そのままの状態でおさえてとどめておくことを保留と言います。
ビジネスで使われるペンディングという言葉もありますし、告白した相手にその場で返事がもらえずに保留にされたというシーンもあります。

このような保留状態を英語ではどういうか、それぞれの場面で正しい表現を使えますか?

この記事は、英語「保留」に当たる英語表現を紹介します。ぜひ、最後までお読みくださいね。

ペンディングとは

日本語でもペンティングと言うことがありますが、英語にすると「pending」になります。pendは未決定・未解決のままであることを意味する動詞で、pendingになると形容詞「(問題などが)未解決の・決着のつかない」と宙ぶらりんの状態になっていることを表します。また、訴訟で係争中のときにもpendingが使われます。

pendingの使い方と例文

pendingを辞書で調べると「not yet decided, confirmed, or finished」となっています。まだ決まっていない、確認または完了していないということですね。決まっていない状態ではあるものの、実現されようとしている、または実現することを待っているときにpendingが使われます。
pendingという単語を使うときのポイントですが、保留している物事は割と近い将来に発生する可能性を高く持っているというところです。

例文で使い方を確認してみましょう。

Aさん
Do you know how long my credit card charge to be pending?
訳)私のクレジットカードへの請求がいつまで保留にされるか分かる?

カードについてなにか問題が起こったようですが、数日以内に問題解決になる可能性があるためpendingを使っています。

Aさん
The woman has a lawsuit pending with the Nagoya district court.
訳)その女性は名古屋地裁に訴訟を起こしています。

lawsuitは訴訟、lawsuit pendingで係争中になります。

Aさん
A decision on this matter is pending.
訳)この件に関する決定は保留中です。

現時点で決定がされていないものの、近い将来状況が動く可能性があるのでpendingが使われています。

「suspend」の意味は?

「suspend」の意味は?

次は「suspend」に注目してみましょう。suspendには、保留する以外に「一時的に止める・一時停止する・一時中断する・延期する」という意味があります。一時的に保留にする意味合いではあるものの、pendingのように物事が動く可能性が高いことに比べ、suspendは一時的または永続的に何かが停止するときに使われます。

また、suspendはよくニュースにも使われる単語です。この場合「停職処分にする」という意味で用いられることがよくあります。He was suspended as an MP for five days in March.(同氏は3月に5日間の議員職停職処分を受けた)という感じで使います。

suspendの使い方と例文

suspend =「to cause to stop, to bring to a stop, or to postpone」です。
延期(postpone)が含まれるものの、中断、終わったものと考えるほうがsuspendを表します。
では、具体的にsuspendを例文でみていきます。

Aさん
The football match had to be suspended because of an earthquake.
訳)フットボールの試合は地震のために中断しなければならなかった。

大きな地震があり、余震を含め安全面を考えて中断。この後に試合再開の可能性は低くなるのがsuspendを使っている点です。

Aさん
The doctor decided to suspend the operation.
訳)医師は手術の中止を決断しました。

避けられない何かの理由のため、予定されていた手術が中断、または延期されたことをsuspendによって表しています。

「一時停止」の英語表現

車の運転で一時停止をすることがあります。また、YoutubeやSpotifyなどで観たり聴いているものを一時的に停止して他のことをすることもあります。
この一時停止に当たる英語にはpauseという表現があります。

pause

pauseの意味は、名詞「(一時的な)中断・中止・休止」、また動詞「休止する・一時停止させる」になります。日本語でもポーズという言葉が浸透しているのではないでしょうか?ちなみに写真を撮るときにとるポーズですが、一旦止まっての撮影なのでこれもpause?と思うかもしれませんがposeのほうになります。

Aさん
I paused the film as I wanted to get a coffee.
訳)コーヒーを淹れたかったので映画を一時停止した。
Aさん
There was a brief pause in the conversation with my husband.
訳)夫との会話に短い中断があった。

どちらの例文も一時的なストップなので、この後映画に戻ったり、会話がリスタートします。

「ステイでお願いします」の英語フレーズ

ステイというと英語stayを考える人は多いでしょう。stayはある状態が継続することだったり、皆さんにお馴染みのホテルなどに滞在するというときに使う単語です。

stayの使い方

病院のベッドに横になっているときに「しばらくそのままでいてください」と言われたり、日本では犬に動かないように言うとき「ステイ」と言うかもしれません。このように、ステイを留まるという意味で使うことがあります。

Aさん
My boss asked that all of the documents have to stay on the meeting table.
訳)上司はすべての書類を会議テーブルの上から動かさないよう求めました。

人や動物だけでなく、留まる対象のものも主語になります。この例文ではすべての書類がそれに当たります。

stillの使い方

例えば、子どもに立ったまま動かないでと言うときには何と言うでしょう。これはstay there.やdon’t moveなどを思いつく人もいるかもしれません。
こんなとき、ネイティブはstillを使います。stillには「じっとして・動かないで・静止して」という意味があります。
立ったままでいて欲しいときには「stand still(じっと立ってて)」、座ってて欲しい場面では「sit still(じっと座ってて)」です。

stayとともに、stillも日常会話で使える表現ですのでぜひこの機会に覚えませんか?

「保留」の英語をビジネスで使うとき

「保留」の英語をビジネスで使うとき

契約が先に延ばされたとき、電話で保留ボタンを押す前に少し待って欲しいと言うとき、ビジネスシーンでも保留という言葉がよく使われます。

defer

defer(デファー)には「(実行・決定などを)保留する。伸ばす・延期する・先送りする」や「(実行・決定などが)延びる」という意味があります。
クライアントの都合で進行が保留になることなどあるものです。進行形や過去形にする際はdeferring/deferredとrrになりますので注意しましょう。

Aさん
My client deferred the payment.
訳)クライアントは支払いを保留にしました。
Aさん
Let us defer to make a decision until next Wednesday.
訳)来週の水曜日まで、決定を先送りさせてください。

put on hold

ビスネス英語で、電話でのやりとりが必須です。このときに出てくる慣用句put (someone) on holdは電話をいったん保留にするという意味で日本語の「少々お待ちください」に当たります。その後に、担当者に繋いでいきます。

Aさん
Could I put you on hold for a moment? I’ll put you through to customer service.
訳)少々お待ちいただけますか?カスタマーサービスにお繋ぎします。

まとめ

保留と一言で言ってもpendingやsuspendなどがあり、それぞれの持つ意味を理解した上で正しい使い方をしたいものです。ビジネス英語だけでなく、何かを一旦停止したり中断することがあります。この機会に「保留」や「一時停止」の英語表現を使えるようにしましょう。