みなさんは、「オルタナティブ」と聞いて、何をイメージしますか?
革新的な、何か他とは違った印象を与えてくれる人やものを想像した方は多いのではないでしょうか。

おもにビジネスや投資の分野で耳にすることが多いですが、「オルタナティブ〇〇」のように名詞を修飾し、教育や音楽などの幅広いシーンで用いられています。

今回は、希望や可能性を秘めたカタカナ言葉「オルタナティブ」について、本来の英語”alternative”の意味と使い方、類義語や対義語を紹介していきます。

「オルタナティブ」の意味

「オルタナティブ」の意味

「オルタナティブ」は、英語の”alternative”を、カタカナで読んだ言葉です。
”alternative”には、「代案」や「代替物」などのほかに、「二者択一」や「取って代わる新たなもの」といった意味があります。

辞書では以下のように定義されています。

an alternative idea, plan etc is different from the one you have and can be used instead
代替案、計画などが、持っているものと異なり、代わりに使用できるもの

deliberately different from what is usual, expected, or traditional
通常のもの、予想されるもの、または伝統的なものと意図的に異なるもの

参考:Longman Dictionary

従来の様式、伝統、慣習などと異なり、新たな価値観を生み出す選択肢という意味合いがあります。

以下では、”the possibility of choice”とあることからも、可能性を意味する、代わりの選択肢を指していることがわかりますね。

something that is different from something else, especially from what is usual, and offering the possibility of choice
他のもの、特に通常のものと異なり、選択の可能性を提供するもの

参考:Cambridge Dictionary

”alternative”は、形容詞と名詞の用法によって意味が変わりますが、どちらも「代わりとなるもの」を表すコアイメージが共通しています。

「オルタナティブ」を含む関連語

カタカナ言葉の「オルタナティブ」は、ビジネスや投資、医療などの分野で特によく使われています。

ビジネスでの「オルタナティブ」

ビジネスにおける「オルタナティブ」は、「代案」や「別の選択肢」を指すことが多く、既存のもの、伝統的なものにとって代わる、新しいアイディアや価値観を表現する際に用いられます。

  • オルタナティブな働き方
  • オルタナティブの提案
  • オルタナティブエネルギー

「オルタナティブ投資」

株式や債券の売買などの伝統的な投資取引に対して、不動産取引やデリバティブ取引といった、従来にはなかった投資対象の取引の総称を「オルタナティブ投資」と呼びます。

  • デリバティブ取引
  • ヘッジファンド
  • 不動産取引

「オルタナティブ医療」

旧来の手法に取って代わる新しい医療が「オルタナティブ医療」です。
一般に行われている従来の西洋医学以外の医療行為に変わる医療のことを指しており、おもに東洋医学や自然療法を表す言葉として用いられています。

  • 鍼灸
  • 漢方薬
  • カイロプラクティック

「オルタナティブ音楽」

これまで主流とされてきたジャンルとは一線を画すような新しい音楽性を「オルタナティブ音楽」と表現します。
いわゆる大衆に売れるための音楽ではなく、自由で創造性に富んだ音楽のことを指しています。

  • オルタナティブ・ロック
  • オルタナティブ・ミュージック

 

「オルタナティブ教育」

「オルタナティブ教育」とは、伝統やこれまで主流とされてきた教育に代わって、新たな選択肢となり得る教育を意味します。
個が尊重される現代に見合った、子どもたちの主体性を重んじる教育・学習が行われているのが特徴です。

  • シュタイナー教育
  • イエナプラン教育
  • モンテッソーリ教育

”alternative”を使った例文

”alternative”を使った例文

選択肢や代わりのもの、といった意味を表す”alternative”の使い方を例文とともに紹介します。

Aさん
As they explored various alternatives, they began to coalesce around one direction for the company.
訳)さまざまな選択肢を検討するうちに、彼らは会社の方向性を一つにまとめ始めました。
Aさん
The old claim that there is no alternative has started to sound out of date.
訳)代替案がないという古い主張は、時代遅れに聞こえるようになってきました。

「代替医療」を意味す”alternative medicine”の使い方も覚えておくと良いですよ。

Aさん
Doctors these days tend to be more open-minded about alternative medicine.
訳)最近の医師は、代替医療に寛容な傾向にあります。
Aさん
Acupuncture is widely used by practitioners of alternative medicine.
訳)鍼治療は、代替医療の施術者に広く用いられています。

「〜するしかなかった」「ほかに方法はない」という意味も表現できます。

Aさん
In the absence of any better alternative, we will have to proceed with the original plan.
訳)より良い代替案がなければ、当初の計画を進めるしかありません。
Aさん
You said you don’t want to see a doctor, but I’m afraid you have no alternative.
訳)医者にはかかりたくないとおっしゃいましたが、他に方法はありません。

”alternative”の類義語と対義語

最後に、”alternative”の類義語と対義語を紹介します。

”alternative”の類義語

”alternative”は、「代わりのもの」「〜に代わる選択肢」といった意味があります。
「どちらか、またはいずれかの選択肢」を表す類義語としては、以下のような単語が挙げられます。

  • substitute …代わりに用いる、代える、代わり、代理
  • choice…選択、選ぶこと、選択の機会、二者択一
  • other…他の、別の、異なった、残りの、違った
  • different…異なった、違った、別の、変わった

”alternative”の対義語

”alternative”の反対の意味は、「既存のもの」や「代わりのきかないもの」になります。
対義語としては、「主流」や「最初」といった意味を表す以下のような単語が挙げられます。

  • original…根源の、最初の、起源の
  • conventional…社会的慣習の、型にはまった、平凡な、様式化された
  • mainstream…活動・思想などの主流、主潮、大勢の、現行の
  • major…大きいほうの、過半数の、多数の、主要な、一流の

類義語と対義語も一緒に覚えておくことで、”alternative”の意味がしっかりとインプットされますよ。

まとめ

従来の慣習や伝統、主流とは異なり、希望や可能性を示すカタカナ言葉「オルタナティブ」について、本来の英語”alternative”の意味と使い方、類義語や対義語を紹介しました。

「オルタナティブ」は、英語の”alternative”に由来したカタカナ言葉です。
”alternative”は、「代案」や「代替物」などのほかに、「二者択一の選択」や「主流な方法に取って代わる新たなもの」といった意味を表します。

カタカナの「オルタナティブ」は、使用場面や分野によって解釈が異なりますが、「代わりになるもの」というコアの意味は共通です。
”alternative”の言い換えや説明に役立ちますので、類義語と対義語も一緒に覚えておくと良いでしょう。

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