皆さんは、旅行は好きですか? 「旅行」を意味する英単語はいくつかありますが、英語ではどの単語を使えば良いのでしょう。実は英語には「旅行」に該当する単語が複数あるので、それぞれの意味をきちんと理解した上で、ふさわしい単語を使って言わなければいけないのです。

そもそも「旅行に行く」という動詞込みなら、皆さんがバッチリ知っている別の表現で表すこともあるので、どれがネイティブらしいかを判断できるようにしたいものです。以下では、「旅行」を意味する英語の使い分けについて解説していきます。

短めの旅行なら trip

短めの旅行なら trip

「旅行」と聞いて、英語で言うなら”trip”だと思った方、正解です!しかしこれは、旅行の中でも短期の旅行を指す言葉なので、長期間の旅行を意味したい時に使うのはNGです。

具体的には、一般的に短いとされる出張や遠足、修学旅行などに使われますね。セットとしては覚えやすい単語ばかりで助かります。

  • 出張:business trip
  • 遠足: field trip
  • 学校の旅行:school trip

tripを動詞と一緒に言いたいのであれば、go on a trip to~/ take a trip to ~となります。旅行に「行く」のですから、動詞はgoかなと予測できたかもしれませんが、goを使う場合には前置詞のonも使うことを忘れないようにしましょう。また、go以外の動詞だと、何にでも使えるtakeがあるのでこちらも覚えてくださいね。ちなみに、tripには冠詞のaが付きます。a trip の箇所を、a business trip、a field trip、a school tripとして使うこともできます。

go on a trip ~は、特定の目的地への計画された短期の旅行について使うことができます。明確な目的のない長期の旅行については、tripを使うのはふさわしくないです。

ちなみに trip の品詞は名詞です。tripは動詞としては使えませんので、「(短期の)旅行に行く」と言いたい場合には、go や takeといった動詞と一緒に使うことになります。

Aさん
How was your trip to Los Angeles?
訳)ロサンゼルスへの旅行はどうでしたか?
Bさん
It was nice, but it was just a business trip, so, I didn’t have time to go sightseeing. 
訳)良かったよ。でもそれはただの出張旅行だったので、観光する時間がなかったよ。
Aさん
Oh, that’s too bad. I hope you will be able to visit there for sightseeing.
訳)それは残念でしたね。観光でそこを訪れられるといいですね。

修学旅行に使われる excursion

excursionはschoolの後に持ってきて、「修学旅行」の意味で使われることがあります。

school trip という表現もありますが、厳密に言えば、これは「学校の旅行」という意味で、「修学旅行」という意味を明確にしたいなら、school excursionを使うのが望ましいです。

excursionもtripと同様に、特定の目的を持った短い旅行に言及するときに使います。

(例)a scientific excursion(科学遠足)
a pleasure excursion(行楽旅行)

一般的な旅行なら travel

一般的な旅行ならTravel

もう日本語にもなっているのではというくらいメジャーに使われるのは travelですよね。これが思いついた方も正解です!

tripと違うのは、travelが一般的な旅行全体を指す言葉であること。ただ、一般的と言っても長期間の旅行も含めば、海外旅行も含むので、人によっては短期間の旅行ではなく長期間の旅行をイメージするかもしれません。そして基本的には名詞よりも動詞として使われることが多いのも特徴です。

travel を動詞として使う場合の使い方について見て行きましょう。
「~へ旅行に行く」は “travel to ~” となります。「~で旅行する」は “travel in ~”となります。travelは「自動詞」なので、直接目的語をとれません。ですので、その直後に to や in などの前置詞が来ます。

動詞 travelの活用形についても見ておきましょう。

動詞    travel   の 現在形   過去形    過去分詞形
アメリカ英語では、travel ― traveled ― traveled(lを重ねません)
イギリス英語では、travel ― travelled ― travelled (lを重ねます)

長旅に行く過程ならJourney

長旅に行く過程ならJourney

「旅行」は journeyという言い方もします。ただ、日本語だと「旅行」よりも「旅」の方がふさわしいですね。なぜなら journeyは長旅であることが前提だからです。そしてtripやtravelと違うのは、旅の道中を重視する単語だということ。

例えば、友達が海外旅行に行ったとして、その道中のことを聞きたいのなら journeyを使うべきです。すると、バスで何時間もかけて移動してつらかったとか、飛行機の中で起きたことなどを話してくれるでしょう。旅行先の出来事が聞きたいのにその話が出てこないという経験が過去にあるならば、journeyが旅の道中を表す単語であると知らずに使っていたのかもしれませんね。

旅の道中を表す単語であることから、journeyは抽象的な旅路について使われることもあります。たとえば、「人生の旅路」というように言いたい時は、人生という旅の終着点である死について言いたいわけでなく、生まれてから死ぬまでのプロセスを重視したいわけですよね。だったら使うべきはtripでもtravelでもなく、”journey”となるわけです。「自分探しの旅」には、”journey of self-discovery”で表現できます。

