中学校で扱う英語の教科書は以前に比べて難しくなりました。
科目としての英語教育のスタートが小学校5年生に前倒しになり、中学校卒業時点での習得英単語数の目安が約2倍になったり、今まで高校文法で学んでいた英文法の一部を中学校で既に学んだりするようになったからです。
また、近年ではオンライン英会話という安価で質の高い英語レッスンが普及してきたことから、「難しくなった中学英語を、オンライン英会話で補いたい」と考える親御さんもいることでしょう。
この記事では、難しくなった中学英語の教科書と、オンライン英会話のレッスンがしっかりと教科書に則したレッスンをしてくれるのかについてお伝えします。
中学校の英語の教科書は難しくなった?
中学校の教科書は以前に比べて格段にレベルが上がりました。
学習指導要領の改訂によって「科目」として英語教育が始まるのが、小学5年生スタートに前倒しされたからです。(2020年度から)
これまで中学校1年生からスタートされていた英語科目が、2年間前倒しになっているので、その分学習を先に進めることができることが理由です。
例えば、これまで高校英語で学んでいた「現在完了形進行形」や「原形不定詞」、さらには「仮定法」のうちの基礎的な部分を中学英語で既に学ぶこととなります。
さらに、学ぶ英単語の数も格段に増えています。
文部科学省が公開している「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説」によると、学習指導要領改訂前の、英語教育が中学校1年生スタートだった時には、中学校卒業時点の習得英単語数の目安は1,200語でした。
対して学習指導要領改訂後では、中学校卒業時点で約2,200語~2,500語もの英単語を習得することになっています。↓
小学校で600〜700語程度、中学校で1,600〜1,800語程度(中略)を指導することとして整理している。
以上の事から、中学校で扱う英語の教科書は
- 学ぶ文法項目が増えた
- 学ぶ英単語の数が格段に増えた
という点で以前と比べて格段に難しくなった。と言えるでしょう。
中学生が使う主な英語の教科書
文部科学省の検定教科書
中学生が使う英語の教科書といえば、文部科学省が認定している教科書としては、主に以下の教科書が使われていることが多いでしょう。
New Horizon(ニューホライズン)
New Horizon(ニューホライズン)は、「東京書籍」が学校向け(生徒さん向け)に出版している英語の教科書です。
New Horizon(ニューホライズン)の内容解説資料を見てみると、前項「中学校の英語の教科書は難しくなった?」でお伝えした通り、3年生で学ぶ英文法には、それまで高校英語で学ぶ内容だった「現在完了進行形、原型不定詞、仮定法のうち基本的な3つの用法(I wish…、If I were…、If I had…)」が前倒しになっていることがわかります。
加えて1年生で学ぶ項目では、夏休みに入るまでの期間は小学校で学んだ項目の整理を設けていて小学校英語から中学校英語への導入を円滑にしていることがわかりますね。
Here We Go(ヒア ウィ ゴー)
「Here We Go(ヒア ウィ ゴー)」は、「光村図書」が学校向け(生徒さん向け)に出版している英語の教科書です。
Z会の公表している、Here We Goを基にした「教科書対応表」を見てみると、これまで高校英文法で学んでいた「現在完了進行形、原型不定詞(Let + 人・もの + 動詞の原形)、仮定法のうち基本的な2つの用法(If I could ~、I wish you were …)」を前倒しで学ぶことがわかりますね。
また1年生で学ぶ項目も、前項で触れたNew Horizon(ニューホライズン)の内容解説資料と重なる部分が多いため、小学校英語から中学校英語への導入を円滑にしていることがわかります。
New Crown(ニュークラウン)
「New Crown(ニュークラウン)」は、「三省堂」が学校向け(生徒さん向け)に出版している英語の教科書です。
New Crown(ニュークラウン)の内容解説資料を見てみると、これまで高校英文法で学んでいた「現在完了形進行形、仮定法過去のうち基本的なもの、原型不定詞」について記載があることがわかります。
