「パッションを感じる」「パッションがある人」のような言い方に使われるのが英語passionです。
passionは一般的に情熱や激情といった強い感情を意味する言葉として使われますが、それ以外にも意味があることを知っていますか?

そこでこの記事では、passionの意味を解説し、例文で使い方を紹介します。ゲームやビジネスにも使われてるpassionを正しく使えるようになりましょう。

passionの意味・語源・類語

passionの意味・語源・類語

さっそく、単語passionをみていきます。カタカナの発音は日本語と同じようにパッションになります。ちなみに、亜熱帯の果物であるパッションフルーツの英語表現もpassion fruitになります。
それではまず、passionの意味、語源、類語を紹介しましょう。

passionの意味

ところで、皆さんは何かにパッションを持っていますか?
passionは名詞で「情熱・熱情」「愛情・熱中」「夢中になれるもの」といった意味を持ちます。passionの対象は特定の人物やモノであり、それらに対して強くてほとんど制御できないような感情を指します。

Aさん
He always talks about her every time we meet as he has a passion for her.
訳)彼は彼女への情熱があるので、会うたびにいつも彼女のことを話すんです。

強い気持ちを持っている相手には、この例文のようにfor ◯◯で表しましょう。
好きな人がいると、友達にも聞いてもらいたい気持ちを抑えきれずにおしゃべりが延々と続くということってありますね。

さて、passionの別の意味として、イエスの苦しみと死である「キリストの受難」という宗教的なものがあります。重要な点としては、キリストの受難の場合には必ずthe passionと”the”をつけるところです。

passionの関連用語

ところで、passionは名詞ですが、関連する用語で他の品詞についても紹介します。

形容詞のpassionateになると「情熱的な・熱烈な・熱のこもった」、または人が「短気な・怒りっぽい」また「好色な」という性格を表す意味になります。例えば、passionate kissであれば「情熱的なキス」のように使います。

さらに、副詞passionatelyになると「情熱的に・熱心に・熱烈に」または「激しく・激怒して・怒りを込めて」という意味で使われます。kissed passionatelyであれば「情熱的にキスをした」になるんですね。

passionの語源

ここまで紹介したとおり、宗教的な意味から情熱まで、人にとって大切な意味を持つpassionの語源とはどういう言葉なのでしょう。

多くの言葉がラテン語を語源としていますが、passionも例外ではありません。「苦しみ・長期間続く」の意味を持つpassioが中世ラテン語passionatusを経て「情熱に感化された」という意味になります。そこからpassionとして、英語に取り入れられました。

passionの類語3選

ここで、passionの類語を3つ紹介します。

enthusiasm

はじめに、「熱中・熱狂・熱烈な願望」や「熱中の対象」の意味を持つenthusiasm(インスュージアズム)が挙げられます。何かに対して熱心に取り組む情熱、強烈な感情を駆り立てた行動を表現します。

ardor

次に、ardor(アーダァ)は特に恋愛対象に持つ熱意、感情を指す単語です。

zeal

zeal(ズィール)にも「熱意・熱心・熱中」の意味があります。zeal for ◯◯のパターンで◯◯に熱中するものを入れましょう。

パッションの意味と使い方

日本語でもパッションと使われるpassionですが、ここからは正しい使い方を例文とともにみていきます。人へのパッション、モノへのパッションと分けて紹介しましょう。

人へのpassion

すでに述べたとおり、passionはほとんど制御できないような感情です。頭から離れずいつも想っているような相手にpassionを使ってみましょう。

Aさん
She has a passion for him.
訳)彼女は彼に対してパッションを持っている。

この場合、女性はその男性に対してロマンチックな感情があるということですね。この例文は形容詞passionateにして、同じ意味で次のように言い換えることもできます。
”She is passionate about him.”

ここでpassion for、passionate aboutの前置詞の違いにも注目してください。

物事へのpassion

皆さんは何かへの情熱がありますか?

