関係代名詞は、名詞(先行詞)に説明を加えたり、2つの文章を1つにまとめたりできる大変便利な英文法です。
関係代名詞は英会話でも使われますし、高校英語や大学受験、そしてTOEICでも問われるので、見かける人も多いでしょう。
関係代名詞には色んな用法がありますが、中でも「制限用法」と「非制限用法」という2つの使い方があり、わずかな意味やニュアンスの違いがあるので「ややこしい」と感じる人も多いです。
しかし、ご安心ください。
関係代名詞の「制限用法」と「非制限用法」は、それぞれ要点を押さえれば十分理解できますし、英語の理解度もグッと上がります。
この記事では、そんな関係代名詞の制限用法と非制限用法についてわかりやすく解説します。
関係代名詞の制限用法と非制限用法の違い
関係代名詞は、名詞(先行詞)に説明を加えるときに使う英文法でしたね。
訳)私はその木の下に立っている男を知っている
例文のアンダーラインが引いてある”who”が関係代名詞ですね。
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そんな関係代名詞には、「制限用法」と「非制限用法」があり、それぞれ意味や使い方、文の形で使い分けられます。
「制限用法」と「非制限用法」と文字で言われると「難しそう…」と感じますが、ご安心ください。
「制限用法」と「非制限用法」は、簡単に以下の違いがあることを押さえれば、関係代名詞がずっと深くわかるようになります。
- カンマ(,←この記号)の有り無し
- 使われる関係代名詞の違い
- 意味の違い
順番に見ていきましょう。
カンマの有り無し
関係代名詞の「制限用法」と「非制限用法」には、カンマ(,←この記号)をつけるか、つけないかという違いがあります。
- 制限用法→カンマを使わない
- 非制限用法→カンマを使う
文字だけでお伝えしても大変わかりづらいので、下の例文を見ながら考えてみましょう。
【例文】
- 制限用法:The students who finished the project early received a reward.
プロジェクトを早く終わらせた学生たちは、報酬を受け取りました。 - 非制限用法:The students, who finished the project early, received a reward.
学生たちはプロジェクトを早く終わらせ、報酬を受け取りました。
非制限用法(下の例文)で、studentの直後に、下の方にある”,”←この記号が「カンマ」ですね。
制限用法にはカンマを使っていないことが
非制限用法にはカンマを使っていることがわかりますね。
関係代名詞を見た時に、制限用法が使われているのか、非制限用法が使われているのかを見分けるのに、一番わかりやすい見分け方が「カンマがあるかどうか」だと言えますね。
使われる関係代名詞の違い
関係代名詞の「制限用法」と「非制限用法」には、「使える関係代名詞」にも違いがあります。
- 制限用法→どの関係代名詞も使える
- 非制限用法→Thatはカンマを用いて使えない=非制限用法では使えない
簡単に例文を見てみましょう。
【例文】
- ✕: My car, that is red, is parked outside.
私の車は、赤いものですが、外に停めてあります。 - ◯: My car, which is red, is parked outside.
私の車は、赤いものですが、外に停めてあります。
上の例文は。thatの直前にカンマが入っているので「非制限用法」として使われています。
関係代名詞のthatはカンマを用いて使われない=非制限用法では使われないので、上の例文は間違いだとわかりますね。
対して下の例文は、thatの代わりに関係代名詞のwhichを使っています。
関係代名詞whichは問題なく非制限用法で使えるので、正しい英文だと言えるわけですね。
意味の違い
関係代名詞の「制限用法」と「非制限用法」では、それぞれ意味が少しだけ違います。
もともと関係代名詞の制限用法と非制限用法は、「微妙な意味の違い」を使い分けるためにあると言って良いでしょう。
- 制限用法→先行詞を限定する
- 非制限用法→先行詞を限定しない
文字だけで見てもわからないと思いますので、例文を見てみましょう。
【例文】
- 制限用法:He has two sons who passed the bar exam.
彼には司法試験に合格した息子が2人います。 - 非制限用法:He has two sons, who passed the bar exam.
彼には息子が2人いて、2人とも司法試験に合格しています。
上の例文は「制限用法」で作られています。
制限用法では、関係代名詞who以降が説明している「司法試験に合格した」という事実を、先行詞である”two sons”(2人の息子)に限定しています。
つまり、制限用法で作られた上の例文では「他にも息子がいるかもしれない」わけですね。「司法試験に合格した息子が2人。そうでない息子が1人。」という可能性もあるわけです。
対して非制限用法は、先行詞を限定しないので、先行詞で言及した「2人の息子」以外の可能性がありません。
だから、非制限用法の日本語訳では「彼には息子が2人」と断言する言い方をしているわけですね。
【補足】関係代名詞を省略できるかどうか
カンマを使わない制限用法では、関係代名詞を省略して使う場合もあります。
- 制限用法→関係代名詞を省略できる
- 非制限用法→関係代名詞を省略できない
例文を見てみましょう。
【例文】
- The book that I bought is interesting. → The book I bought is interesting.
私が買った本は面白いです。 - The girl whom I met yesterday is my friend. → The girl I met yesterday is my friend.
昨日会った女の子は私の友達だ。
上の例文は、先行詞”book”をつなぐ関係代名詞の”that”が省略されているのがわかりますね。
下の例文も、先行詞”girl”をつなぐ関係代名詞の”whom”が省略されています。
対して、カンマを使う非制限用法は、関係代名詞を省略して使うことはありません。
【非制限用法の誤った例文】
- ✕The students, who finished the project early, received a reward.→The students, finished the project early, received a reward.
その学生たちはプロジェクトを早く終わらせ、報酬を受け取りました。
「カンマを使わない関係代名詞(制限用法)は省略できる」
「カンマを使った関係代名詞(非制限用法)は省略できない」
と覚えておきましょう。
まとめ
この記事では、関係代名詞の制限用法と非制限用法について、以下の点からお伝えしました。
- 関係代名詞の「制限用法」と「非制限用法」には、カンマの有無、使われる関係代名詞、意味に違いがある
- 「制限用法」にはカンマを使わず、「非制限用法」はカンマを使う
- カンマを使う「非制限用法」では、関係代名詞の”that”を使わないので注意が必要
- 「制限用法」では、例えば先行詞が「息子」だった場合、「他の息子」もいるかもしれない
- 「非制限用法」では、先行詞が「息子」だった場合、「他の息子」はいないという意味の違いがある
- カンマを使わない「制限用法」は、関係代名詞を省略できる
この記事でお伝えした内容が、あなたの英語の表現力をより豊かにできれば幸いです。