世界中で実施されている最大規模の英語力テストTOEFL。
海外の大学・大学院進学や留学を目指す方なら、一度は耳にしたことがあるはずです。
世界的に知名度のあるTOEFLですが、「テストの内容、役割、目指すスコアがよくわからない。」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、TOEFL iBTテストの概要、役割、日程、テスト構成、スコアについて説明しています。
この記事をチェックすれば、TOEFL iBTテストに関することは一通り把握できます。
TOEFL iBTについて知りたくてこの記事にたどりついた方は、最後までぜひ読んでみてください。
TOEFL iBTテストとは?
英語を母語としない人を対象とした大学や教室などのアカデミックな場面の英語スキルを測るテストです。
TOEICと同様にアメリカの非営利教育団体Educational Testing Service(ETS)によって作成され、160か国以上の11,500以上の大学や機関で英語力の判断基準として利用されています。
TOEFL iBTテストの概要
Reading、Listening、Speaking、Writingの4つの能力を総合的に評価するテストです。
読む、聞く、話す、書くの4つのコミュニケーション能力をかけ合わせた実践的な問題に解答します。
全ての問題をコンピュータで解答するテスト形式が採用されています。
TOEFL iBTテストの役割
海外に留学するために受験を検討されている方も多いのではないでしょうか。
大学留学、大学院留学、ワーホリ留学、専門留学等の留学の形態と留学する国や学校によって、TOEFL iBTのスコアや意義が異なります。
大学や大学院が求めるTOEFLスコアがないと受験審査を受けられない、英語力が求めるレベルに達したら入学を許可する等さまざまです。
米国では多くの大学、カナダの8割の留学プログラムでTOEFL iBTが推奨されています。
オーストラリアやニュージーランドでは全ての大学で採用されており、移住ビザにも有効とされています。
国内でも一部の大学では英語試験への得点加算や試験免除になることがあります。
まずはご自身の受験目的、スコアの利用目的、検討している学校の入学条件等を確認しましょう。
TOEFL iBTテスト日程
TOEFL iBTテストは、各国の公認テストセンターで年間60回以上実施されています。
テストセンターだけではなく、自宅からもネットや機器の環境が整っていれば受験ができます。
自宅からの受験は週4日、24時間の受験ができ、忙しい方でも調整がしやすく時間の自由度が高くなっています。
試験中に周囲の音が気になる方は、集中できないリスクを減らすことができます。
TOEICや英検等の試験では、年の実施回数が決められており受験回数が限られていますが、TOEFL iBTテストでは他の試験よりも受験機会が多いのが特徴です。
受験する際の注意点
テストセンターで受験する際は、身分証明書の提示が必須のため携行を忘れないようにしましょう。
テストセンターでは、1人1台のパソコンが割り当てられ、メモするため紙や鉛筆の提供があります。
自宅受験の際は、受験環境を事前に確認する必要があるので、使用機器などのチェックは入念に行いましょう。
TOEFL iBTテスト構成
4つのセクション、Reading、Listening、Speaking、Writingで構成されています。
試験時間は約3時間で、ListeningとSpeakingのセクションの途中に10分間の休憩が設けられています。
それぞれのセクションについて確認しましょう。
Readingセクション
自然科学、社会科学、芸術など幅広い分野の長文読解問題です。
1パッセージはおおよそ700語で構成され、3もしくは4パッセージが出題されます。
設問は、1パッセージにつき10問あります。
- 制限時間:54もしくは72分
- 設問数:30もしくは40問
Listeningセクション
3~5分程度の講義と会話の2種類の形式で出題されます。
内容は、幅広い分野の講義や先生と生徒、職員と生徒、生徒同士との会話などです。
- 制限時間:41~57分
- 設問数:28~39問
Speakingセクション
身近な話題について、内容を要約したり意見を述べる問題が出題されます。
Independent taskとIntegrated tasksの2つのセクションに分かれており、解答を準備する時間と解答する時間がそれぞれ設定されています。