また1年生で学ぶ項目も、前項で触れたNew Horizon(ニューホライズン)の内容解説資料と重なる部分が多いため、小学校英語から中学校英語への導入を円滑にしていることがわかりますね。
文部科学省の検定外教科書
文部科学省の検定外教科書を使っている中学校もあります。進学校の中学校が、検定外教科書を使っている傾向が強いです。検定外教科書を使う目的としては、自校の生徒たちにより高度なレベルの英語教育を与えたいということのようです。
検定外教科書は、検定教科書に加えて使用する「副読本(図書)」 として配布されますが、実際の授業では「事実上」の教科書として使用されます。主な検定外教科書を紹介します。
New Treasure(ニュートレジャー)
New Treasure(ニュートレジャー)は、Z会出版によって出版されている検定外教科書で、進学校の中学校でよく使われています。
英語の語彙数が検定教科書よりもはるかに多く、文法の説明や練習問題も検定教科書より充実しています。
Z会出版のNew Treasureの紹介サイトを見ると、次のような宣伝文句が見つかります。
大学入試で要求される英語力と実社会で求められる実践的英語力を育成します。
「読む・書く・聞く・話す」の4技能をバランスよく身につけるとともに、
論理的思考力、コミュニケーション力を伸ばすという面を強化します。
中学高校では、Z会の模擬試験も時々行われるため、日頃からZ会出版のNew Treasureの教科書で勉強しておくと有利だと考えられますし、実際に文部科学省の検定教科書と、New Treasureの教科書を見比べてみると、難易度が違うことは一目瞭然です。
New Treasureの教科書は、学校専用商品であるため、一般の人はZ会出版の公式サイトを通して購入することはできません。メルカリなどのサイトで、New Treasureの教科書を使い終わった生徒さんが出品している場合は、購入可能かもしれません。
Progress(プログレス)
Progress(プログレス)は、エディック社により出版されている検定外教科書です。プログレスを教科書に採用する学校にカトリック系の学校が多いです。プログレスを採用するカトリック系の学校は、自校の生徒たちにより高度なレベルの英語教育を与えたいという目的のために、この教科書を採用しています。
プログレスのコンセプトは「BOOK1~BOOK3で基本的な文法を網羅する」ことにあります。中学3年間程度でBook3まで修了すると、一般的な検定教科書の1.5~2倍前後のペースで文法を学習することになります。
プログレスの教科書は、文法の説明が丁寧で、文法の練習問題が他の教科書に比べてかなり多いです。教科書が難しいので、学校の定期テストも当然難しくなりますが、プログレスの教科書に沿ってみっちり文法を学習すると、確かな英語力が身につきそうです。
中学生が使う英語の教科書の「英単語」の配慮とは?
前項でお伝えした通り、学習指導要領が改訂される前は、中学校の3年間で学ぶ英単語の数は約1,200語でした。
それに対して学習指導要領改訂後(現在)の中学校3年間では、約1,600語~1,800語の英単語を学ぶようになりました。
小学校で600〜700語程度、中学校で1,600〜1,800語程度(中略)を指導することとして整理している。
学習指導要領改訂前と比べて覚える英単語数が400語~600語も増えていますよね。
なので↓のように思う方もいらっしゃるでしょう。
覚える英単語数が増えることによる生徒への負担について、文部科学省は以下のように言っています。↓
前回の改定における「1,200語程度」と比べると増加幅が大きく見えるが、小学校において中学年の外国語活動で扱ったり高学年の外国語科で学んだりした語と関連付けるなどしながら、(中略)言語活動の中で無理なく扱うことのできる程度の語数であると考えられる。
要約すると、「小学校で学んだ英単語と関連付ければ、400語~600語増えても無理なく覚えられる。」ということです。
例えば、Foot(フット、「足」の意味)という英単語を知っていれば、Football(フットボール)の英単語を覚えることは簡単でしょう。知っている英単語と関連付けられるからです。
一方、全く見たこともない英単語を覚えるのは非常に苦労します。
つまり新しくなった学習指導要領では、小学校高学年の2年間で既に習っている英単語が600語~700語もあるので、中学校で新しく学ぶ英単語が増えたとしても、「既に知っている英単語がある分、英単語を覚える負担が小さい」と言えるわけです。
