トンを超える非常に大きな魚です。そのため、その稚魚もさぞ大きいのだと思われますが、実際は数ミリ程度の極小サイズだといわれています。
マンボウは魚の中でも特に子だくさんだとされていて、一説によると、一度の産卵で約3億もの卵を産むとされています。数ミリの稚魚が3メートル以上にまで成長すると思うと、生命の神秘を感じますね。
マンボウの種類はとても少ない?
現在、マンボウの種類は全部で6種類とされています。もともとはフグの仲間だったそうですが、その独特な形状に進化して、現在ではフグとは違う種の魚に分類されています。
なお、日本語にはそれぞれのマンボウを呼び分ける名前がありますが、英語ではあまり一般的ではないので、基本的に学名のまま呼ばれています。詳細は以下の表の通りです。
科 | 属 | 名称 |
マンボウ科 | マンボウ属 | マンボウ
Mola mola |
ウシマンボウ
Mola birostris |
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カクレマンボウ
Mola tecta |
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ヤリマンボウ属 | ヤリマンボウ
Masturus lanceolatus |
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トンガリヤリマンボウ
Masturus oxyuropterus |
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クサビフグ属 | クサビフグ
Ranzania laevis |
マンボウは最弱の生物って本当?
一種の都市伝説として、マンボウは生物界で最弱だという説があります。その最弱っぷりを示すエピソードとしては、主に以下のものが代表例として挙げられます。
- まっすぐしか泳げず、障害物に当たると死ぬ
- 深海の水が冷たすぎて死ぬ
- 日の光が強すぎて死ぬ
- ジャンプして着水した衝撃で死ぬ
- 仲間が死んだらショックで死ぬ
しかし、これらはほとんどが単なる噂であり、実際はそこまで弱いわけではないようです。ただ、マンボウの生態系は未だ謎に包まれた部分が多いため、中には本当のものも含まれているかもしれません。
まとめ
今回は「マンボウ」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。
マンボウは英語で “ocean sunfish” と呼ぶのが一般的ですが、その他にも “headfish” や “mola mola” などの名称があります。
マンボウはその丸くて平べったいフォルムが特徴的な魚ですが、未だに謎に包まれた部分も多いミステリアスな魚です。今回ご紹介したことを参考に、英語で色々な国の人と、マンボウの謎について語り合ってみてはいかがでしょうか。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!