皆さまは「チャレンジ」と聞いて、どんな意味を思い浮かべますか?
「英検にチャレンジする」「スノーボードにチャレンジしてみる」など、日本語でもよく使うくらい一般的な英単語ですよね。
カタカナで「チャレンジする」と言うと、新しい事や一つ上のレベルの事に「挑戦する」という意味で使われます。
英語ではどうでしょうか?
確かに、英語で「Challenge」と言っても「挑戦する」という意味にもなります。
しかし、英語の「Challenge」は、日本語の「挑戦する」とは少しだけ違ったニュアンスを持っています。
このニュアンスの違いが、英語で「Challenge」が出てきた際に大きな誤解を招く原因にもなります。
この記事では、そんな「Challenge」についてお伝えしていきます。
この記事を読み終わる頃には、英語で「Challenge」と言う際に、適切な意味を、適切な形で連想できるようになっているので、ぜひ最後まで読んでください。
「チャレンジ」は英語ではどんな意味なの?
冒頭でお伝えした通り、カタカナ語で使われる「チャレンジ」と、英語で使われる「Challenge」ではニュアンスが異なります。
カタカナの「チャレンジ」で用いられる意味の「挑戦」も含めて、主に以下の意味にもなります。
- 挑戦する
- 課題
- 身体的、精神的な障害を持つ
- ~が欠けている
- ~するのは難しい
こうして並べられると、「こんなに覚えないといけないの!?」となるかもしれませんね。
しかし、ご安心ください。
これら全てを暗記する必要はありません。
「Challenge」が本来持っているイメージを掴めば、そこから連想することが出来るようになります。
英語のChallengeが持つイメージとは?
英語のChallengeは、カタカナのチャレンジに比べて、「困難」に挑戦するニュアンスが強いです。
課題や障害、欠けているものなど、「困難」をイメージすれば、先ほど挙げた「Challengeが持つ意味」を連想出来るかと思います。
また、英語のChallengeは形や前置詞との組み合わせによって、先ほど挙げた色んな意味に変化します。
ひとつずつ見ていきましょう。
「挑戦する」のChallenge to
カタカナの「チャレンジする」が意味する「挑戦する」の意味で使われるのは「challenge to」です。
しかし、カタカナのチャレンジとは、日本語訳は同じでも少しだけ使われ方が違います。
I’m going to challenge to be a minimalist this year!
訳)今年は断捨離にチャレンジしてみるんだ!
カタカナの「チャレンジ」ではごく自然な表現ですが、英語の「Challenge to」ではこうした使われ方はしません。
一方で、
The biggest challenge for this company is to increase brand recognition.
訳)この会社にとって一番の挑戦は、ブランドの知名度を伸ばすことだ。
この表現は英語のChallenge toでも普通に使われます。
この2つの違いは何なのでしょうか?
これも、「困難」に挑戦するというニュアンスで説明がつきます。
「今年は断捨離にチャレンジする!」というと、「新しい事に(試しに)挑戦してみる」というニュアンスで使われています。
この場合、断捨離をすることを「困難な事」としては言っていませんよね。
対して、「ブランドの知名度を伸ばすことは、この会社にとっての挑戦だ」という文では、会社にとって一定の「ミッション」として挑戦するニュアンスです。
このように、同じ「挑戦する」と言っても「困難に」挑戦するというニュアンスを強く意識すると適切に使うことが出来ますよ。
「課題」を意味するchallenges
「Challenge」が名詞の形になることで、「課題」や「難題」を意味します。
Challenges for the future.
訳)今後の課題。
This problem is a real challenge.
訳)この問題はとても難しい。
「課題」という意味で使う時も、「困難に対するチャレンジ」というニュアンスに合致します。
学校から与えられる課題というよりは、「先に進むためにクリアするべき難題」といったニュアンスです。
「障害」を意味するchallenged
過去分詞形の「Challenged」は「障害を持った、~が欠けている」という意味があります。
The children are physically challenged.
訳)その子どもたちは身体に障害がある。
A mentally challenged person.
訳)精神障害を抱えた人。
A vertically challenged Person.
訳)背が低い人。
障害を持った人を表す英語には「A disabled person.」という表現がありますが、Challengedを用いることで直接的な表現を避けることが出来ます。(Disabledを用いる時も、現在ではA person with disability.と配慮した表現が好んで使われます。)
「難しい」を意味するchallenging
現在分詞形の「Challenging」を用いて、「難しい」を意味します。
This project might be challenging for you.
訳)このプロジェクトはあなたにとって少し難しいかもしれない。
This task is challenging.
訳)この課題は少し困難だ。
ここでも「困難な」というニュアンスに合致します。
ここのChallengingには「やりがいのある」というポジティブなニュアンスも含まれていますが、前提として「困難だ、難しい」という意味があります。
例えば「○○をお願いすることが出来ますか?」と相手にお願いした時に、「It is challenging.」と返ってきたら「それは挑戦的ですね!」と受け取って好印象な返答だと誤解しそうですよね。
しかし、実際は「それは困難だよ。難しいよ。」というニュアンスで相手は言っているわけですね。
「チャレンジ」のカタカナのニュアンスだけで覚えていると誤解しがちな表現も、ネイティブスピーカーが持っている本来の意味をイメージ(コアイメージ)を持つことで、その都度(つど)適切な意味を連想出来るようになりますよ。
単語の意味を全て暗記する必要もなくなるので、ぜひ意識出来るようになりたいですね。
まとめ
この記事では、日本語でもよく目にする「チャレンジ」の英語の意味についてお伝えしてきました。
- カタカナの「チャレンジ」と英語の「Challenge」では意味が少し異なる
- Challengeには主に5つの意味がある
- 意味を丸暗記する必要は無く、「困難に挑む」というコアイメージを持つことが大切
- 5つの意味も、コアイメージを持てば連想出来る
意味を覚える上で一見何の問題もないChallengeでも、これだけ複数の意味を持っていて、カタカナ英語の「チャレンジ」からは連想できないものも多く、それどころか誤解をするリスクもあることがわかったかと思います。
だからこそ、意味を丸暗記するだけではなく、単語が持つイメージを把握することで、適切な意味を状況に応じて連想する感覚をこの記事で少しでも掴んで頂ければ幸いです。