海外ドラマや洋画を観ていると、”done”という単語がよく出てきます。
中学校で基本的な英語を習った方でも「doneってどんな意味だったっけ?」と戸惑ってしまう方も多いでしょう。

”done”は、動詞”do”の過去分詞ですが、じつは、動詞以外に形容詞としての用法もあると知っていましたか?
do / did / doneと活用される”do”が 、過去分詞になると日本語でいう修飾語のように形容詞としての意味を表すようになるのです。

今回は、形容詞として使われる過去分詞”done”について、意味と頻出フレーズ、混同しやすい”finished”との違いを解説していきます。

”done”の意味

”done”の意味

”done”は、動詞”do”の過去分詞形です。
現在形 / 過去形 / 過去分詞形は、do / did / doneと活用します。

英会話でよく登場する現在完了形と受動態では、とても頻繁に出てくる単語です。
現在完了形は<have+ done>の形で、受動態では<be+ done>の形で用いられます。

”done”の発音記号は、 /dʌn/ で、カタカナにすると「ダァン」と読むのが近いといえるでしょう。
間違ってもローマ字読みで「ドーン」や「ドネ」などと発音しないように注意してくださいね。

動詞としての意味は、原型である”do”と同じなので、「する」や「行う」と訳せますが、ここでは、動詞ではない使い方に注目してみましょう。

”done”の形容詞としての意味は、辞書で以下のように定義されています。

  • it is finished, or you have finished doing, using it, etc
    終了した、またはそれをしたり使用したり、し終わった場合など
  • cooked enough to eat
    食べられるくらいに十分調理された
  • used to agree to and accept the conditions of a deal
    取引の条件に同意して受け入れるために使用される

参考:Cambridge Dictionary Longman Dictionary

”done”の形容詞としてのおもな意味は、「…が完了して」や「…が終わって」などですが、料理が「十分に調理された」、または取引が「成立した」などといった意味も表します。
さらに、口語表現では「やっと終わった」の意味合いから、「疲れ果てた」や「うんざりした」と訳される場合もあります。

”done”は、仕事や決められたタスクなどが終わったことを表現する際に用いられ、物事や動作が完了している状態を示します。
自分のことだけでなく、相手が行ったことも”done”の対象なので、日常会話でよく使われる非常に便利な単語です。

”done”を使った例文

形容詞としてはたらく過去分詞”done”を使った例文を紹介します。
「完了した」や「終わった」以外に、「…と関係が切れて」や「よく焼けた」、否定文では「ふさわしい」など、さまざまな意味を持つので、しっかり習得しておきましょう。

「完了した」「終わった」

Aさん
I’m all done with the vacuuming. Is there anything else I can do?
訳)掃除機はかけ終わったよ。ほかに何かできることはある?
Aさん
The painting is almost done; I just have one corner of the kitchen left.
訳)キッチンの一角が残っているだけだから、ペンキ塗りはもうすぐ終わるよ。

「よく焼けた」「十分に火が通った」

Aさん
As soon as the cake is done, remove it from the oven.
訳)ケーキが焼けたら、すぐにオーブンから出してね。
Aさん
These beans aren’t quite done yet.
訳)この豆はまだちゃんと火が通っていないよ。

否定文で「礼儀にかなった」「ふさわしい」

否定文の”done”は、「礼儀にかなった」「振る舞いが正しい」「行儀が良い」などといった意味を表します。
”not”で否定されるため、「行儀が悪い」「許されない」などと訳されます。

Aさん
That isn’t done here.
訳)ここではそんなふるまいは許されないよ。
Aさん
It’s not done to eat peas with a knife.
訳)豆をナイフで食べるのは行儀が悪い。

”done”の頻出フレーズ

”done”の頻出フレーズ

”done”を使った会話で頻出するフレーズを紹介します。
”do”の過去分詞なので、動詞として使われることが多いように思われますが、会話においては、形容詞としてスラングのように用いられることもあります。

”Done!”

”done” は、「完了」や「終了」を意味する定番の英語ですが、一言で”Done!”と言う場合は、相手の申し出を受け入れたり、取引に同意したりすることを示します。

Aさん
I’ll give you $25 for the chair.
椅子は25ドルでどうかな?

Bさん
Done!
決まり!

Aさん
You lead, and we’ll follow.
あなたが先に行って、わたしたちが着いていくから。

Bさん
Done!
了解!

”I’m done.”

”I’m done.”は、「やっと終わった」や「やり終えて疲れた」という意味を強調しながら伝える表現です。
仕事や勉強などのタスクをようやく終えたときや、困難・トラブルなどが解決した後、また、恋人や夫婦関係などで破局を迎えたときなどに使われます。

Aさん
Have you done your homework?
宿題は終わったの?

Bさん
I’m done.
うん終わったよ。

Aさん
I’m done with you.
あなたとの関係は終わったの。

Bさん
I’m not done.
こっちはまだ終わっていないけどね。

”Well done.”

”Well done.”は、「よくやったね」や「頑張ったね」という意味を表す表現です。

Aさん
I have done everything needed.
必要なことはすべて終えたわ。

Bさん
Well done!
頑張ったね!

ちなみに、”Well done.”には、もう一つ別の意味があります。
料理に十分火が通った状態(特に肉がよく焼けた状態)を意味する表現で、お店で調理方法を尋ねられたときに返答する場合に使います。

Aさん
How would you like your steak done?
ステーキの焼き加減はいかがですか?

Bさん
Well done, please.
よく焼いてください。

”over and done with”

”over and done with”は、「…は終わったことだ」を意味する表現です。
何もかも終わったこと、過去のことだからもう今は関係ない、といったニュアンスを含んでいます。

Aさん
The whole thing is over and done with.
訳)すべて終わったことなのだ。
Aさん
The matter is over and done with, and I have nothing more to say.
訳)この件は終わったことだし、もう何も言うことはない。

”done”と”finished”の違い

「完了」や「終了」を示す”done”と似た意味を持つ単語といえば、”finished”が思い浮かぶのではないでしょうか。
”done”と”finished”どちらも、何かが終わったことを表しますが、文脈や状況によって含まれる意味合いが異なります。

”done”と”finished”の違い

done 自分の(相手の)仕事、タスク、宿題などが完了したとき
finished 目的に向かって進めていたすべての作業が完了したとき

”done”は、仕事や宿題など、自分に任されていた物事が終わった状態を表すのに対し、”finished”は、目標に向かって進めてきた作業がすべて完了した状態を意味します。

”done”の方がややカジュアルな表現で、「苦労してやっと終わった」「もううんざりだ」のような気持ちが込められているイメージです。

まとめ

過去分詞の”done”について、形容詞の意味と頻出フレーズ、混同しやすい”finished”との違いを解説しました。
”done”は、動詞”do”の過去分詞で、動詞として現在完了形や受動態で用いられるほか、形容詞として「…が終わった」「…が完了した」という意味を表す単語です。

形容詞の”done”には、「やっと終わった」「終えるまで大変だった」といったニュアンスが含まれており、物事や状況の完了や関係性の終結などを示します。

”Done!”や”I’m done.”は、日常会話で非常によく使われる表現なので、覚えておくと便利ですよ。

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