中華料理の専門店やレストランの甘い点心として、定番の「胡麻団子」。
もっちり柔らかい独特の食感は、一度食べたらやみつきになること間違いありません。
香ばしい胡麻の風味と弾力のある生地、そして甘い餡が味わい深く、日本でもおやつやデザートとして人気です。
「胡麻団子」は、中国に起源を持つ伝統的な点心料理で、その歴史は古く、地域によってさまざまな種類があります。
今回は、甘い点心の代表格「胡麻団子」の魅力に迫りながら、歴史、種類、健康効果とともに、英語表現を紹介していきます。
「胡麻団子」とは
「胡麻団子」は、中華料理の甜点心(甘い点心)として、古くから食べられてきた伝統的な料理です。
中国語で「芝麻球(チーマーチュウ)」や「芝麻棗(チーマーザァオ)」と読みます。
(広東語では、「煎堆(チントイ)」とも呼ばれています。)
白玉粉・砂糖・水・胡麻油を混ぜた生地で餡を包み、まわりに胡麻をまぶしてから、油で揚げて作ります。
外側にたっぷりとまぶされた胡麻が香ばしく、もっちりとした弾力のある生地と甘い餡との相性は抜群です。
口に入れた途端、もちもちとした食感が口いっぱいに広がり、豊かな胡麻の風味とコクのある甘いこし餡が、なんともいえない幸福感を与えてくれます。
餡を入れずに揚げて、中を空洞のまま膨らませながら作る『功夫麻球(ゴンフーマーチュウ)』という「胡麻団子」もありますが、こちらは揚げたてのアツアツを食べるのが一番おすすめです。
「胡麻団子」の生地には砂糖が含まれているので、冷めても柔らかく、もっちりとした食感が残っています。
作ってから時間が経っても、揚げたてとはまた違った美味しさを味わえるのは、「胡麻団子」の魅力といえるでしょう。
「胡麻団子」の歴史
「胡麻団子」は、中国発祥の甘い点心料理の一つです。
起源は、中国の伝統的なお菓子「芝麻球(チーマーチュウ)」といわれています。
古代中国において、胡麻はとても貴重な食材であり、豊かな風味と栄養価の高さから、さまざまな料理に重宝されていました。
中国の歴史書や民話を読むと、胡麻の栽培に適した気候と土壌を持つ江南地方で、古くから「胡麻団子」が作られてきたと書かれています。
「胡麻団子」は、宮廷料理として貴族にも親しまれており、その高貴なイメージから、庶民にとっては特別な日のおもてなしに欠かせない料理でもありました。
創始者とされる南宋時代の詩人・蘇軾(そしょく)が作った「胡麻団子」の味は、色褪せることなく受け継がれ、現代でも愛され続けています。
「胡麻団子」の種類
「胡麻団子」は、地方によって原料や作り方などが異なり、風土や食文化などと結びついて、いろいろな種類が生まれました。
代表的な「胡麻団子」の種類を紹介します。
広東省の「胡麻団子」
広東省に由来する「胡麻団子」は、中身に甘い餡だけではなく、さまざまな具が入っています。
甘いものからしょっぱいものまでバリエーション豊富な具材を楽しめるのが特徴です。
例:豆餡、紅豆餡、八珍(牛肉、豚肉、羊肉、鹿肉、狼肉など)、果物のフィリング
浙江省の「胡麻団子」
浙江省の「胡麻団子」は、生地に花豆や青豆を練り込んで作られます。
胡麻と豆の風味が効いた「胡麻団子」は、丸型だけではなく、三角形や四角形に成形されることも多く、見た目のインパクトも魅力です。
四川省の「胡麻団子」
四川省の「胡麻団子」は、赤豆ペーストを使用しているのが特徴です。
四川料理は赤くて辛いイメージがありますが、「胡麻団子」は、辛味と甘味のバランスが取れていて、一口食べるたびに甘辛い絶妙なハーモニーが味わえます。
栄養価が高い「胡麻団子」
「胡麻団子」は、豊かな胡麻の香りにもちもちの食感と餡が味わい深く、栄養価まで高いデザートです。
「胡麻団子」には、以下の栄養素が含まれています。
- 炭水化物
- 食物繊維
- タンパク質
- 鉄
- ビタミンB,E
- カルシウム
- マグネシウム
- ナトリウム
- カリウム
- 飽和脂肪酸
良質なタンパク質を含む胡麻をふんだんに使った「胡麻団子」は、非常に栄養価が高く、健康に良い食べ物であることがわかります。
砂糖を混ぜた餡の場合は、糖分の摂りすぎに注意が必要ですが、ビタミンや食物繊維が入った健康的なデザートとしてはおすすめの一品といえるでしょう。
胡麻団子は英語で”sesame dumpling”
「胡麻団子」は、英語で”sesame dumpling”です。
”sesame”が「胡麻」、”dumpling”が「団子」を意味します。
”dumpling”は、辞書で以下のように定義されています。
a small ball of dough (flour and water mixed together) cooked and eaten with soup or meat, or a filling of fruit, meat, or vegetables covered with dough and steamed, baked, or fried
小さなボール状の生地(小麦粉と水を混ぜたもの)を調理してスープや肉と一緒に食べる、または果物、肉、野菜を生地で覆い、蒸したり、焼いたり、揚げたりしたもの
”dumpling”は、他にも以下のような食べ物に使われています。
- gyoza dumpling(餃子)
- steamed dumplings(焼売)
- soup dumpling(小籠包)
- octopus dumplings(たこ焼き)
- skewered dumplings(和菓子の団子)
中華料理の定番である餃子や焼売、小籠包など、小麦粉を練って団子状に成形したものは、”dumpling”で表現されます。
なお、お店によっては、焼売や小籠包をそのまま「shumai」や、中国語発音をローマ字表記した「xiao long bao」と呼ぶことも多いです。またたこ焼きも「takoyaki」と表記されていることも多々あります。どちらの言い方も覚えておくと良いでしょう。
”sesame dumpling”を使った例文
訳)胡麻団子は、白玉粉で作られていて、さまざまな味がある中国の伝統的な食べ物です。
訳)胡麻団子は、もちもちしていて柔らかく、中にさまざまな具が入っています。
訳)胡麻団子が大好きなので、今晩の夕食は胡麻団子を手作りしましょう。
訳)わたしたちは台湾料理店へ行くと、胡麻団子などいつも注文しすぎてしまいます。
お店で使える以下のような表現も覚えておくと便利ですよ。
訳)胡麻団子を追加で注文したいのですが。
訳)追加の胡麻団子お願いします。
まとめ
中華料理の食後にいただく甘い点心「胡麻団子」の歴史や種類、栄養価とともに英語表現を紹介しました。
「胡麻団子」は、見た目のシンプルさとは裏腹に、独特の胡麻の風味にもちもちの生地、いろいろな餡の味わいを堪能できる伝統的な点心料理です。
「胡麻団子」をより一層美味しくいただくには、中国茶と一緒に味わうのがおすすめです。
さっぱりとした中国茶とコクのある「胡麻団子」の相性は抜群で、食後のひとときをゆったりと優雅な時間にしてくれることでしょう。
果物やホイップクリームを添えたり、抹茶やココアパウダーをふりかけたりしても、美味しくいただけます。
食後のティータイムは、自分好みの「胡麻団子」にアレンジして楽しんでみてはいかがでしょうか。
おすすめ関連記事: