「横たわる」や「横になる」を意味する英単語は「Lie(ライ)」を使います。
ソファやベッドに横になって休むときに使われる言葉ですね。
ややこしいことに、「Lie(ライ)」には同じ綴り同じ発音で、「Lie(ライ)=嘘をつく」という英単語もあります。
また「横になる」の他に、「横たえる(横にさせる)」を意味する英語の「Lay(レイ)」もありますから、正しく使い分けるのは難しいですよね。
そこでこの記事では、ややこしすぎる「横たわる」に関わるLieやLayについて、一つずつ例文付きで紹介します。
例文付きで紹介することで、実際の英文に触れて英語の意味を体感でき、丸暗記に頼らない学びが期待出来るからです。
この記事を読み終わる頃には、「横になる」や「横たえる」、「嘘をつく」のLieやLayを、混乱せずに正しく使えるだけの知識が身についているのでぜひ最後まで読んでください。
「横になる」を意味する英語表現
「横になる」を英語で言うと「Lie」や「Lie down」と表現することができます。
Lieは「横たわる」を意味する英語表現で、人や動物などを主語にすると「横になる」や、転じて「休む」の意味で使われることもあります。
自発的に横たわることから、日本語の「横になる」を表現するわけですね。
例文↓
- After a long day at work, she likes to lie down on the couch and relax.
長い仕事の一日を終えると、彼女はソファに横になってリラックスします。 - When you feel tired, it’s a good idea to lie down for a few minutes and recharge.
疲れたと感じたら、数分だけ横になって改めて身体を元気にするのが良いでしょう。 - The doctor advised him to lie down and rest to recover from the flu.
医者は彼に、インフルエンザから回復するために横になって休むように勧めました。
「横たえる」と「横たわる」は英語で使い分ける必要がある?
上述した「横になる」を表す「Lie」の他に、「横たえる」を意味する英語の「Lay」もあります。
日本語訳だけ見てみると、LieもLayも同じに見えますが、英語として実際に使ってみると違いがよくわかります。
例文↓
- She lies in the hammock, enjoying the gentle sway of the breeze.
彼女はハンモックに横たわり、そよ風の穏やかな揺れを楽しんでいます。 - She lays a sheet on the grass, creating a comfortable spot for a picnic.
彼女はシーツを芝生に敷いて、ピクニックのための快適な空間づくりをしています。
↑Lieを使った1.の例文では、主語である「彼女」がハンモックに横たわっています。
対してLayを使った2.の例文では、主語である「彼女」は「シーツ」を敷いて(横たえて)います。主語である彼女はシーツの上に横になってはいないんですね。
このようにLieとLayには、主語が「横たわる」のか、主語が「何かを横たえる」のかという大きな違いがあると言えます。
英語を読む時、または英語を書いたり話したりする時に、混同しないよう注意が必要なわけですね。
「横になる」も「Lay」が使われることがある?
前項で、「LieとLayは、意味は似てるが文章での使われ方が違う」とお伝えしました。
しかしややこしいことに、英語で書かれた文章を見ていると、「横になる」の意味で「Lay」が使われているのを見かけることもあります。
例文↓
- Last night, after a tiring day, she lay down on her comfortable bed and fell asleep quickly.
昨夜は一日大変だったので、彼女はふかふかのベッドに横になってすぐに眠りに落ちました。 - During the break, he lay down on the grass to enjoy the warmth of the sun on his face.
彼は休憩中、芝生に横になって太陽の暖かさを顔に感じました。 - After the long hike, they all lay down under the shade of the trees to rest and recover.
長いハイキングの後、彼らは皆、木陰に横になって休憩して体力を回復させました。
↑の例文のように「横になる」の意味で「Lay」が使われている時は、書いている人が間違えているわけではなく、「Lie」が過去形になると「Lay」になるからです。
「横になる」の動詞活用 | |||
意味 | 原形 | 過去形 | 過去分詞形 |
横になる | Lie | Lay | Lain |
なのでLieやLayを見かけた時は、文章での使われ方(主語が横たわっているのか、それとも主語が何かを横たえているのか)と、文章の時系列(過去か現在か)を意識する必要があります。
「LieとLayは意味を区別する必要があるのに、Lieが過去形になるとLayになる」というのも、LieとLayをややこしくしている一因だと言えますね。
「嘘」と「横たわる」は英語の綴りが一緒?
「『横になる』は英語でLieと言う」ことは前述しました。
「横になる」を意味する「Lie」と同じ綴りで「嘘」や「嘘をつく」を意味する「Lie」もあります。
例文↓
- It’s never a good idea to lie on your resume; honesty is key in professional relationships.
履歴書で嘘をつくのは得策ではありません。職場の関係では誠実さが大切です。 - She decided to lie about her whereabouts to avoid revealing the surprise party location.
彼女はサプライズパーティーの場所を明かさないように、自分の居場所を隠す(嘘をつく)ことにしました。 - He could not bring himself to lie to his friend, so he chose to tell the inconvenient truth.
彼は友達に嘘をつくことができず、不都合な真実を話すことにしました。
ややこしいことに、この「Lie」は、「横になる」のLieと、「嘘をつく」のLieは、それぞれ別の英単語なんです。
例えば、「〜を意味する」と「イジワルな、ずるい」という2つの意味を、「Mean」という英単語が一緒に持っているのとは違うというわけですね。
「横になる」のLieと、「嘘をつく」のLieが別の英単語であることは、それぞれのLieを過去形と過去分詞形に変化させてみるとわかります。
「嘘」と「横になる」のLie動詞活用 | |||
意味 | 原形 | 過去形 | 過去分詞形 |
横になる | Lie | Lay | Lain |
嘘をつく | Lie | Lied | Lied |
↑の表の通り、過去形や過去分詞形になると、それぞれが別の英単語であることがわかりますよね。
このように、「綴りはLieで一緒なのに、意味と動詞活用が別モノ」という点も、「Lie」という英単語のややこしさに拍車をかけています。
ややこしい「横たわる」に似た英語の活用
前項では、「綴りはLieで一緒なのに、意味と動詞活用が別モノ」という点も、「Lie」という英単語のややこしさに拍車をかけていることをお伝えしましたね。
そんなややこしい2つの「Lie」と、「Lay」の動詞活用を表にまとめました。
「横になる」「横たえる」「嘘をつく」の動詞活用 | |||
意味 | 原形 | 過去形 | 過去分詞形 |
横になる | Lie | Lay | Lain |
横たえる | Lay | Laid | Laid |
嘘をつく | Lie | Lied | Lied |
表で見てそれぞれの活用を視覚的に頭に入れることで、意味と綴り、そして活用を適切に使い分けるのに役立ちます。
英文を読んでいる時や、英会話で「Lie」や「Lay」が登場する場面で、頭の中で↑の表を思い浮かぶとグッと楽になりますよ。
ぜひお役立てください。
まとめ
この記事では、ややこしすぎる「横たわる」に関わるLieやLayについて例文付きで紹介しました。
ここまでお読みのあなたは、「横になる」や「横たえる」、「嘘をつく」のLieやLayを、混乱せずに正しく使えるだけの知識が身についているでしょう。
この記事でお伝えした内容が、あなたの英語表現をより豊かにできれば幸いです。