英語で文書作成したり、レポートを書いたりするときには、適切なタイトルと見出しをつけることで読み手に配慮された文書にすることができます。
適切なタイトルと見出しを作ることで、読み手の関心を引き、内容を理解しやすくできるからです。
この記事では、そんな英語のタイトルや見出しを作るための効果的なルールとテクニックについて解説します。
タイトルを英語で書く時のルール
英語の文書を作成する際の「タイトルの書き方」を見てみましょう。
タイトル作成の基本
英語でのタイトル作成では、シンプルでわかりやすい表現を心がけると上手くいきます。
読み手の目に留まりやすく、内容をひと目で把握できるタイトルを目指しましょう。
具体的な例を挙げてみましょう。
- “Effective Strategies for Learning English”
英語を身につけるための効果的な戦略 - “The Importance of Pronunciation in English Learning”
英語を身につけるための「発音」の重要性
1.の例文では、「英語を身につける」目的で、効果的に学ぶための「戦略」に焦点を当てた文書であることがひと目でわかります。
また2.の例文でも、英語を身につける上で「発音の大事さ」に焦点があたって文章が展開されていることがひと目でわかります。
以上のように、あなたの書いた文書には、どんな内容が書かれているか、ひと目で分かるように、工夫してタイトルをつけるのが大切です。
英語のタイトルでは、大文字と小文字を上手に使い分ける
英語の文章では、文頭の1文字目を大文字にして、続く文字は基本的に小文字(※)で書かれますよね。
(※:主語のI<私>や、Mondayなどの曜日、Januaryなどの月を表す単語やJapanなどの国を表す単語ほか、例外もあります)
ただし英語のタイトルでは、読み手の気を引いたり、ひと目で意味を理解しやすいように、大文字と小文字を上手に使い分けます。
ここで2つほど例文を見てみましょう。
- The Quick Brown Fox Jumps Over the Lazy Dog
足の早い茶色のキツネが怠け者の犬を飛び越える。(訳に意味はなく、A〜Zの文字を1回ずつ含むモデル文章です。) - A Comprehensive Guide to English Grammar
英文法のまとまったガイド
上に書いた英語のタイトルを見ると、以下のような法則で書かれていることがわかります。
- 文頭の単語だけでなく、ほとんどの単語が最初の文字を大文字で書かれている
- 特に文字数の少ない前置詞や接続詞、冠詞は小文字で書かれている
文頭の単語だけでなく、主要な英単語の最初の文字を大文字にすることで、それぞれの単語が印象に残りやすくなり、一度読んだだけで意味が頭に入りやすくなります。
また、前置詞(at, by, for, in, of, on, to, up, withなど)、接続詞(and, but, or, norなど)、冠詞(a, an, the)は小文字で始めることで、他の主要な英単語を強調する働きもしています。
ただし、前置詞は4文字以上になると、最初の文字を大文字にする場合もあります(throughやoverなど)。
headlineとtitleの違い
”headline”(見出し)と”title”(タイトル)は似ていますが、用途やニュアンスに違いがあります。
”headline”(見出し)と”title”(タイトル)との違いを理解することで、適切な場面で使い分けることができます。
title
title(タイトル)は日本語に訳すと「題名」や「主題」になります。
titleは文書や本、レポートなど「全体」を表現したり、要約して書かれます。
文書や本の表紙や背表紙に書かれるのがtitleというイメージです。
headline
headline(ヘッドライン)は日本語に訳すと「見出し」となります。
“title”(タイトル)が文書や本、レポートなど「全体」を表すことは上述しましたね。
“title”(タイトル)に対して、”headline”(ヘッドライン)は、文書や本、レポートの中で、主張したいことの根拠や理由を大まかに表現します。
例えば、「英語を身につけるための発音の重要性」というタイトルの本の中で
- なぜ英語を身につけるのに発音が不可欠なのか
- 英語の発音を身につけることであなたが得られるメリット
- 英語の発音を学ばずに留学した学生Aの末路
- 英語の発音を最も効果的に身につける勉強法3選
- あとがき
といった感じで、タイトルの主張を補強するように、細かく分けて話していきますよね。
このように文書、本、レポートの中で、細かく分けられて主張を補強していく区分を大まかに表すのが「見出し」です。
また、新聞では「〇〇新聞」がタイトルになるので、記事の内部の見出し(headline)で目を惹こうとする特徴があります。
例えば、「大統領、防衛戦略のために緊急来日」や「A会社とB会社、空前絶後の電撃合併」といった感じですね。
以上のように
- title(タイトル)=文書、本、レポート全体を表す
- headline(見出し)=文書、本、レポート内部の内容を表す
という違いがあると言えます。
英字新聞の見出しはちょっと特別?
英字新聞の見出しには独特のスタイルがあります。
英字新聞の見出しは短く、インパクトがあり、情報を迅速に伝えるためのテクニックが使われているからです。
具体的な例を挙げてみましょう。
- Market Crash Stuns Investors
市場の暴落、投資家を驚かせる - Election Results Shock Nation
選挙結果、国を驚かせる
例文を見ると、一見するとシンプルな普通の文章に見えますが、よく見ると英字新聞の特有なスタイルで書かれていることがわかります。
大文字と小文字の使い分け
「タイトルを英語で書く時のルール」の項で前述した通り、英字新聞の見出しでは各単語の最初の文字を大文字にしています。
読み手の気を引いたり、ひと目で意味を理解しやすいように、大文字と小文字を上手に使い分るわけですね。
新聞の見出しでは、「読みたい!」と思わせるために注意を引く書き方が好まれるからです。
現在形が使われる
英字新聞の見出しでは、現在形が好んで使われます。
先ほど挙げた例文を見てみましょう。
- Market Crash Stuns Investors
市場の暴落、投資家を驚かせる - Election Results Shock Nation
選挙結果、国を驚かせる
どちらの例文も、既に起きたことならば「過去形」を使って、「市場の暴落が投資家を驚かせました」や「選挙結果が国を驚かせました」という文章になるのが自然でしょう。
例文で使われている「現在形」というのは、元々は「朝起きる」などの「定期的に繰り返される行動」に使われる言葉なので、例文のように使うのは、普通は適切ではありません。
しかし英字新聞の見出しでは、「最新のニュースを伝えています」という意図から、現在形を使用してタイムリーな印象を与えます。
ニュースが「今」起こっていることを強調するために、あえて「現在形」を使うわけですね。
能動態の動詞を使う
英字新聞の見出しでは、能動態の動詞を好んで使います。
能動態の動詞を使って、アクティブでダイナミックな印象を与えるためです。
能動態の方が短く、直接的な表現になるため、読者に対するインパクトが強くなるので好んで使われるわけですね。
まとめ
この記事では、英語の文書やレポートを作る際に役立つ、タイトルと見出しの作り方を紹介しました。
ここまでお読みのあなたは、英語の見出しやタイトルの効果的な作り方を知り、読み手に配慮されたわかりやすい文書やレポートを書けるだけの知識が身についているでしょう。
この記事で紹介したルールやテクニックを活用して、英文の文書を作成する際に役立てられれば幸いです。