ヘッドフォン等のマイクを通して、音声を録音します。
Independent task
身近な話題に関して意見を述べる設問です。
- 制限時間: 準備時間15秒 解答時間45秒
- 設問数:1問
Integrated tasks
資料の内容を聞いたり、読んだりして要約して解答する問題です。
- 読む+聞く→話す
- 制限時間:準備時間30秒 解答時間60秒
- 設問数:2問
- 聞く→話す 1問
- 制限時間:準備時間30秒 解答時間60秒
- 設問数:1問
Writingセクション
文章を読んだり、音声を聞いて、それに対してタイピングで解答する形式。
Speakingセクションと同様にIndependent taskとIntegrated tasksの2つの設問に分かれています。
まず始めに文章を3分で読み、その後読んだ文章に反対する内容の意見を2分で聞きます。
文章を読んだ内容と聞いた内容に関して回答します。
文章は回答する画面に表示されているので、回答中に何度でも読み返すことが可能です。
音声は、1度しか再生できないため注意が必要となります。
Independent task
読んで聞いた内容を要約してエッセイ形式で解答する問題です。
- 制限時間:20分
- 設問数:1問
- 文字数:150~225 words
Integrated tasks
資料の内容を聞いたり、読んだりして要約して解答する問題です。
- 読む+聞く→話す
- 制限時間:準備時間30秒 解答時間60秒
- 設問数:2問
- 聞く→話す 1問
- 制限時間:準備時間30秒 解答時間60秒
- 設問数:1問
TOEFL iBTのスコア
TOEFL iBTテストのスコアは各セクション0~30点、総合0~120点で設定されています。
スコアの有効期限は、受験日から2年間です。
スコアの通知までの日数はテスト方法とスコア通知の受け取り方法によって異なります。
テストセンターでの受験は、実施日から4~8日後に設定したご自身のメールにスコア開示の連絡が届きます。
自宅受験では、受験実施日から数えて4~8日後にスコアの確認が可能です。
スコア換算
TOEFL iBTのスコアは、コンピューターによる採点と複数の採点者の組み合わせで採点し算出されます。
各セクション30点で、スコアによって習熟度が分けられています。
セクション | レベルとスコア |
Reading | 上級 :24~30
上中級 :18~23 中級 :4~17 初級 :0~3 |
Listening | 上級 :22~30
上中級 :17~21 中級 :9~16 初級 :0~8 |
Speaking | 上級 :25~30
上中級 :20~24 中級 :16~19 初級 :10~15 基礎 :0~9 |
Writing | 上級 :24~30
上中級 :17~23 中級 :13~16 初級 :7~12 基礎 :0~6 |
引用:TOEFL
英語レベルとスコア
英語試験の評価基準として、外国語学習者の読む、聞く、話す、書くの4つの能力評価CEFRという基準が用いられています。
2022年8月現在、文部科学省が発表している正式な各資格・検定試験とCEFRの対照表はありません。
2018年3月に発表された資料を参考にすると、CEFR C1>B2>B1、TOEFL iBTスコアの高い順に熟練度が高く表されています。
CEFR レベル | TOEFL iBT スコア |
C1 | 95~120 |
B2 | 72~94 |
B1 | 42~71 |
C1:様々な種類の高度かつ内容の長い文章を理解して、含意を把握できる熟練度は高いレベル
B2:母語話者とはお互いに緊張しないでコミュニケーションが自然にとれるレベル
B1:身近な話題について、標準的な話し方であれば内容を理解でき、話すことができるレベル
スコアの目安
提出する大学や大学院、学部や学科等によって必要とされるスコアは異なりますが、一般的なスコアの目安は下記の通りです。
- 海外の大学:61~80点
- 海外の難関大学、大学院:80~100点
100点以上のスコアがあれば、トップ校への申請も可能なレベルです。
まとめ
TOEFL iBTテストの概要、役割、日程、テスト構成、スコアについて紹介しました。
海外大学や大学院への留学や国内でも大きな役割を果たすTOEFL iBTテストについて参考になりましたでしょうか?
ご自身の目的・目標の第一歩になるテストです。
TOEFL iBTテストについて知り、自分に合った方法で受験をしてみましょう。
目標とするスコアを目指しましょう。