皆さん、カルマという言葉の意味を知っていますか?
外国人もカルマについて話すことがありますが、その場合はどのような英語になるのでしょう?
この記事ではカルマの意味を理解し、英会話で使えるようにカルマの正しい使い方を例文で紹介します。
カルマの意味
カルマはヒンズー教や仏教における法則です。その法則は人生にも影響するようなものでありながら、しかし信じる人、信じない人がいます。
さっそく、カルマの意味からみていきましょう。
カルマはヒンディー語「因果応報」
「ナマステ」と言えば、ヒンディー語でこんにちはの意味です。インドの言語はヒンディー語をはじめ様々ですが、カルマもヒンディー語であり「因果応報」を意味します。
因果応報(いんがおうほう)とは、以下になります。
【過去や前世の行為の善悪によって現在の幸せ・不幸せの報いがある。また、現在の行為に応じて未来の果報が生ずる】
果報と言えば「果報は寝て待て」ということわざがあります。焦らずに幸運が来る時期を待てという意味ですが、ただ寝ているだけでいいということではなく、努力をした上で良い結果を待つことを促しているのです。幸せ者を果報者なんても呼びますね。
カルマの意味
さて、カルマを一言で表すのは難しいですが「行為」や「個々の行動がその結果をもたらす、という因果応報の法則」のように語られます。
例えば、自分が今苦しかったり厳しい局面にいるのは前世や今世の悪行を受けてのことであるといった考え方です。逆に、良いことをすればより良い将来・来世を招くという考えであり、カルマ(愛)、ダルマ(法)そしてアルタ(富)を求めることが人生の三大目的と言われます。
世界5大宗教のひとつ、ヒンドゥー教。最終的には輪廻から脱する解脱(悟りを開くこと)を目指し、解脱は人生最高の目標とされています。
※カルマやヒンドゥー教の理解は多様であり、個々の宗派や教義によって解釈が異なります。
業の意味
業(ごう)という言葉があります。
業は仏教独自の思想と深い関わりを持ちます。
業はカルマ
サンスクリット語で「行為」を意味するカルマですが、業とはこのカルマを日本語にしたものになります。
業は「ぎょう」とも読み、その場合は神業のような行ないや行為、営業のように仕事などすべきこと、という意味になります。
「ごう」と読むと仏教用語になり、人間の行為またその行為が果報をもたらす力になるという捉え方になります。これは、仏教の基本的な概念の要素になります。
魂が生まれ変わりを繰り返すとされる「輪廻転生」を考えれば、業の考えがリンクしていることが容易に想像されます。
karma
さて、ここからはカルマの英語表現に話を進めていきましょう。
カルマはkarma
カルマを英語にすると”karma”になります。カタカナの発音はカーマのようにします。
英語karmaの意味は、ここまでの説明のとおり、ヒンドゥー教や仏教におけるカルマ・業、そして宿命や因縁、善い悪い行ないに対する報いになります。
karmaの意味をわかりやすく言えば、原因があって結果が生じるのであって、今いる自分にまさにそれが現れているということになります。
カルマの意味でkarmaを使うときは不可算名詞です。
karmaの使い方
と、ここまで解説してきましたが、karmaの使い方ってどうなんだろう?なんだか難しそうと思われたかもしれませんね。
karmaの基本的な使い方は以下になります。
good karma – 善い行ないに対する報い
bad karma – 悪い行ないに対する罰・罰当たり
believe in karma – カルマを信じる
ここで、自分の目の前で友達が悪いことをしたとします。その友達にkarmaを使って会話をしてみましょう。
Hey, you shouldn’t do that. That’s bad karma.
訳)おい、そんなことしちゃいけないよ。それっていつか悪いことが起きるよ。
借りているものをずっと返さない、彼氏の携帯をチェックしてしまう、そのようなことをしている友達にそんなことしていると巡り巡って自分に返ってくるよ、と話している例文です。
逆に、That’s good karma.にすれば「いつか自分にいいことが起きるね」の意味になります。
続けて、karmaの例文を紹介しましょう。
I’m a big believer in karma.
