世界的に有名な先史時代の遺跡「ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群(Stonehenge, Avebury and Associated Sites)」。その神秘的な雰囲気といまだ解明されない謎は、訪れる人々の心を惹きつけてやみません。
ストーンヘンジがあるのは、ロンドンから125kmほど西南西に位置するウィルトシャー州のソールズベリーという町。一方、エーヴベリーはソールズベリーから約30km北に位置しています。
今回はこのふたつの遺跡について、英語を交えながら、その神秘と謎に迫ります。
ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群とは?

これらの遺跡群には、謎、神秘といった言葉がぴったりです。誰が、なぜ、どのようにしてこれらの巨石を運び、並べたのでしょうか。いまだ多くのことが解明されていないからこそ、人々の想像力をかきたてます。
ストーンヘンジとエーヴベリーはおよそ30km離れていますが、どちらも先史時代の宗教や儀式に関わる重要な場所と考えられています。
ストーンヘンジと関連する記念建造物群とは?
ストーンヘンジはソールズベリーの南、ウィルトシャーにある先史時代の巨石建造物群で、登録面積は約26㎢。周辺には他にもいくつかの遺跡が含まれています。
ストーンヘンジとは?
ストーンヘンジは、円形に並んだ直立した巨石とそれを囲む土塁からなる構造物です。写真で見たことがある方は多いのではないでしょうか。
その目的については、太陽崇拝の祭祀場、天体観測所、または埋葬地であったなど、諸説ありますが、いまだにはっきりとした答えは見つかっていません。
「Stonehenge」という名前の語源は、古英語の“stan(石)”と“hencg(蝶番または吊るす)”に由来します。横石が縦石に“hinged(蝶番のように)”している姿から来たとも言われています。
登録対象の巨石建造物群
ストーンヘンジ周辺には、以下のような遺跡も含まれます。
- ウッドヘンジ(Woodhenge):木製の柱でできたヘンジ構造
- ダーリントン・ウォールズ(Durrington Walls):英国最大級のヘンジ
- スーパーヘンジ(Superhenge):新たに発見された広大な地下構造
エーヴベリーと関連する記念建造物群とは?
エーヴベリーは北ウィルトシャーのエーヴベリー村近郊にあり、登録面積は22.5㎢。こちらも円形の巨石群「エーヴベリーヘンジ」を中心に、以下のような関連遺跡があります:
- シルベリー・ヒル(Silbury Hill):人工的に作られたヨーロッパ最大の土の丘
- ウェスト・ケネット・ロング・バロウ(West Kennet Long Barrow):古代の墓所
- ケネット・アヴェニュー、ベッカムトン・アヴェニュー:巨石が並ぶ通路状の遺構
- ザ・サンクチュアリ(The Sanctuary):儀式が行われたとされる場所
アクセス
ストーンヘンジへは、ロンドンのウォータールー駅からソールズベリー駅まで約1時間半。そこからストーンヘンジ行きのシャトルバスで約30分。
エーヴベリーへは、ロンドンのパディントン駅からスウィンドン駅まで約1時間。そこからバスで約25分。
多くの旅行会社が半日ツアーや一日観光パッケージを用意しています。
ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群の歴史

これらの遺跡は、紀元前3000年から1100年ごろにかけて建設されたとされ、先史時代の宗教的遺跡として長年祀られてきました。
建設には数百年を要したとも言われており、時代ごとに目的が変わっていった可能性もあると考えられています。
覚えておきたい!ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群の英語フレーズ
英語での表現を少し覚えておくと、旅行先でも楽しさが倍増します。
訳)ずっとストーンヘンジに行ってみたかったんだ。
訳)何千年も前に、どうやってこれらの石を配置したのか信じられないよね。
訳)なぜ建てられたのか、正確な理由は誰にも分かっていないんだ。それがミステリーだね。
訳)古代のカレンダーだったとか、礼拝の場だったという説もあるよ。
世界遺産としてのストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群
正式な英語名は、Stonehenge, Avebury and Associated Sites。1986年にユネスコの世界遺産に登録されました。
訳)ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群は、1986年にユネスコの世界遺産に登録されました。
登録対象は?
登録対象となっているのは、建物そのものではなく、ストーンヘンジを中心とした南部の地域と、エーヴベリーを中心とした北部の地域という2つの地域。
登録理由は?
登録理由は、次のような点です。
- ここの建造物は、先史時代の人々の創造性や技術力を示している
- 2000年以上にわたって建築物の発展がみられ、後世の建築や芸術作品などに多大なる影響を与えている
- 2000年以上にわたって行われていた儀式や埋葬祭祀の足跡が残されている
UNESCO World Heritage Convention:Stonehenge, Avebury and Associated Sites
ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群の魅力スポット

ストーンヘンジ(Stonehenge)
世界で最も有名な先史時代のモニュメントの一つ。夏至の日には太陽が石の間から昇る光景が見られ、多くの人が訪れます。
ウッドヘンジ(Woodhenge)
ストーンヘンジから約3km東に位置する遺跡。現在は木の柱はなく、コンクリートの柱でその位置が示されています。古代にはここに木の柱が環状に並んでいたとされ、儀式の場だったと考えられています。
ダーリントン・ウォールズ(Durrington Walls)
ウッドヘンジのすぐ近くにあり、巨大な円形の土塁で囲まれたエリア。現在では草地になっていますが、かつては多くの家が建ち並び、祭祀が行われていたと考えられています。
エーヴベリー(Avebury)
ストーンヘンジより規模が大きく、村全体を囲むように石が配置された遺跡。巨大な石の円の中に実際に住民が住んでいるというユニークな場所で、自由に歩いて見学できます。
シルベリー・ヒル(Silbury Hill)
エーヴベリーのすぐ近くにある人工の丘。高さ約40m、底辺の直径約160mのヨーロッパ最大級のマウンドです。内部は未解明な点が多く、目的は不明ですが、儀式や権力の象徴と考えられています。
ザ・サンクチュアリ(The Sanctuary)
エーヴベリーの南東に位置し、かつては木柱と石が交互に配置されていた聖域とされる場所です。現在では遺跡の位置にコンクリートの柱が建てられており、当時の配置を感じ取ることができます。
まとめ:英語で広がる世界遺産の旅
「ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群」は、数千年もの歴史と、人類の知恵、信仰、そして想像力が刻まれています。英語を通じてそれらに触れることで、学びの旅はさらに深く、豊かになります。
まだまだ多くの謎があるこの世界遺産、いちどは訪れてみませんか。

