常にポジティブなニュアンスで使われ、「繁栄する」や「成長する」などを意味する言葉がthriveです。
しかし、thriveの使い方となるとよく分からないな、という人は多いのではないでしょうか?

そこで記事では、英語thriveを取りあげ、意味、正しい使い方などを解説します。ネイティブの使うスラングも紹介しましょう。

「栄えている」の英語

「栄えている」の英語

日本語に「栄えている」または言い換えして「繁栄する」という言葉があります。これらは豊かに発展することであり、例えばロンドンであれば、テムズ川を中心に街が栄えているという言い方もできますね。そんなときに使えるthriveを紹介しましょう。

thrive

thriveはカタカナの発音でスライヴのようにします。日本人が苦手とする発音のひとつであるthは舌先を上前歯に軽く触れさせて発音してください。
そして、動詞の活用でイギリス英語では動詞thriveの過去形および過去分詞thrived、しかしアメリカ英語になると、過去形throve、過去分詞thrivenとイレギュラーになります。

動詞thriveで「栄えている」

それでは「栄えている」と言いたいときの英語を例文でみてみましょう。

Aさん
The right to thrive is the ongoing commitment to celebrate and protect the diversity in London.
訳)繁栄する権利は、ロンドンの多様性を祝福し、保護するための継続的なコミットメントだ。

ロンドンは世界でもっとも国際的な都市の一つ、イギリスの経済、交通、文化の中心地であり繁栄し続けることに挑戦しています。

Aさん
A business can’t thrive without investment.
訳)投資なくして、ビジネスが成功することはない。

ビジネスの世界における繁栄、成功、好調といった表現にもthriveが使われます。冒頭で述べたように、常にポジティブなニュアンスで使用されるのがthriveということが分かりますね。

「成長する」の英語

thriveは子どもや植物が育つときにも使われる言葉です。では、身近なものにthriveがどう使用されるか紹介します。

動詞thriveで「成長する」

皆さんはご家族に子供がいたり、部屋に観葉植物を置いていますか?
thriveで人や植物など生物が「育つ」「成長する」を表現します。

Aさん
Children thrive with fresh air, good food and plenty of sleep.
訳)子どもたちは新鮮な空気、良い食事、そして十分な睡眠で元気に育ちます。

例文のように、子どもたちが健康で元気に成長することをthriveが表現しています。ここでも、thriveが常にポジティブなニュアンスであることが分かります。

Aさん
Flowers will not thrive without sunshine.
訳)日光がなければ花は育ちません。

thriveは花木、植物の成長によく使われる英語です。緑のものやガーデニング好きな人はthriveを使えるようにすることをおすすめします。

thriving – 形容詞

次に、thriveの関連用語である形容詞thrivingについて紹介します。

形容詞thrivingの意味と使い方

thrivingには「繁栄している◯◯」「盛況な◯◯」「繁盛している◯◯」といった意味があり、特にビジネス・産業・経済や国に対して使用されることが多くなります。

Aさん
Dubai in the United Arab Emirates is a thriving region.
訳)アラブ首長国連邦のドバイは繁栄している地域だ。
Aさん
Japan doesn’t have a thriving economy anymore.
訳)日本にはもはや繁栄した経済はない。

flourishとthriveの違い

ところで、thriveの類語にflourishという単語があります。これらの違いに注目してみましょう。

flourishとthriveの違いとは?

thrive同様「繁栄する・栄える」や「活躍する・頭角を表す」といった意味を持つflourish。2つの単語の違いは以下になります。
flourishは動詞だけでなく名詞としても使用できる。
thriveは動詞のみである。

Aさん
The dance performance ended with a flourish.
訳)そのダンスパフォーマンスは盛況のうちに終わった。

この例文がflourishを名詞として使ったものになります。また、flourishは思想、学問や文化が栄えることにも使われる表現です。

成長の英語 – スラング

さて、「成長」を意味する言葉は他にもあり、ここではスラング表現を紹介します。

glow up

成長するという表現で代表的なものがgrow upです。しかし、ネイティブはあえてglow(輝く)を使ってglow upとし、個人の大きな変化をポジティブに表します。LとRのどちらかを発音したり聞き取りする事になり、日本人には少し理解が難しいかもしれません。ちなみに、対義語にglow downがあります。

Aさん
She glowed up and I didn’t recognise her at first.
訳)彼女ったら素敵に成長していて、私はすぐに彼女って分からなかったの。

thrive on

熟語thrive onにすると「逆境を肥やしにして成長する」という意味になります。

Aさん
Some people thrive on hard work.
訳)一生懸命働くことで成長する人がいる。

逆境に強いとは打たれ強いことであり、他人にとっては困難であっても、それを機会にして成功したり成長するといったニュアンスで使います。

thriving – スラング

thriving - スラング

thrivingをスラングにすると、多くのことを達成したり、人気が出たり、またはお金をたくさん稼いだりするという意味になります。

thriving

ここで、thrivingの意味を例文で紹介しましょう。

Aさん
I think she is thriving. She has a cupcake business and it has been successful.
訳)彼女はビジネスで成功していると思う。カップケーキの事業をしていて繁盛しているよ。
Aさん
Have a thriving and happy new year.
訳)ご発展と幸せな新年をお迎えください。

新年の挨拶にthrivingが使われたこのような定番フレーズもあります。ここでもthrivingがポジティブに使われることが分かりますね。

thriveとprosperの違い

前向きな意味を多く持つthriveを紹介してきました。ここで、同様にポジティブな単語prosperとの比較をしてみましょう。

thriveとprosperの違い

動詞prosperには、事業が「成功する」や「力強く成長する・繁栄する」の意味があります。何かをachieve(獲得する・勝ち取る)するニュアンスです。

さて、2つの単語の違いは以下になります。

thriveは繁栄する、成長するという意味をビジネスだけでなく人や植物にも使用できる。
prosperは通常生物には使用しない。

ぜひ、flourishと合わせてthriveやprosperなど「繁栄・成長」の英語を使い分けできるようにしましょう。

まとめ

thriveを覚えると「繁栄する」や「成長する」などポジティブなニュアンスを会話で伝えることができます。
何かで勢いがあったり成功しているときだけでなく、子ども、ポトスやモンステラといった観葉植物など身近なものがすくすく育っているときにもthriveを使ってみましょう。