みなさんは、「ミッション」という言葉を聞いてどのような意味をイメージしますか?
ハリウッド映画のタイトルから、極秘任務や重要任務を想像する方も多いのではないでしょうか。
「ミッション」は、英語の”mission”をカタカナで読んだ言葉で、「使命」や「任務」を意味します。
日本語でも浸透しており、「ミッションを達成する」や「ミッションを遂行する」のように、ビジネスや日常生活のさまざまなシーンで使われています。
今回は、そんな身近なカタカナ言葉「ミッション」について、”mission”の意味と正しい使い方、言い換え表現を解説していきます。
「ミッション」の意味
「ミッション」は、英語”mission”をカタカナで読んだ言葉です。
特定の目標を達成するために設定された「任務」や「課題」を意味し、組織や企業、個人が自身の役割や目的を明確にするために使われます。
一般的には、目的を果たすために遂行される任務や活動を指しており、行動する本人の強い意志や熱意を含んでいることが多いです。
文脈によっては、目的達成のために結成された集団を指して「使節団」や「派遣団」などと言い換える場合もあります。
また、キリスト教の伝道のために創設された学校を「ミッションスクール」、略して「ミッション」と呼ぶこともありますよ。
「ミッション」の使用例
・兵士たちは過酷なミッションを終えました。 ・このミッションの目的の1つは、適正かどうかを評価することです。 ・ミッションをもっと簡単にクリアする方法を教えましょう。 ・弊社のミッションは、当社の規模拡大です。 ・彼はそのミッションを遂行できませんでした。 |
ビジネスにおける「ミッション」
「ミッション」は、ビジネスシーンでもとてもよく使われる言葉です。
ビジネスにおける「ミッション」は、企業が社会において果たすべき「使命」や「任務」のことを指します。
なぜそのビジネスを行っているのか、どのような目標を掲げているのかという、企業が存在する理由や事業の方向性を明示しするのが「ミッション」です。
また社員の立場で「自分たちは社会でどのような存在なのか」「自分たちは社会から何を求めてられているのか」といったように、自社と社会との関係を俯瞰するうえでも重要な役割を果たしています。
「企業理念」や「経営理念」を構成する3つの要素、「ミッション」「ビジョン」「バリュー」は、企業が経営活動を行ううえで、目指す方向性を示す重要な要素とされ、頭文字をとって企業や組織の「MVV」とも呼ばれています。
ミッション(Mission)…企業や組織が社会に果たすべき使命、任務 ビジョン(Vision)…企業や組織が目指すべき理想の姿 バリュー(Value)…企業や組織が共通して持っておきたい価値観 |
「ミッション」で掲げた抽象的な「使命」が、「ビジョン」によって明確化され、「バリュー」で具体的な行動指針あるいは価値観に示されます。
3つのMVVがきちんと設定されている組織では、価値観を全従業員で共有できるので、団結力強化やモチベーションのアップにもつながります。
”mission”の意味
”mission”は、「使命」「任務」「目的」という意味を持つ名詞です。
特定の目標や目的を達成するために行われる活動や任務だけでなく、その団体や組織が持つ重要な役割を表します。
宗教的な文脈においては、崇拝対象である神や宗教的機関が人々に与える使命や職務などを指す場合もあります。
辞書では以下のように定義されています。
- 使命、任務、役目
- 天職、(一生の)使命
- (集合的に)(通例外国への)使節団、派遣団
- 在外大使(公使)館
- 陸海軍、軍事特命、空軍特命飛行
- (宇宙船による)(…への)特務飛行
- (特に外国への)伝道、布教
- (布教)団体、本部
参考:Weblio英和辞書
- an important job, especially a military one, that someone is sent somewhere to do
重要な仕事、特に軍事的な仕事- any work that someone believes it is their duty to do
誰かが自分の義務と信じている仕事- a group of people whose job is to increase what is known about their country, organization, or religion in another country or area, or the place where such people are based
自分たちの国、組織、宗教について、他国や地域への認知を促進する仕事をする人々の手段、またはそのような人々が拠点とする場所- the action of sending someone to a place to do a particular job
特定の仕事をするために、ある場所に人を送る行動- the result that a company or an organization is trying to achieve through its plans or actions
企業や組織が、その計画や行動を通じて達成しようとする目的
”mission”の発音記号は /ˈmɪʃ.ən/ で、カタカナにすると「ミシュン」のように読めます。
日本語として使われている「ミッション」とは、発音が少し異なるので注意が必要です。
”mission”は、ラテン語の”mittere”(送る、手を伸ばす、伝える)が語源といわれています。
”mittere”が「神の言葉を送り届けよ」と解釈されるようになり、「キリスト教の宣教」や「キリスト教の使節団」を表すようになったことから、現在の「使命」や「任務」という意味に変化しました。
”mission”を使った例文
”mission”を使った例文を紹介します。
文脈によって「使命」や「任務」、「使節団」などを使い分けていきましょう。
訳)それが危険な任務であることは重々承知していました。
訳)貿易使節団が研修任務を終えてモスクワに到着しました。
訳)命を懸けてでも、自分の任務を全うします。
訳)われわれの使命は、この町を住みよい町にすることです。
訳)彼女は、教師の仕事において、目的と使命感を感じています。
”mission”の言い換え表現
「任務」や「使命」の意味を持つ”mission”は、他にもいろいろな英語で言い換えが可能です。
「目的」や「目標」、「計画」「標的」などを表す類義語を紹介します。
task
”task”は、「目標を達成するために実行する仕事」を意味する英語です。
”mission”よりさらに具体的かつ狭い範囲の行動や状態を示しています。
訳)彼は職場で難しい任務を割り当てられました。
goal
”goal”は、ある目的に向かって進むために定める「目標」あるいは「計画」のことを意味する英語です。
”mission”より短期的、限定的な意味合いが強い表現といえます。
訳)このプロジェクトにおける、あなたたちの目標を教えてください。
objective
”objective”は、何かを成し遂げたいときに設定する具体的な「目標」や「計画」のことを指した英語です。
グループや集団では、明確な目的を設定することで、行動や計画の方向性が明確になり、チーム全体で効果的に取り組めるようになります。
訳)わたしたちの目指すゴールは、毎日5つの新しい単語を学ぶことです。
target
”target”は、計画や取り組みの達成を表す「目標」や「標的」を意味する英語です。
もともとは、弓矢の的の中央点を示すものだったといわれています。
訳)弊社の今年の目標は、収益を15%増加させることです。
aim
”aim”は、何かを達成するために選ぶべき方向や目指すべき目標を表す英語です。
動詞”aim at”は、「~を目指す」「~を狙う」という意味でもよく使われるので覚えておきましょう。
訳)彼女の目標は、起業家として成功をおさめることです。
purpose
”purpose”は、何らかの目的や意図を持って行われる行動や活動を意味する英語です。
物事を行う理由や目的を示すときによく使われます。
訳)会議の目的は、新規プロジェクトについて議論することです。
まとめ
身近なカタカナ言葉「ミッション」について、”mission”の意味と正しい使い方、言い換え表現を解説しました。
「ミッション」は、英語”mission”からきたカタカナ言葉です。
「使命」や「任務」の他にも、「役目」「使節団」など、文脈によっていろいろな意味を表します。
ビジネスシーンでは、企業理念や経営理念を示す「ミッション」「ビジョン」「バリュー」(MVV)のひとつとしても用いられています。
企業や組織の話題で「ミッション」が出てきたときは、正しく解釈できるようになっておきたいですね。
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