訳)私はカルマを信じているんです。
I don’t believe in karma.
訳)私はカルマを信じません。
Karma’s concept is to encourage each person to seek and live a moral life.
訳)カルマのコンセプトは、一人ひとりそれぞれが道徳的な生活を求め、生きることを促すことです。
encourage=促す・奨励する・働きかける・勇気づける
seek=探し求める・見つけようとする
a moral life=道徳的な生活
その行為が自分に返ってくると思えば、善いことを心がけ、悪いことをしようとする自分を自重しようとするのが自然と思いきや、人間には5つの欲があると言われていますからそれほど単純ではないのかもしれません。
スラングのkarma
karmaの意味はスラングとしても使われていますので紹介しましょう。
実は1970年、イギリスのロックバンドThe BeatlesのメンバーであったJohn Lennonの歌に”Instant karma!”がありました。この歌から「悪いことをすれば、すぐに自分に跳ね返るという法則」の意味で、ネイティブによってスラングとして使われるようになりました。
Instantはインスタントコーヒーやインスタント食品でお馴染みの言葉ですが、すぐの・即時のといった意味があります。してはいけないことをすると、それはインスタントに自分にくる、自分に値するものとなるということです。
カルマとはスピリチュアル
目に見えない世界をスピリチュアルと言います。
スピリチュアルは様々な言葉に使われています。例えば、スピリチュアル・ケアであれば身体的な痛みと同様に癒していくことを言いますし、スピリチュアル系と言えば心霊現象や前世を信じていたり、占いにハマる人を指しますね。悩みを持っている人が、占いでカルマはわかる、なんて言われたら心が動いてしまうかもしれません。
カルマこそスピリチュアル
カルマも過去の行為が現在に現れたり、今の行ないが未来に関わってくるという見えない世界。不幸に見舞われても、その経験を通して人の痛みを感じるようになれればカルマが解消されると言われますが、それも実際に目に見えるものではないですね。
spiritual
スピリチュアルを英語にすると”spiritual”になります。
spiritualは形容詞として「精神的な・霊的な・宗教的な」や「超自然的な・心霊現象の」、名詞として「霊的なこと・もの」、the spiritualにすると「精神界」の意味です。
Karma is a spiritual belief that is all about cause and effect.
訳)カルマはスピリチュアルな信念であり、因果応報のすべてである。
cause and effect=因果応報
因果応報については、カルマはヒンディー語「因果応報」のところで説明をしていますのでご確認くださいね。
カルマを背負う
カルマを背負うという表現があります。ここでは、この意味、そして英語の表現を紹介します。
カルマを背負うとは?
カルマ(または業)を背負うとは、自分が過去に犯した悪行の報いを抱えながら生きるという意味です。前世や今世の善いこと悪いことを背負った上で、自分が存在しているんですね。
例えば、悪口ばかり言う人がいます。周りは面白く聞いていたりしますが、どこかで悪口を言っていたことはバレるものです。すると、今度は自分が悪口を言われる立場になります。しかし、自業自得、カルマを背負って生活することになります。
このように、過去の行ないが現在に影響している状態が「カルマを背負う」です。
カルマを背負うの英語
We must live carrying our karma.
訳)私たちはカルマを背負って生きなければならない。
カルマは悪いことだけでなく、善いこともあります。あまりネガティブに捉えすぎないようにしましょう。
まとめ
「前世の報い」のように言われるカルマ、英語ではkarmaです。
過去や前世の行為の善悪によって現在の幸せ・不幸せの報いがあったり、今の行ないが未来に影響するという考えです。
ネイティブの使うスラングInstant karmaも紹介しました。
普段あまり考えることのないカルマですが、本記事をぜひご参考にしてください。