突然ですが “grab a coffee”、これはネイティブがよく言うフレーズなのですが、皆さんはこの意味を知っていますか?

この記事では、教科書では学ぶことがない英語grabを使ったスラングや表現を例文たっぷりで紹介します。生きた英語を学びましょう。

grabの意味

grabの意味

まず、grab自体にどのような意味があるのか紹介します。カタカナ語の発音はグラブのようにしましょう。

動詞grabで「つかむ」

Cambridge dictionaryでgrabを調べてみると、次の説明がされています。

Aさん
to take hold of something or someone suddenly and roughly.
訳)突然、大ざっぱに何か、または誰かをつかむこと。
Aさん
to take the opportunity to get, use, or enjoy something quickly.
訳)何かをすぐ手に入れたり、使用したり、楽しんだりする機会を得ること。

どちらの定義も、何かを掴む、チャンスなどを掴み取って自分のもにすることを指しています。これが動詞grabのメインの意味になります。

これらの意味はgrabの語源が「つかむ」という意味の古英語に由来していることからも分かります。
grabは動詞として使用されることが多い単語ですが、名詞として「ひったくり・強盗」や「ものを掴む装置」という意味も持ちます。

引用:Cambridge dictionary “grab”

grabの使い方

grabにはメインとして「掴む」の意味があることを解説しました。まず、この使い方を例文で紹介し、その後にそれ以外の意味の例を挙げていきましょう。
grabの動詞活用は、grab-grabbed-grabbedです。

「つかむ」「つかみ取る」の例文

grabはフィジカルなものをつかむことから得る、取るという意味であったり、そして人の注意をひくというニュアンスでも使われる単語です。

Aさん
Can you grab my coat from the living room?
訳)リビングルームからコートを取ってもらえる?

頼まれた人が、コートを大ざっぱに掴んで取ってくるというイメージです。

Aさん
He grabbed the chance of an job interview.
訳)彼は、面接のチャンスをつかみました。
Aさん
I just want to grab my mum’s attention.
訳)ちょっとお母さんの注意を引きたいんだけど。
Aさん
I asked my husband to grab a seat while I was ordering the drinks.
訳)飲み物を注文している間、夫に席をとるように頼みました。

grab a seatもネイティブがよく使うフレーズです。特に、カフェや気軽に行くようなレストランで使うカジュアルな表現です。

その他のgrabの意味

「つかむ」以外で動詞grabの意味としては、以下も挙がります。意外に色々な意味で使われており、これらはgetに置き換えることができます。

素早く手に入れる
素早く食べる
素早く飲む
ひったくる
逮捕する・捕まえる

Aさん
I have no much time for lunch, maybe just enough time to grab something from the convenience store.
訳)ランチの時間があまりなくて、コンビニで何か買うくらいの時間ならあるかもしれないな。

この例文はgrabの「素早く手に入れる」という意味をコンビニでささっと何か買うという訳で使用しています。そういう意味では、「早く軽く食べる」という意味のgrab a biteにも置き換えられます。

Aさん
A policeman chased and grabbed the woman.
訳)警官が女性を追いかけて捕まえました。

ここまで、grabは人でも物でも、そして人の注意やチャンスまで、様々なものを掴むカジュアルな表現であることが分かりました。

grabの意味 – スラング

ネイティブによく使われるgrabはスラングの意味も持っています。さて、日常会話でどんな使われ方をするのでしょう?

スラングgrabで「影響を与える」

何かによって影響、または興味や興奮を与えたかをスラングgrabが表すことがあります。

Aさん
How did my presentation grab you?
訳)私のプレゼンはあなたにどんな印象を与えましたか?