Aさん
Volunteering has always been my passion.
訳)私はずっとボランティアに情熱を注いできました。

この例文は、継続して自分が何かに情熱をかけてきたときの表現です。ボランティアを皆さんが情熱を注いでいるものに置き換えてみましょう。
ところで、筆者のイギリス人夫は日本の武道へのパッションが熱いです。

Aさん
What is your husband passionate about?
訳)旦那さんは何に情熱を注いでいるの?
Bさん
My British husband has had a passion for Japanese martial arts for the last 30 years.
訳)イギリス人夫は、この30年間、日本の武道に情熱を注いできたんですよ。

 

 
熱中しているものを英語で表現できるようにしておけば、いつかコミュニケーションに役立つでしょう。

パッション – 若者言葉

さて、「情熱・熱情」や「夢中になれるもの」の意味を持つpassionが若い人たちのある分野について使われる言葉になっています。

人狼ゲームとは?

ところで、推理と会話を中心にしたパーティゲーム「人狼(じんろう)」ゲームをしたことがありますか?
参加する人はすべて村人として振る舞うものの、そのなかの数名は人狼で村を滅ぼそうとします。この遊び方は、味方になりすましたウソつき人狼を会話で見つけ出すことです。

ゲーム用語のpassion

この人狼ゲームでよく使われる言葉が「パッション」です。直感や感覚でゲームを行ない、感情的になって進めるスタイルをパッションと呼ぶのです。

Aさん
If you’re a werewolf, lies are crucial. It’s full of great experiences that will really test you and your friend’s passion to survive challenges.
訳)あなたが人狼なら、嘘は極めて重要である。このゲームには、あなたと友達が困難を乗り越えるためのパッションが試される素晴らしい経験がいっぱいだ。

オンラインでも行なわれる人狼ゲームは英語でwerewolf gameです。

パッションの意味 – ビジネス

ビジネスを成功させるうえでもパッションは重要です。
そこで、ビジネスにおけるパッションについても紹介します。

ビジネスへのパッション

Aさん
Passion is the foundation of a strong business. It drives motivation, innovation, resilience, positive culture and satisfaction.
訳)情熱は強力なビジネスの基盤である。モチベーション、革新性、回復力、前向きな文化、そして満足感を高める。
Aさん
It’s said that young people don’t have a passion for business these days but tend to value their private life more than their work.
訳)最近の若者はビジネスに情熱を持たず、仕事よりもプライベートを重視する傾向があると言われている。

情熱の英語 – スラング

情熱の英語 - スラング

ところで、情熱を注ぐものは自分の推し(おし)でもありますね。もともと推しはお気に入りのアイドルまたはキャラクターを表現していましたが、今では大好きなものを表すようになりました。
そこで、情熱を持ち推しに当たる英語スラングを紹介しましょう。

stan

stanは、stalker(ストーカー)+fan(ファン)を組み合わせてできた言葉です。この単語のニュアンスから分かるとおり、熱烈度の高いものを対象にした熱狂的ファンを意味します。スラングstanは、エミネムによるラッパーの危険なファンについての曲に由来しています。

Aさん
Taylor Swift has a powerful stan following.
訳)テイラー・スウィフトには熱狂的ファンがついている。

stanは、an overzealous/obsessive fanにも置き換えられます。overzealousには「あまりにも熱心な・熱心すぎる」、そしてobsessiveは「自制できないほどの」の意味を持つからです。

大嫌いを表現するpassion

最後に、passionのまったく異なる使い方を紹介しましょう。情熱を持って何かを嫌う?というニュアンスです。

hate ◯◯ with a passion

hateは「ひどく嫌う・憎む」といった意味の動詞です。何かを嫌うことは誰にでもありますが、それをただ嫌いと言うのではなくwith a passion(情熱を持って)で強調しています。

Aさん
I hate natto with a passion.
訳)私は納豆が大っ嫌いです。
Aさん
He used to hate school with a passion, but not anymore.
訳)彼は以前は学校が大嫌いだったんだけど、今はもうそうではないの。

情熱を持って嫌いと言えるほど嫌なものに対してこのフレーズを使ってみましょう。

まとめ

本記事では「情熱」「愛情・熱中」「夢中になれるもの」としてpassionを取り上げました。記事後半では、大嫌いに使えるフレーズhate ◯◯ with a passionも紹介しました。

passionは日本語パッションとして馴染みがある単語ですから、英会話でもぜひ使えるようにしましょう。

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