「パトスの意味を完全にマスターしよう!」

皆さんは「パトス」の意味について、パッと答えることはできますか?

この記事では英語学習者や哲学に興味のある方に向けて、「パトス」の意味や使い方を詳しく解説します。さらに、「エトス」「ロゴス」といった関連する概念、アリストテレスの三原則との関係性、そして「残酷な天使のテーゼ」におけるパトスの役割もご紹介します。

また、「パトスとパッションの違い」についても解説するので、実生活やコミュニケーションで活かせるヒントが得られるはずです。ぜひ最後まで参考にしてください!

「パトス」の意味は?

「パトス」の意味は?

「パトス」という言葉は、さまざまな分野で耳にする機会が増えていますが、その具体的な意味について理解している人は少ないかもしれません。

まずは、パトスの意味や、どのような場面で使われるかについて詳しく解説します。

「パトス」は「感情」という意味

「パトス(pathos)」は、ギリシャ語に由来する言葉で、意味は「感情」や「心の動き」という意味です。

人の感情に訴えかける要素として、演説や文学、芸術など多くの分野で役立っています。

特に「アリストテレスの修辞学」では、パトスは説得における三大要素(ロゴス、エトス、パトス)の一つとして挙げられることで有名です。

論理を意味する「ロゴス」や、話者の信頼性を意味する「エトス」と共に、聞き手の共感や感動を引き出すための重要な要素として位置づけられています。

Aさん
『残酷な天使のテーゼ』の歌詞でも登場する言葉なので、一度はどこかで聞いたことがある方も多いでしょう。

「パトス」と「パッション」の違いは?

「パトス」と「パッション」は、どちらも感情に関連する言葉ですが、使われる場面やニュアンスに違いがあります。

  • パトス:他者に訴えかける感情や心の動き
  • パッション:個人の熱意や情熱のことで直接的

より日常的な例に落とし込むと、ある製品の開発者の、その製品に対する熱意を説明することで共感を得るのがパトスです。パッションはある意味その製品の開発者が直接聞き手に、熱意を伝える様なイメージとなります。

要するに、ポジションが少し異なるのです。

“Pathos”の単語解説

これまでは日本語の「パトス」について学んできましたが、ここでは元となった”Pathos”について学んでいきます。

まずは単語の意味から、品詞・発音へと掘り下げ、最終的には例文を使って応用方法を学んでいきましょう。

“Pathos”は「哀愁」を意味する

まず、英語の”Pathos”は「哀愁」という意味です。

“Pathos”はギリシャ語に由来する言葉で、「哀愁」だけでなく、「情熱」「苦悩」「同情」など、様々な感情を表します。

例えば、感動的なスピーチでは、演説者が自身の過去の辛い経験を語り、聴衆の共感を得るために “Pathos” を活用することがあるのです。

また、映画では、主人公が愛する人を失い、悲しみに暮れる場面などを通じて、観客に “Pathos(哀愁)” を感じさせ、感情移入を促します。

このように、理性ではなく感情に直接働きかける要素として、文学や演劇、映画、音楽、そして日常会話など、様々な場面で役立つ言葉なのです。

“Pathos”の品詞と発音

  • 品詞:名詞
  • 発音:パトス[ˈpeɪθɒs]

“Pathos”は名詞として使用され、発音は「パトス」に近い音になります。

より意識的に発音したい方は、「ペイソス」のように発音するとワンランクアップするので覚えておきましょう。

“Pathos”の例文

例文①:

Aさん
The speech was filled with pathos, and it moved everyone to tears.

訳)そのスピーチは哀愁に満ちて、全員が涙を流しました。

例文②:

Bさん
The artist’s work conveys a deep sense of pathos.

訳)そのアーティストの作品は、深い哀愁が感じられる。

例文③:

Aさん
The film’s ending scene was powerful because of its intense pathos.

訳)その映画のラストシーンは、その強烈な哀愁ゆえにパワフルだった。

“Pathos”の関連表現

"Pathos"の関連表現

“Pathos”には、感情や表現に関連するさまざまな英単語があります。ここでは、”Pathos”と関連性の高い単語を3つまとめました。

  • “Emotion” – 感情
  • “Empathy” – 共感
  • “Sentiment” – 感傷

これらの単語を理解することで、表現力をさらに深めることができます。

“Emotion” – 感情

“Emotion”は「感情」という意味を持つ英単語です。

いわゆる人が経験する喜びや悲しみ、怒り、恐怖などの感情全般を指します。

この単語は日常生活でも非常によく使われ、心理学やコミュニケーションの分野でも重要な概念です。

品詞と発音

  • 品詞:名詞
  • 発音:エモーション[ɪˈmoʊʃən]

“Emotion”は名詞で、発音は「エモーション」に近い音です。日本語でも「エモい」と言ったりしますが、この単語が元となっているので覚えやすいでしょう。

“Emotion”の使い方

Aさん
Her speech was full of emotion and moved everyone deeply.

訳)彼女のスピーチは感情に溢れていて、皆の心を深く揺さぶった。

“Empathy” – 共感

“Empathy”は「共感」という意味を持つ英単語です。

こちらもいわゆる感情をお互いに理解する行為を指し、日常会話でも役立つ言葉となります。

品詞と発音

  • 品詞:名詞
  • 発音:エンパシー[ˈɛmpəθi]

例えば、友人が悲しんでいる時、その悲しみを自分のことのように感じ、寄り添うことができるのは “Empathy”によるものです。

この単語は特に「他者の感情を理解する」という所が重要なので、覚えておきましょう。

“Empathy”の使い方

Aさん
Good leaders need empathy to connect with their team.

訳)良いリーダーには、チームとつながるための共感が必要です。

“Sentiment” – 感傷

“Sentiment”は「感傷」という意味を持つ英単語です。

日本語でも「センチメンタル」という言葉を使われることがありますが、これは “Sentiment” の形容詞形である “Sentimental(感傷的な)” に由来しています。

品詞と発音

  • 品詞:名詞
  • 発音:センティメント[ˈsɛn.tɪ.mənt]

これまで紹介してきた言葉の中でも、特に文学や映画において、感情的な価値観や意見を表現する際に用いられます。

“Sentiment”の使い方

Aさん
The old photograph brought back a lot of sentiment.

訳)古い写真を見ると、いろいろな思いがよみがえってくる。

まとめ

こちらの記事では「パトス」というカタカナ表現の解説から、英単語の”Pathos”について広く紹介していきました。

色々な側面からパトスについて学んできたので、最後に復習をしておきましょう。

  • 「パトス」は「感情」や「心の動き」を意味する。
  • 「パトス」は英単語の”Pathos”に由来。
  • 「パトス」はアリストテレスの修辞学における重要な概念。
  • “Pathos”は他者の感情に訴えかける力として、多くの分野で使われる。
  • “Pathos”は演説や文学、映画など、感動を与える表現で役立つ。

“Pathos”を正しく使いこなす能力は、感情や表現を豊かにするための第一歩です。

この記事を出発点として、言葉の背景やニュアンスを深く学んでいきましょう。

関連表現も役立ちますので、ぜひ積極的に使ってみてください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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