プレゼンが主語であり、それが人にとってどう影響を与えたかというニュアンスになります。
grabはネイティブの会話でよく使われ、特にスラングという受け取り方でなくても日常的なやり取りで使用されるという捉え方ができます。

grab a drinkの意味

ここで紹介するのはgrab a drinkというフレーズです。ここまでお読みになってきた皆さんにはお分かりかもしれませんね。

grab a drinkで「何か飲む」

grab a drinkはget a drinkと同じで「何か飲み物を飲む」ときに使う表現です。

Aさん
I’m so thirsty, shall we grab a drink?
訳)すごく喉が渇いた、飲み物を飲もうか?

grab a drinkで「飲みに行く」

grab a drinkはもう一つの意味で「飲みに行く」としても使われます。ちょっと一杯軽くやる的なニュアンスです。

Aさん
He wanted to know if I can grab a drink after work.
訳)彼は、仕事の後、私が飲みに行けるか知りたかったんです。

let’s grabの意味

次は、let’s grabという表現をみていきます。例文でlet’s grabの使い方を紹介します。

let’s grabの使い方

let’sは「~しましょう」という意味で、let’s go/let’s eatといった形でよく使われます。grabは掴む・取るという意味から後に続くもの(something)を得ることを提案するニュアンスになります。

Aさん
Let’s grab the sunscreen before we leave.
訳)出かける前に日焼け止めを持って行こう。
Aさん
Let’s grab a taxi instead of taking the train.
訳)電車の代わりにタクシーに乗りましょう。

grab a coffeeの意味

grab a coffeeの意味

冒頭でも登場したgrab a coffeeというフレーズ。カフェやコーヒー好きのネイティブたちが日常的に使っています。

grab a coffeeで「コーヒーを買う」

I’m going to grab a coffee before work.と言えば、仕事の前にコーヒーを素早く買いに行く、という意味で使われます。そこで以下のような会話があります。

Aさん
I’m going to grab a coffee before work.
訳)仕事前にコーヒー買ってくるわ。
Bさん
Oh, can you grab one for me too please?
訳)あ、私にも一杯買ってきてくれるかな?
Aさん
Sure.
訳)もちろん。

そして「コーヒーを一緒に飲みに行く」こともgrab a coffeeで表現することができます。

Aさん
Would you like to grab a coffee?
訳)コーヒーでも飲まない?

このように、コーヒー好きのネイティブたちが日常的にgrab a coffeeを使うのです。grab some coffeeとする場合もあります。

go grabの意味

続けてgo grabです。go grab someoneの形で紹介します。
grabは「呼ぶ・来るように言う」の意味を持つcallに置き換えられると考えると、go grab someoneで「◯◯を連れてくる・呼ぶ」という意味の理解が進みます。

go grab someoneで「◯◯を連れてくる・呼ぶ」

Aさん
Can you go grab Mark?
訳)マークを連れてきてくれる?

自分ではなく、マークを連れてこれる状態の誰かに頼んでいる例文になります。マークをつかむという直訳がマークを連れてくる、呼んでくるという意味になります。

Aさん
We need to leave now, so I’ll go and grab him or he won’t stop chatting.
訳)もう行かないといけないから彼を呼んでくるね、さもないと彼、おしゃべりやめないから。

この例文のように、go and grabの形にすることも問題ありません。

grab and goの意味

一つ上のフレーズgo grab someoneの単語の順番を変えたgrab and goもみていきましょう。スラングとも言えるカジュアルな言い方です。

grab and goで「サッと◯◯してパッと行く」

grabには「素早く食べる」「素早く飲む」「素早く手に入れる」といった意味がありましたね。grab a drinkやgrab a biteで表現できますが、食べ物や飲み物をサッと飲食して(または購入して)パッと行くような状態をgrab and goで表現します。

Aさん
Let’s grab a drink and go.
訳)サッと飲み物を買って行きましょう。
Aさん
I’ll just grab a sandwich and go to the meeting.
訳)サンドウィッチを素早く食べて会議にいきます。

ちなみに、外国にはgrab-and-go mealsというテイクアウェイ食があります。サラダやラップものなど、あらかじめ調理されてパッケージに包まれた食品で、忙しいビジネスパーソンたちにとって便利なランチになったりします。grabがうまく使われた表現でしょう。

まとめ

本記事をお読みいただいた皆さんは、ネイティブが気軽によく使う“grab a coffee”の意味がもう分かりました。getやcallを使う機会にはgrabに置き換えられるか考えてみるといいですね。
カジュアルに様々なシーンで本当によく使われますので、ぜひgrabを使いこなしていきましょう。