もちろん、ここで話している学習指導要領は、文部科学省の検定教科書に関するものの話で、検定外教科書に関してではないので、ご注意ください。
オンライン英会話は中学校の教科書に準拠しているか
「オンライン英会話を使って、中学英語の補助教材にしたい」と考える親御さんも多いでしょう。
実際にオンライン英会話のレッスンが中学校の教科書に準拠しているかどうかは、レッスンを主催しているスクールのプランやコース、方針によるところが大きいです。
オンライン英会話のスクールによって、「中学英語に準拠した英会話」を重視したオンライン英会話スクールもあれば、「ネイティブスピーカーによる活きた英会話」を重視するオンライン英会話スクールもあります。
まずはオンライン英会話のレッスンプランに、「中学英語」や「英文法(中学レベル)」といったコースがあるかを確認してから入会することをおすすめします。
学研が主催するオンライン英会話のKimini英会話
前項で「オンライン英会話のレッスンが中学校の教科書に準拠するかは、スクールによる」とお伝えしました。
もし、オンライン英会話を利用して中学校の英語の教科書を考慮したレッスンを受けたい場合、教育分野に強いスクールで学びたい or 学ばせたいと考えるのが自然でしょう。
オンライン英会話スクールのKimini英会話は、学習塾や家庭教師、学習参考書などたくさんの教育業界で活動してきた「学研」が主催するオンライン英会話スクールです。
もちろん中学校で学ぶ文法事項に基づいたレッスンである「中学英語コース」もしっかり取り揃えています。
「教育に精通したオンライン英会話スクールで、中学校の英語力を身に着けたい!or 身につけさせたい!」と考えている方は、以下のURLから詳細をご覧ください。↓
中学生向けおすすめのKiminiオンライン英会話コース
Kiminiオンライン英会話コースの中で、中学生におすすめのコースをいくつか紹介します。
中学生向けコース
中学生向けコースは、中学校学習指導要領に基づき、英文法を中心に学びながら、4技能(読む・聞く・書く・話す)をバランスよく伸ばしていくコースです。中学生コース1、中学生コース2、中学生コース3の3つのコースがあります。
中学校で学ぶ文法項目を基礎から学習し、学んだ英文法を使って講師と会話を行うことで、日常生活の中でも「使える英語」にしていきます。中学校で英文法を学びますが、それをアウトプットして練習する場がないので、テストのための英語学習になってしまいがちです。「使える英語」にすることを検討しておられる方は、ぜひこのコースをチェックしてみてください。
総合英語コース
総合英語コースは、中学校や高校で学習する文法をおさらししながら、4技能(読む・聞く・書く・話す)をバランスよく伸ばしていくコースです。総合英語コース1、総合英語コース2、総合英語コース3、総合英語コース4、総合英語コース5、総合英語コース6の6つのコースがあり、中学生レベルに該当するのは、総合英語コース1、総合英語コース2、総合英語コース3の3つのコースです。
総合英語コース1・2・3ではレッスンスライドにも日本語での解説があるので、英語が苦手な方でも安心してレッスンに臨んでいただくことができます。英会話コースは英語オンリーの説明になりがちですが、総合英語コース1・2・3は、英語が苦手な方にも配慮しており、英語に慣れるまでは日本語での解説でのサポートがあります。
英検®コース
英検®コースは、学研の人気書籍「英検をひとつひとつわかりやすく。」シリーズをもとにしたコースです。英検®5級合格コースから英検®2級合格コースまで、6つのコースが準備されているので、自分のレベルに合ったコースを選んで、英検合格を目指してがんばっていきましょう。
まとめ
この記事では、難しくなった中学英語の教科書と、オンライン英会話のレッスンがしっかりと教科書に則したレッスンをしてくれるのかについてお伝えしました。
ここまでお読みのあなたは、中学英語の教科書がどんな風に変化し、どんなオンライン英会話スクールが教科書に則(のっと)ったレッスンを提供しているかを具体的にご存じのことでしょう。
この記事でお伝えした内容が、あなたの英語学習の理解をより深いものにできれば幸いです。