身近な人に糖尿病にかかっている人がいる人もいるでしょう。また、身近にはいなくても糖尿病はみなさんご存知ですよね。
私たちにとって、そこそこ身近な病気である糖尿病。英語で会話をしている時にも話題に登ることがあるかもしれません。
そこで今回は、「糖尿病」を英語で何と言うのかを解説します。また、会話例文を使って糖尿病にまつわる英語表現もご紹介するので、特に身近に糖尿病の人がいる人や、自分が糖尿病だという人は、ぜひ参考にしてくださいね。
「糖尿病」は英語でなんと言う?
糖尿病は英語で “diabetes”といいます。
これを知ると、「私は糖尿病です」を “I’m diabetes.”としたくなるかもしれません。しかし、I’m diabetes. では、私は糖尿病ですという意味にはなりません。なぜかというと、私=糖尿病ではないからです。
では、基本中の基本。自分や他の誰かが糖尿病だということを伝えたいときは何と言えば良いのでしょうか。「糖尿病を持っている」や「糖尿病の」という形容詞や「糖尿病患者」という名詞を使うことになります。下記にその言い方をまとめてみました。
- I have diabetes.
- I am diabetic.
- I am a diabetic.
主語をすべて「私」にしていますが、もし他の誰かの場合は “He has diabetes.”、 “He is diabetic.”のように、主語と動詞を入れ替えましょう。
1は名詞の「diabetes(糖尿病)」を使って、「私は糖尿病を持っている」という形の文章にし、自分が糖尿病であることを伝えています。風邪の時の “I have a cold.”と同じ考え方です。ただし、diabetesは不可算名詞なので、単数系のaはつけません。
問題は、2と3でしょう。なぜ同じ単語なのに、aがついていないのとついているのがあるのでしょうか。
これは、2の “diabetic” が「糖尿病の」という形容詞で、3の “diabetic”は「糖尿病患者」という名詞だからです。
つまり、2は「私は糖尿病です」と言っていて、3は「私は糖尿病患者です」と言っているのですね。
どれを使っても同じことを伝えているのですが、それぞれ微妙に異なる部分がありますから、文法的な間違いをおかさないように、この細かな違いを覚えておきましょう。
「糖尿病」にまつわる英語表現
さて、ここからは実際に周囲に糖尿病の人がいたり、自分が糖尿病だという人にとってとても大事な表現をご紹介します。
当てはまる人はぜひ覚えて、英語でも大切なことを伝えられるようにしておきましょう。
糖尿病について説明する
すべての人が糖尿病がどんな病気かを知っているわけではありません。ですから、簡単に糖尿病がどんな病気かを説明できるといいですよね。
そんな説明に役立つ表現を会話例文でご紹介します。
ケーキ食べないの?おいしいよ!
食べないよ。食べたかったら食べてもいいよ。僕は糖尿病だから、あまり甘いものは食べられないんだ。
そうなんだ。知らなかった。他にやってはいけないことはある?
うーん、ないかな。抗糖尿病薬というのを飲まなきゃいけないくらい。でも、お父さんはインスリンを注射しないといけないんだ。
お父さんもなの?糖尿病が遺伝だって知らなかった。
実は、遺伝かどうかははっきりしてないんだけど、僕は子供の頃から糖尿病だったよ。
ということは、生活習慣のせいじゃないんだね。
そういうこと。僕の糖尿病は、1型と呼ばれるもので、生活習慣とはまったく関係がないんだ。
ちょっと長くなってしまいましたが、少し解説をしましょう。
まず、糖尿病には1型と2型と呼ばれるものがありますが、これはそれぞれ「type 1」「type 2」と表します。どちらの糖尿病でも、気軽に甘いもの・糖分を取ることができません。
ですから、「糖尿病だから甘いものはあまり食べられない(I have diabetes, so I can’t eat sweets too much.)」という表現は覚えておくといいでしょう。
また、糖尿病患者が飲む薬は “anti-diabetic”と呼びます。
そしてひどい糖尿病だと、インスリンというものを注射することになります。インスリンとは血糖値を下げるはたらきのあるホルモンで、糖尿病になるとインスリンが不足するために血糖値が高くなってしまいます。
そのため、薬でおさえられない糖尿病の場合は、インスリン注射をして直接インスリンを取り入れるのですが、このことも何となく知っておけば会話がスムーズでしょう。
2型糖尿病は生活習慣病の1つですが、1型はどれだけ健康に気をつけていてもなってしまうことがある病気です。