Aさん
How is your journey of self-discovery going?
訳)自分探しの旅はどんな感じですか?
Bさん
I’m still in the middle of the journey, but I think I’ve made some progress.
訳)まだ道半ばですが、進歩はしていると思います。
Aさん
Good luck!  I hope you discover your true self and find your ideal job.
訳)幸運を祈ります! あなたが真の自己と理想の仕事を見つけられるよう願ってるよ。

「良い旅を!」に相当する英語表現

旅行に行く人に向かって一言、「良い旅を!」と英語で言うにはどういった表現が適切なのでしょうか。また、「旅行」を別の単語に変えても使える表現もあります。これらを学んで日常会話でも言えるようにしていきましょう!

Have a nice trip!

最も一般的に言われるのはこちらですね。そのまま「良い旅を!」と訳せます。ただ、ここで要注意なのは、この場合の「旅行」にはtripを使い、travelや journeyを使わないことです。journeyは先ほど解説したように、旅の道中を表す単語なので「良い旅を!」は行く途中にだけ限定しているためふさわしいとは言えません。しかし、travelなら使えそうですよね。ですが、ここはグッとこらえて、tripに限定しましょう。

日本でもそうですが、「同じ意味になるのに、どうしてこういう言い回しはしないの?」と思うことがあります。しかしこの質問、ネイティブでもわからず、「単に使わない表現だから」や、「こちらばかりが使われるようになったのでは?」といった返ししかできないことも。ここで使うtripはもう決まり文句なのだと覚えてしまいましょう。言語は時として理屈を相手にしません。英語はコロケーションが多い言語で、単語と単語の結びつきが限定されていることも多いです。

ちなみにですが、Have a nice trip! は Enjoy your trip! に置き換えることもできます。翻訳はどうしても「良い旅を!」となんとなく親しい間柄では使わない表現になることが多いのですが、実際は英語の場合、友達同士や家族でよく言う表現なので変にかしこまった表現だと感じる必要はありません。訳を変えて、「旅行、楽しんできてね!」くらいにしても良いでしょう。

Aさん
Have a nice trip!
訳)良い旅を!
Aさん
Enjoy your trip!
訳)楽しい旅を!

そしてこのHave a nice trip!は、tripの部分をweekendやholidayに置き換えて、「週末楽しんでね!」や「休暇を楽しんでね!」ということもできるのでどちらも覚えておきましょう。

Have a safe trip!

Have a nice trip!とかなり似た表現ではありますが、NiceのところをSafeに変えれば「安全な旅を!」という表現に早変わりします。本当に危ないから気を付けるようにというよりは、単に旅行を楽しんでねという意味合いの方が強いので、Have a nice trip!と内容はそう変わりません。

もしこれが飛行機での旅であったなら、Safe flight!と言うのも自然です。省略して言えると、より親しい人との会話も様になってくるので相手との間柄を考慮して言ってみてくださいね。近年、飛行機の事故が増えているので、Have a safe flight! という表現を使うのもありですね。

Aさん
Have a safe flight!
訳)安全なフライトを!
Bさん
Thanks!
訳)ありがとう!

「旅行」にまつわる英語表現

「旅行」にまつわる英語表現

tripやtravel、journeyと言った基本の「旅行」という英語は覚えたので、ここでもう少し掘り下げて、旅行にまつわる英語表現をもっとたくさん覚えていくことにしましょう。旅行に行くならよく使う用語ばかりで、日常生活でも使うため覚えておいて損はありませんよ!

  • 「旅費」:travel expenses/costs
  • 「旅支度」:travel preparation
  • 「国内旅行」:domestic trip/travel
  • 「海外旅行」:overseas trip/travel
  • 「世界一周旅行」:round-the-world trip/travel
  • 「週末旅行」:weekend trip/travel
  • 「往復旅行」:round trip
  • 「片道旅行」:one-way trip
  • 「海外旅行」:foreign travel
  • 「旅行代理店」:travel agent

「往復チケット」には、 “round trip ticket”という表現を使います。このtripをtravelに変えると違和感があります。ちなみに「片道チケット」は、”one-way ticket”です。

Aさん
Which are you more interested in, domestic travel or overseas travel?
訳)国内旅行と海外旅行、どちらにより興味がありますか?
Bさん
I’m more interested in domestic travel.
訳)私は国内旅行に興味があります。

まとめ

「旅行」には、英語で tripやtravel、journeyといった言い方がありました。それぞれちょっとずつ意味が違って、tripは小旅行、travelは一般的な旅行、そしてjourneyは旅の道中という意味だと分かりましたね。

また、tripは名詞としてしか使えなくて、travelは名詞や動詞として使えます。

「良い旅を!」と言いたいならHave a nice trip!と言う表現があるので暗記しておくと便利です。

旅にまつわる英語表現も紹介していますので、機会があれば、ぜひ使ってみてください。