日本人が食事の時にかかさず使うお箸。外国人からすると、「スープもお箸で食べるの?どうやって?」と不思議そうです。そんな英語圏では日常的に使うことがないお箸ですが、もし、日本文化を英語で説明するならどうやって表現しましょうか。お箸で食べるお寿司やラーメンも世界に広がっているものの、まだお箸を正しく使えている人は少ないよう。ならば、ここで説明できるくらいの英語力をつけて、相手にお箸の正しい使い方を教えてあげましょう。

辞書で「箸」を調べてみた!

辞書は、単に単語を知りたい時だけでなく、例文などもたくさん表示してくれるから便利なんですよね。ということで、早速「箸」も小学館 プログレッシブ和英中辞典で引いてみました。結構詳しく載っていたので、ひとつひとつ解説しながら見ていきます。

はし【箸】
(a pair of) chopsticks

そう、お箸は英語でchopsticksと言います。ここで注意したいのは、お箸は2本あると考えるのが英語なので、必ず複数形になるということです。ここでカッコ書きになっているa pair ofは、「~とペアの」という2つで1つというものに使われる表現ですね。丁寧に言うとa pair of chopsticksですが、しかし西洋の方でもお箸は2本使って食べることは承知しているので、単にchopsticksで構いません。

彼は箸が上手に使えない
He cannot use [handle] chopsticks well.

辞書に出てきた例文ですが、お箸が上手に使えないなら、不可能を表すcannotという助動詞を使い、「上手に」という副詞のwellを最後に持ってきて文を完成させます。中学英語ですので文法は簡単です。ちょっとあえて難しくして、動詞のuseをhandleとするのも良いですね。handleは「扱う」という意味です。

豆を箸でつまむ
pick up beans with one’s chopsticks

「つまむ」というとなんだか難しそうですが、実はpick upという熟語を使えばOKです。こちらは、「摘む」や「拾う」という訳で習うことが多いので、あまり「つまむ」という表現で思い浮かばないかもしれませんね。道具を使って何かをするという時に使われる前置詞はwithなので、上記の文にも使われています。

あの年ごろの娘は箸が転んでも笑う
Girls of that age are ready to laugh at anything [the drop of a hat].

こちらは、日本語では「箸が転ぶ」という表現をするものの、英語ではchopsticksを使わないよという説明ですね。箸が転んでも笑うというのは、些細なことで笑うという意味ですから、これを英語表現に変えています。are ready to~で「~の準備ができている」です。

おいしくて箸が進んだ
It was so delicious that I couldn’t stop eating.

こちらも上記と同じく、日本語では箸を使った表現ですが、英語ではお箸という言葉は出てこないパターンです。箸が進むというのはよく食べるという意味ですから、置き換えをします。couldn’t stop ~ingは、~することをやめられなかったという熟語で、基礎レベルなので知らない場合は今覚えておきましょう。

箸の上げ下ろしにもうるさい
She is finicky [picky] about tablemanners [〔何事にも〕everything].

箸の上げ下ろしにもうるさいということは、つまりテーブルマナーにうるさいということ。ですから英語ではそのままテーブルマナーという単語が使われていますね。英語の場合、単語はtableとmannerで分けないことに注意してください。また、mannersと、複数形にできることも覚えておきたいですね。

彼は刺身に箸を付けなかった
He left the sashimi untouched.

箸を付けないというのは食べなかった、食事を残したという意味なので、untouchedという「タッチしなかった」という表現を用いることができます。「残す」はleaveですが、過去形の文になっているのでleftが使われています。

  • 箸置き a chopstick rest
  • 箸立て a chopstick holder
  • 箸箱 a chopstick case

辞書の最後には、お箸に関連する用語が書いてありました。箸置きは、お箸が休むところと表現するのが英語の面白いところですね。また、箸立てはholderを使います。お箸を箱に入れている家庭ならcaseで表現しましょう。

お箸の持ち方を英語で説明してみよう!

お箸の持ち方を英語で説明してみよう!

お箸は西洋の方でも使ったことがある人が多いですが、あまり正確な持ち方を知らなかったりします。そんな時は、英語で持ち方を説明できたらカッコいいですよね。見せながらできたら一番いいので、そばにお箸がない時は、ボールペンなどを代用しながら説明してみましょう。

Aさん
Hold the chopsticks like you hold a pencil.
訳)鉛筆を持つようにお箸を持ってみて

お箸を手に持つことを英語で表現したいなら、haveよりもholdという動詞を使うことをおすすめします。これによって、よりしっかりと持つことを意識させられるからです。また、小さいころに教えてもらったように、普段からお箸よりも馴染みがあるペンの持ち方を例にして説明するとわかってもらいやすくなります。

Aさん
Keep the lower chopstick fixed. 
訳)下のお箸を固定して

日本人でも正しいお箸の持ち方を知らなかったりしますが、お箸って実は下のお箸は動かさないんですよね。これを説明するには、下のお箸のことをlower chopstickと言います。下のお箸は1本しかありませんから、ここでは複数形ではなく単数形を使うのが正解です。「固定する」はfixedです。これで基本的なお箸の持ち方は説明できましたかね。

お箸のマナーを英語で教えてみよう!

お箸のマナーを英語で教えてみよう!

お箸の使い方をわかってもらえたら、次に覚えるべきはお箸のマナーでしょう。知らないなら悪意はないのでしょうけれど、大人がやっているとちょっと違和感・・・外国人の方で、日本文化に興味があるなら教えてあげると喜びますよ!

Aさん
Do not stick your chopsticks in a bowl of rice.
訳)お茶碗のご飯にお箸を立てるのはダメです

「お箸を立てる」に使う動詞はstickです。あまりこういう意図で使うことがないので慣れないかもしれませんが、ネイティブに言うならこれがベストですね。お茶碗はrice bowlやbowl of riceと言います。この時、発音に気を付けましょう。例えばrice bowlと言いたい時、「ライスボール」と言うと、rice ball、つまり、おにぎりに聞こえます。bowlの正しい発音は「ボゥル」なので、できれば音を実際に聞いて差を意識してみてくださいね。

まとめ

「お箸」は日本の食文化に欠かせない道具です。これを英語圏の人達に伝える場合、持ち方やマナーを教えるのは大切でしょう。英語での説明は一見難しいように思えますが、デモンストレーションをして見せながら教えると案外簡単なものです。その時に適切な英語が使えればよりわかりやすくなるので、必要な単語は覚えておきましょう。