「パターン」という言葉は日本語でもよく使いますよね。そのため、今更その意味が気になる人は少ないかもしれません。

しかし、日本で使われるカタカナ英語には要注意。本来の英語とは異なる使い方がされているかもしれませんよ。

ということで、今回のテーマは「パターン」です。日本語で使うパターンと英語の pattern、どこまで一緒でどこが違うのか、詳しく確認していきます。

これを読めば、どちらの言語でも適切に「パターン」を使いこなせるようになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

「パターン」は英語で何て言う?

「パターン」は英語で何て言う?

パターンは英語だと “pattern” と綴ります。pattern が表す主な意味は「(繰り返される)柄(デザイン)」と「様式(形式)」の2つです。

それぞれ詳しく確認していきましょう。

pattern の意味①:「柄(デザイン)」

pattern の基本イメージは「繰り返される様子」です。そのため、同じ図案が繰り返されている柄やデザインのことを pattern と呼びます。

特に、洋服に施されているデザインには繰り返しの pattern になっているものが多いです。たとえば、有名は「チェック柄(check pattern)」は、白黒など色違いの正方形デザインがどんどん繰り返されていますよね。他にも以下のような種類があります。

  • leopard pattern:ヒョウ柄
  • zebra pattern:シマウマ柄
  • animal pattern:動物柄
  • border pattern:ボーダー(横縞)柄
  • stripe pattern:ストライプ(縦縞)柄
  • zig zag pattern:ジグザグ柄

ちなみに、日本では服飾デザイナーなど一部の専門的職業の人を除き、柄やデザインのことをパターンと呼ぶのは一般的ではありません。カタカナ英語のパターンからは浮かびづらい意味なので、しっかり覚えておきましょう。

Aさん
My mother always wears leopard pattern clothes.
訳)母はいつもヒョウ柄の服を着ています。

柄だけじゃない?洋服のパターン

ちなみに、洋服を作るために必要な「型紙」のことも英語では pattern と呼びます。その理由は定かではありませんが、おそらく型紙から繰り返したくさんの洋服を作ることが由来でしょう。

pattern の意味②:「様式(形式)」

pattern は、柄など見た目の繰り返しだけでなく、行動や物事が繰り返すことも表します。行動が繰り返されることは「様式」、物事が繰り返されることは「形式」と表現できます。

たとえば、一般的な結婚披露宴を想像してみてください。まず新郎新婦が入場し、主賓からの祝辞、乾杯、ケーキ入刀、諸々の出し物、なんだかんだで両親への手紙、退場。おおむねこのような流れですよね。このような出来事の一連の流れが pattern の表す「様式」です。

Aさん
Wedding receptions have similar patterns all over the world.
訳)結婚披露宴は、世界中で似たようなパターン(様式)で行われます。

また、データなどを見ていて、そこに一定の繰り返しを発見したとします。そのような繰り返される形式のことも pattern で表現することができます。言ってみれば、物事の中に柄を発見するようなものですね。

Aさん
The genius scientist found a pattern in the millions of numbers.
訳)その天才科学者は、何百万もの数字の中にあるパターン(形式)を見つけました。

これらの pattern の用法は、日本語のパターンと非常によく似ているので、あまり違和感なく使うことができるでしょう。

pattern の語源は「父」?

意外なことに、pattern の語源はラテン語で「父」を意味する “pater” だと言われています。

「父親がなぜパターン?」という感じですが、昔の人々は父から子へ代々知識や技術を受け継いでいたことから、父は「見習うべき手本」という意味だったのでしょう。手本を踏襲して繰り返すことで一定のパターンが生まれるということですね。

「種類が〇パターンある」は英語で何て言う?

「種類が〇パターンある」は英語で何て言う?

日本では「方法が2パターンある」「色が10パターンある」などと、種類のことを指してパターンを使うことがあります。

しかし、残念ながら英語の pattern にこのような用法はありません。そのため、種類を表すパターンは、完全な和製英語だということになります。

「〇パターン」は不要な言葉?

そもそも、種類を表す日本語のパターンは、あってもなくても意味が成立する言葉です。

たとえば、「方法が2パターンある」というのは「方法が2つある」と言えば伝わりますし、「色が10パターンある」に関しては「10色ある」で十分です。

そのため、「種類が〇パターンある」を敢えて日本語に訳す場合は、パターンを省いて表現すればOKです。

Aさん
There are 2 ways.
訳)方法が2つあります。
Aさん
You can choose from 10 colors.
訳)10色から選ぶことができます。

しかし、それでも日本語のパターンのニュアンスを英語で表現したい場合は、「種類」を意味する kind、type、variation などの単語を使いましょう。日本語のパターンに当たる部分をこれらの単語に置き換えればOKです。

Aさん
There are 2 types of ways.
訳)方法が2パターンあります。
Aさん
You can choose a color from 10 variations.
訳)10パターンから色を選ぶことができます。

「ワンパターン」は英語で何て言う?

「ワンパターン」は英語で何て言う?

変化に乏しいことを「ワンパターン」と言いますが、これは和製英語です。そのため、英語で one pattern と言っても同様のネガティブな印象は生まれず、単に「1つの柄や様式」という意味になります。

Aさん
The hero defeated the enemies by his special move. He is always one pattern.
訳)ヒーローが必殺技で敵を倒したよ。彼ってワンパターン。
Bさん
What? His outfit? Maybe he is a minimalist.
訳)ん?服装の柄が同じってこと?ミニマリストなんじゃないの。

 

日本語のワンパターンと似たネガティブな意味を表したい場合は、”It’s always the same.” と言いましょう。

直訳すると「それはいつも全く同じ」という意味になり、代わり映えがしなくてつまらない、まさに日本語のワンパターンと同じ意味を表せます。

Aさん
The hero defeated the enemies by his special move. It’s always the same.
訳)ヒーローが必殺技で敵を倒したよ。いっつも同じ展開だよね。
Bさん
I see. It’s boring.
訳)わかる、つまんないよね。

 

まとめ

今回は「パターン」について詳しく確認していきました。

パターンは日本語にもだいぶ浸透している言葉ですが、日英でその表す意味は異なっている場合があります。

特に「種類が〇パターンある」と「ワンパターン」の用法は要注意。これらは和製英語なので、海外の人には通じません。

今回ご紹介したことを参考に、日本語のパターンと英語の pattern をしっかり使い分けていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!