来年から受験生だという方や、受験生の子どもを持つ親としては、センター試験とは違う共通テストを乗り切る方法を知っておかないといけません。今回はその中でも英語に着目します。共通テストの英語というと、知りたいのは問題構成や対策ですよね。難しいと言われていたり、時間足りないと嘆く人が出てきたり・・・。では、どのようにして対策すれば良いのかを見ていきましょう!

共通テストの構成

共通テストの構成

共通テストの構成は非常にシンプル。リーディング100点、リスニング100点の合計200点です。今までと比べるとリスニングの比重が重くなったので、聞く力がより必要になりました。そしてそれを苦手としている人も多いのではないでしょうか。

また、リーディングとリスニングしかないことからわかるのは、ライティングとスピーキングは依然としてまったく必要とされないことです。これはとても日本人的なすべて受け身の試験です。相手から言われたこと、相手が書いたことを理解できれば、自分から書いたり、自分の意見を言ったりできなくても良いのです。これが日本人が6年間英語を学んでも英語が喋れない理由なのですが、日本はそれを変える気はないようです。

とはいえ、これから日本に暮らし、日本の大学に行くのであれば共通テストは受ける準備をしておかなくてはなりません。文系であれ理系であれば英語は必要になりますからね。

共通テストの英語の対策方法

共通テストの英語の対策方法

共通テストの英語の構成がわかったので、次はリーディングとリスニングに分けてその対策方法をご紹介していきましょう。人によって会う合わないはありますが、苦手としているならどんな考え方で解き進めていけば良いのかを知っておきましょう。

リーディングの対策

まずはリーディングの対策から説明しますね。リーディングは長文読解で、これは英語の集大成と言えます。なぜなら、語彙力がなければ単語がわからず解けない、文法力がなければ言っていることがつかめず解けない、そんな今まで習ったことがすべて頭に入っていないと読み進めるのは難しいからです。ですから、中学校・高校と習ってきた英単語やイディオムが定着していなかったり、文法でわからないところがあるまま取り組んでもあまり点数は上がっていきません。つまり、リーディング対策として最初にすべきは語彙力の向上と文法理解なのです!

語彙力を上げるゴールデンタイム

リーディング対策の中で一番時間がかかり、地味でつまらないと言われているのが語彙力の強化。しかしこれ、覚えるのに最適な「ゴールデンタイム」があることを知っていましたか?暗記は寝る前が一番です。これは脳の仕組みによるもので、海馬と呼ばれる記憶をつかさどる領域が、長期記憶として残しておくものを選別する方法を上手く利用しています。

例えば朝に頑張って英単語を覚えたとしましょう。しかし、昼にも夕方にも色々なことがあって、記憶は上書きされていきます。これでは効率的とは言えませんよね。ですから、暗記をするなら朝ではなく夜なのです。そして寝ている間に海馬に記憶の整理をしてもらって、寝る直前に覚えたことを定着させてもらうのです。

このように、リーディングを強化したいなら基礎である語彙力強化を短時間で行うことが大切です。数が多すぎると感じるかもしれませんが、共通テストの英語を乗り切るには必要不可欠なので毎日地道に続けましょう。

リスニングの対策

多くの人が苦戦するリスニング。理由は単純明快。学校でそんな授業はほとんど行っていないからです。つまり、なぜかリスニングだけは独学状態。学校では文法がどうしてもメインとなっている学校が圧倒的に多く、会話にまつわる授業はしません。リスニングに占める点数の割合が多くなろうともです。そもそも会話を教えられる先生が日本にいないというのも問題ですけどね。ですから、皆さんがすべきは学校に頼らず自分で英語耳を作ること!この無茶ぶり、どのように対策していけば良いのでしょうか。

日本語を使わない訓練

実は、言語というのは幼児期に覚えることができます。しかも母語と同じ領域で。ですからゴールデンエイジなんて言われたりするのですが、遊ぶ中でのコミュニケーションツールが日本語から英語に変わるだけで、自然に覚えることができます。しかし、残念ながらこの能力は年齢を重ねる共に消失し、10歳を超えるころには英語は第二言語としてしか覚えられなくなります。言語が得意な人は最初から母語である日本語を介さず理解できたりもするのですが、それが難しくなった年齢では思い切り意識して英語を聞く時に日本語を介さないようにしないといけません。

今まで英語を理解する時に、リーディングでもリスニングでも日本語を使っていたという場合は、特にリスニングで大幅なタイムロスとなってしまうのでやめましょう。これを訓練するのです。

これにはとても長い時間がかかるので、できれば受験生になる前から始めておきたいですね。毎日英語のリスニング教材を聞く時に英語は英語として理解するように努めることを意識します。また、聞いたことをアウトプットする時にも日本語は絶対に使わないようにしてください。お風呂など、誰も聞いていないところで独り言として英語を言うのも効果的です。

学校では和訳しなさいという問題が出るなど、いつでも必ず英語と日本語は結びついています。これを自分で切り離す訓練になるので、時間は相当かかります。完璧とまで言えなくても、リスニングを聞いて日本語に変換しているうちに次の問題へ行ってしまったなどとならなくなればOKです。

カタカナ禁止

よく、スピーキングではカタカナ英語はよくないと言いますが、それはリスニングでも同じことが言えます。あまたの中にカタカナがあると、英語を聞いているのに勝手にカタカナに変換してしまって何を言っているのか聞き取れないからです。こういう人の発音は悪く、ネイティブからは悲惨な評価を受けます。ですから何が何でもカタカナは禁止です!

これも訓練することになるのですが、英語は何度も何度も繰り返し聞くうちに音慣れしていけます。人間が使う言葉なのですから、いつまで経っても理解できないということはありません。その点は安心してくださいね。

日本の教育ではアメリカ英語しか教えないので、リエゾンは特に意識してみましょう。単語と単語を繋げた時に音が変わることですね。これも何度も聞けばそういうものだとわかりますし、慣れで解決できることです。通学中の電車の中でスマホからリスニング音源を聞いたり、すきま時間を使ってなるべく英語の音に触れるようにしてください。この時間がどれだけあるかで共通テストの英語の点数は大きく開いていきます。

まとめ

共通テストの英語のリーディングとリスニング、難しいと感じていても、地道に勉強していけば点数はアップする可能性が大です。英語はそもそも言語であり、人間がコミュニケーションをする時に使うものだからです。今までの日本の英語教育から抜け出さないと点数が上がらないという矛盾しているテストになるので、学校の英語に頼らず自分で英語を習得するんだというくらいの意気込みで臨みましょう。早いうちから英語に慣れておかないと英語を英語で考えることはできないので、共通テストでなくても私立の英語の試験を受けるなどとわかった時から即準備を始めてくださいね。