それを日常会話レベルで説明するには、単純に「自分は1型糖尿病で、それは生活習慣とは関係ない(My diabetes is called type 1, which is not related to lifestyle habits at all.)」と言えれば良いでしょう。
1型糖尿病と2型糖尿病の違い
1型糖尿病と2型糖尿病は、発病の原因や治療法が違いますが、何が違うのか大まかに見ていきましょう。
1型糖尿病は膵臓のβ細胞の破壊・消失によってインスリン分泌が少なくなったり、無くなることによって起こります。そのため治療としては、インスリン治療が必要になります。日本人1型糖尿病(0-14歳発症)の平均年間発症率は、1.4~2.2/年間100,000人)と白人に比し、非常に低いです。
それに対して、2型糖尿病は、遺伝的な体質(インスリン分泌低下、インスリン抵抗性)に過食、運動不足、肥満が加わることにより起こります。治療法としては食事・運動療法, 内服療法, インスリン療法などがあります。
日本における糖尿病の95%以上は、2型糖尿病で現在も増え続けていると言われています。
1型糖尿病は膵臓のβ細胞の破壊・消失によってインスリン分泌が少なくなったり、無くなることによって起こります
1型糖尿病は遺伝的な体質により引き起こされるのですね。
一方、2型糖尿病は、遺伝的な要因に加えて生活習慣により引き起こされます。
日本では、2型糖尿病の患者数が増え続けているようです。
私たちは生活習慣にもっと気を付けて、糖尿病にかからないように気を付けるべきです。
genetic dispositionは「遺伝的体質」、lifestyle habits は「生活習慣」です。
血糖値について話す
糖尿病とは血糖値が高くなる病気です。ですから、血糖値について話すこともあるでしょう。そんな例文をみてみましょう。
今日は血糖値が高すぎるんだ。
大丈夫?
うん。薬飲まなきゃいけないけど。
糖尿病って大変そうだね。そういえば、この前は低血糖で苦しんでいたよね。
うん、それは薬の副作用だよ。
そして、今は高血糖で苦しんでる。
それは糖尿病のせいだね。
わかってる。でも本当にややこしいよ。
日常会話レベルで、血糖値が高い・低いと話す時には “blood sugar level”で通じます。それを「high(高い)」か「low(低い)」がで表せば良いでしょう。
医療英語としての高血糖は “hyperglycaemia”、低血糖は “hypoglycaemia”と、たった2文字しか違いませんから、注意しましょう。日常会話で使うことはないかもしれませんが、糖尿病の人が医師と話す時には使う可能性があるので、覚えておいても良いでしょう。
高血糖は hyper … ですが、hypertension「高血圧」などと同じ始まりで、低血糖の始まりの “hypo”は「下に」や「不足」を意味すると覚えておくといいです。
糖尿病の治療法
糖尿病には1型と2型があって、それぞれのタイプの糖尿病になる原因が違うことが分かりましたが、治療法についても、大まかに見ていきましょう。
糖尿病の治療法には、主に3つの方法があります。
薬物療法
血糖を下げる血糖降下薬や、インスリンの分泌を促進させる薬などを使用します。1型糖尿病では原則的にインスリン注射が中心となります。それに対して、2型治療法では、食事療法や運動療法、経口薬で血糖コントロールが不良な場合に、インスリン注射が開始されます。
食事療法
2型治療法では、食事療法が治療の中心で、エネルギーの摂りすぎに注意し、バランスのよい食事を心がけることが重要です。毎日の運動量から必要なカロリーを計算し、その範囲内で食事を楽しむようにします。
アメリカでは、1億人以上が糖尿病か予備群で、人口の3分の1が糖尿病の脅威にさらされていると言われています。そのため、アメリカでは、スーパーマーケットや本屋などで、糖尿病の食事に関するレシピ本などがたくさん販売されています。
運動療法
運動療法も、糖尿病の治療において重要な役割を果たします。食事療法と組み合わせて運動療法を採り入れることで、効果が発揮されると考えられています。
私はアメリカに住んでいた時、糖尿病の食事療法に関する本をスーパーや本屋でよく見かけました。
アメリカ市民の3分の1が糖尿病の脅威にさらされていると言われています。
アメリカで外食した時、レストランの食事が糖分が高いものが多いと感じました。
糖尿病に関する表現を覚えてもしものときに備えよう
今回はちょっと医療英語の専門的な表現や知識が多くなってしまいましたが、きっと糖尿病の話を英語でする機会がある時には役立つはずです。
また、糖尿病ではなくても、低血糖で悩まされてる人が使える表現もあるでしょう。
あまり万人が使う表現ではないかもしれませんが、もしものときに備えて覚えておいた方が良いと思ったものは、練習してみてくださいね。