日常会話において、「わざと」という表現を使うことがありますよね。

「わざとしたわけではない」と誤解を解いたり、「わざと興味がないふりをする」と言ったり、さまざまなシチュエーションに使われる言葉です。

「わざと」は一言でさまざまなニュアンスを表現できますが、英語の場合はシーンによって表現を使い分ける必要があります。

そこで今回は、「わざと」の英語表現について解説します。ぜひ最後までご覧ください。

「わざと」は英語で?基本表現4選

「わざと」は英語で?基本表現4選

英語で「わざと」を表現する際、主に4つの単語、言い回しがあります。

どの表現も意味はほとんど同じですが、フォーマルなシーンか、カジュアルなシーンかなどで表現が使い分けられています。

on purpose / purposely

日本語の「わざと」の意味に最も近い表現が「on purpose」「purposely」です。最も一般的なので、とりあえずこちらは覚えておきたい表現といえるでしょう。

purposeは「目的」「意図」という意味の名詞なので、「on(の上)+purpose(目的)」=「目的の上で」→「わざと」となります。

また、purposelyという単語を使っても同様の意味を表現できます。

purposelyは「pur-:前に」「pose:置く」「-ly:のように」が組み合わせられてできている単語で、「前に置くように→目の前(目的)があるように」となって「わざと」「故意に」という意味になります。

語原を知っておくと、覚えやすくなるのでチェックしておくのがポイントです。

このように「on purpose」「purposely」が同じ「わざと」という意味ですが、文章のどこに置くかが異なります。

【「on purpose」「purposely」の使い分け方】
・on purpose:文末に置く
・purposely:主語の後に置く

Aさん
He made a mistake on purpose.
彼は故意に間違えました。
Aさん
He purposely didn’t say anything.
彼はわざと何も言いませんでした。

deliberately

deliberatelyはフォーマルな印象のある表現で、「わざと」「故意に」という意味のほか、「計画的に」「慎重に」という意味があります。

そのため、deliberatelyを使って「わざと」と表現する場合は、熟考してやったこと、前々から計画して行ったことに使うのがポイントです。パッと思いついて行動したことには使ません。

Aさん
He deliberately exposed me to danger.
彼はわざとわたしを危険にさらしました。

この文章も、慎重に計画して行われた“わざと”というニュアンスが伝わります。

Aさん
My teacher deliberately called me out in front of everyone.
先生はわざとみんなの前に出てくるようにわたしを呼びました。

intentionally

intentionallyは「意図的に」という意味がある副詞で、かなりフォーマルな印象があります。そのため、口語表現ではなく、書き言葉として使われることが多いです。

また、「intend to do〜」で「~するつもりです」という意味になります。

Aさん
My mother intentionally stood in front of me.
母は意図的にわたしの前に立ちました。
Aさん
The gang broke the window intentionally.
暴力団は意図的に窓を割りました。
Aさん
I didn’t intend to go there.
わたしはそこに行くつもりはないです。

I didn’t mean it

「わざと」という表現は、肯定的な意味で使うこともあれば、「わざとしたわけでない」と否定することもありますね。

とくに相手に誤解されているような状況では、きちんと説明して「わざとではない」と伝える必要があります。

ここまで紹介した単語やフレーズを否定文にして表現することもできますが、「I didn’t mean it.」は覚えておくと便利な表現です。

Aさん
I didn’t mean it.
そんなつもりではなかったんだ。
Aさん
I didn’t mean it like that.
そんな意味で言ったのではありません。

meanは「意味する」という意味ですが、「つもりで言う」「意図する」という意味もあるので、「I didn’t mean it.」は「つもりではなかった」というのを表現できるのです。

人とコミュニケーションを取ったり、話したりすると、意図せず思い違いが発生することもあります。そのような場合はきちんと否定することで良好な関係を保てるので、きちんと考えや思いを伝えるようにしましょう。

そのほかの「わざと」の英語表現

そのほかの「わざと」の英語表現

ここまで「わざと」の基本表現を解説しましたが、そのほかの表現や言い回しもあります。

conscious

consciousは「~を意識して」「~に気づいて」という意味の形容詞です。

自覚して行ったことに対して使う表現ですが、「わざと」よりも「気づいているうえで〇〇する」というシチュエーションで使われる表現です。

Aさん
He was conscious that he was annoying his sister.
彼は意識的に姉をイライラさせていました。

また、「self-conscious」は「自覚する」「気にする」という意味になります。

Aさん
He’s self-conscious about the fact that He is fat.
彼は太っていることを自覚しています。

knowing that ~

「knowing that~」は「~だと知りながら」という意味があります。「knowing that S + V」を覚えておくようにしましょう。

Aさん
I am asking you knowing that it is impossible.
わたしは不可能であることを知りながらあなたにお願いしています。
Aさん
Knowing that alcohol is like poison, I can’t stop drinking!
アルコールは毒のようなものだと知りながら、わたしはお酒を飲むことがやめられません。

このように、「knowing that~」は文中、文頭のどちらでも使えるのがポイントです。

even though

「わざと」とは少し意味が異なりますが、「even though」は「知っているにもかかわらず」「~であるのに」「~だが」という意味があります。

Aさん
So even though he likes her, he always bullies her?
彼は彼女のことが好きなのにもかかわらず、いじめるのですか?

まとめ

今回は「わざと」の英語表現を解説しました。

日本語では「わざと」という言葉でさまざまなニュアンスを表現できますが、英語の場合はシーンに応じて表現が使い分けられています。最も一般的なのは「on purpose」「purposely」なので、まずは基本の表現から覚えてみてください。

【「on purpose」「purposely」の使い分け方】
・on purpose:文末に置く
・purposely:主語の後に置く

また、「わざとではない」と伝えるときは、「I didn’t mean it.」を使ってみてください。

ぜひ今回の記事を参考に、「わざと」の英語を会話で活用してみてください。