ニュースなどで集団による暴動を目にすることがあります。政府に対して政治的な抗議をしたり、またはフットボールなどスポーツのゲーム時の観客による混乱といったものです。
喧嘩のfightとは異なる、このような暴動または騒動を表す英語をご存知ですか?

この記事では、暴動や騒動を表す英語riotを紹介します。riotのスラング、プロテストやテロとの違いも合わせてみていきます。

ライオットの英語riotの意味

ライオットの英語riotの意味

riotのカタカナ語の読み方は、リオットではなくライオットのようにします。「騒ぎ」「暴力的な行動」を意味するラテン語riotaが語源で、その後16世紀に英語として使われ始めました。

名詞と動詞のriotの意味

riotには名詞と動詞の意味があります。それぞれを例文とともに紹介します。riotの語源が「暴力的な騒動」を意味する言葉であることをおさえた上でみていきましょう。

【名詞riotの意味】
暴動・騒動・無秩序・混乱状態・反乱・一揆・お祭り騒ぎ

Aさん
The town was shaken by a riot over night.
訳)街は一晩中、暴動で揺れた。

この例文のシーンは、大勢が集まって暴力的な行為を行なっている様子を表しています。例えば、政府のやり方に反対する暴動であればanti-government riot(反政府の暴動)ですし、さらに凶暴である暴動はviolent riot(凶暴な暴動)、こうなると逮捕者も怪我人も多く出てしまうでしょう。

Aさん
During the party, the situation turned into a riot when 2 drunken people started fighting.
訳)パーティの最中、酔っ払った2人が喧嘩を始め、事態は混乱状態に変わりました。

騒ぎや未秩序の状態に関してもriotで表現します。なお、暴動に参加する人はrioterとなります。

【動詞riotの意味】
暴動に参加する・騒ぎを起こす・賑やかにする
riotの動詞活用は、riot-rioted-riotedです。

Aさん
Some people decided to riot and took the advantage to break in to shops and steal things from them.
訳)何人かの人々は暴動に参加することを決め、その機会に便乗して店に押し入り物を盗んだりしました。
Aさん
Young people rioted at the concert and they danced and sang together.
訳)若者たちはコンサートで大騒ぎし、一緒に踊ったり歌ったりしました。

両例文によって、動詞riotは暴動のような騒ぎから、にぎやかな大騒ぎまで言い表すことができることが分かります。

ライオット・プロテスト・テロリズム

何かしらアクションを起こすという意味で、riot/protest/terrorismがあります。これらの違いを確認しましょう。

riot/protest/terrorism

ライオット(riot)はここまで紹介したとおり、集団による暴動・無秩序を表しますが、場合によっては賑やかに過ごすことを表します。この定義は、3人以上の集団のうち1人以上の人物による暴力行為、損害や障害をもたらすという定義があります。

一方、プロテスト(protest)は、主に社会的・政治的な抗議や異議申し立てを意味する表現です。デモの集会で行なわれることが一般的です。世界最大の国際人権NGOであるAmnesty Internationalもしばしば”Peaceful protest is NOT a crime.”と訴えています。peaceful=平和的な、という点が次のテロリズムと正反対と言えます。

さて、テロリズム(terrorism)です。暴力や恐怖によって政治上の主張を通そうとするもので、安全や平和に対する重大な危機を及ぼします。指定されたテロ組織または国家に触発された、またはそれらと関係のある個人・グループによって行なわれる暴力的犯罪行為です。

riotの意味 – スラング

さて、riotに戻り、ここではスラングとしてriotがどうネイティブに使われているのか紹介します。

スラングriotで「すごく面白い」

かなり面白い人、またはめちゃウケるジョークをスラングriotが表現します。これらは周りにいる人たちが笑いの渦に巻き込まれるとして、riotを笑いの暴動というニュアンスとして使用しているのかもしれません。riot=very/extremely funnyとして理解しましょう。

以下、スラングriotの例文です。

Aさん
John Bishop jokes are a riot!
訳)ジョン・ビショップのジョークは最高!

John Bishopとはイングランドのコメディアン、特にイギリスのお笑いの王道と言われ、観客の前で1人立ってジョークを連発するstand upの人気コメディアンです。

Aさん
What a riot! We can’t stop laughing.
訳)めちゃ面白い!笑いが止まらない~

riotの言い換え表現3選

riotの言い換え表現3選

さらに、riotを言い換えるときの表現を3つ紹介します。riotが持つ意味をよりイメージできるようにしていきましょう。

disturbance

disturbance(ディスターバンス)は「騒ぎ・騒乱・混乱させること」という意味を持つ名詞です。基本、大規模ではなく、静けさが失われ秩序が乱されるシーンで使用されます。物理的なものだけでなく、精神的な乱れも表現します。

Aさん
I heard a loud disturbance outside, and so I lost my concentration to English study.
訳)外から大きな騒音が聞こえてきて、英語の勉強に集中できなくなってしまいました。

disorder

disorderは「無秩序・乱れ」を意味します。sleep disorderで睡眠障害を言うなど、疾病に関しても使用されます。

Aさん
The unexpected trouble with IT disordered the entire conference.
訳)予期せぬITトラブルによって、会議全体が混乱しました。

anarchy

日本語でアナーキーと使われるのが英語anarchyです。anarchyには「無政府状態・混乱」の意味があり、政府が機能していない、社会が不安定で混乱した状態を表します。

Aさん
We must try to avoid anarchy and chaos.
訳)私たちは、無政府状態と混乱を避けるよう努めなければなりません。

riotの使い方

最後に、riotを使った例文をいろいろ紹介します。使い方を学びましょう。

riotの使い方

まずは「暴動」に関する例文です。

Aさん
It’s a civil rights riot by citizens who are frustrated with the recent situation.
訳)これは、昨今の情勢に不満を持つ国民による公民権に関する暴動である。
Aさん
The news is broadcasting a chaotic riot in London.
訳)ニュースでは、ロンドンでの混乱した暴動が放送されています。
Aさん
A man admitted that he kicked a policeman during the riot.
訳)男は、暴動中に警官を蹴ったことを認めました。

次に「お祭り騒ぎ・賑やかにする」の例文を一つ挙げてみましょう。

Aさん
We enjoyed the riot of music on the street in Germany with a glass of wine.
訳)私たちはワインを飲みながら、ドイツの路上で音楽の賑やかさを楽しみました。

まとめ

【名詞riotの意味】
暴動・騒動・無秩序・混乱状態・反乱・一揆・お祭り騒ぎ

【動詞riotの意味】
暴動に参加する・騒ぎを起こす・賑やかにする

riotは集団として人が集まって起こす行動を表す英語です。暴力的な行為はまったく賛同できませんが、近年は平和的なやり方で意志を表現することの重要さを感じます。英語学習を継続することも、人とのコミュニケーション、異なる意見を理解するために本当に大切ですね。

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