私たちの生活の基盤を作ってくれる「森」。今回は、この「森」にまつわる英語表現を学んでいきましょう!単に「森」と言うとForestが思い浮かぶと思いますが、中にはWoodsという単語もあります。まずはこれらの単語の違いを学び、世界中で人気のゲーム、「あつまれ どうぶつの森」は英語でどう言うのか、また、森に関する有名なあの言葉の意外な語源などをご紹介していきます。
「森」を辞書で調べてみると?
言葉なら何でも知っている辞書に、「森」を英語で何と言うのか聞いてみたところ、以下のような答えが返ってきました。
研究社 新和英中辞典での「森」の英訳では・・・
森
a wood; woods しんりん; a grove (小さな); 〈山林〉 a forest
- 森の都キエフ【形式ばった表現】 the tree‐clad city of Kiev.
「森」と言えばForestが最初に出て来ると思いきや、Woodsの方が先に出てきましたね。この辺りはネイティブの見解も交えて後で解説します。
他の辞書で調べてみると、「森」を含む例文には以下のようなものがありました。
例文
- 石化森, 化石の森
a petrified forest- 研究社 新英和中辞典- 森の中
in the forest – Weblio Email- 森を育てる
grow a forest – Weblio Email例文集- 森林地方
wooded country- 研究社 新英和中辞典- 奥深い森
deep woods – 研究社 新英和中辞典- 森林樹
a forest tree – 研究社 新英和中辞典- 森林地帯
forest land – 研究社 新英和中辞典
こうして見てみると、やはりForestかWoodsが使われていることがわかりますね。では、その違いは一体何なのでしょうか。
ForestとWoodsの違い
「森」と言えば英語でForestかWoodsの2択なのですが、ネイティブの感覚だとForestはWoodsよりも規模が大きいイメージだそうです。Woodsは単数形だと「木材」となりますから、その複数形の木材がたくさんあるところが森という解釈もできます。
Woodsは日本語にするなら「森」よりも「林」の方が適切ではないかという人もいますし、より田舎の森のイメージがあるという人もいます。
ネイティブによってもForestとWoodsのイメージは多少異なるようで、一般的に使うならどちらでもそう大して変わらないとする人も。とりあえずは、Forestの方がWoodsより大きいと覚えておけば良いでしょう。
「あつまれ どうぶつの森」を英語で言うなら?
「森」と言えば、「あつまれ どうぶつの森」ではないですか?Switchのゲームソフトとして一世を風靡し、世界的にも人気が出ました。ゲーム実況動画が流れてきたなと思ったら、キャラクターの吹き出しが英語で海外の人の動画だったのかと思うことも。ゲームは日本が得意とするサブカルチャーですから、外国人でもゲーマーなら「あつ森」は知っています。
よって、「あつまれ どうぶつの森」は英語にしなくても、そのまま日本語で言ってしまえば通じます。場合によっては”atsumori doubutsu” と言っている人もいますが、これも日本語ですしね。
では、ゲーマーではない人に「あつ森」を紹介したい時にはどう言えば良いのでしょうか。英語にするならこうです。「Animal Crossing: New Horizons」
”Crossing” の“cross” は自動詞で「横断する」「交差する」という意味があり、動物がたちが交差する場所であることを示します。
”Horizons” は「視野」という意味であるため、new horizons「新たな視野」になりますが、意訳して「新たなスタート」と言います。
以外にも、ForestやWoodsという単語を使いませんでしたね。ゲームに限らず、映画や書籍などのタイトルは英訳する時に意外な単語を使っていることが多いです。面白い表現があるので、皆さんも自分が好きなゲームなどが英語でどう訳されているのか調べてみてくださいね。
「木を隠すなら森の中」の英語訳
日本語に、「木を隠すなら森の中」という表現がありいますよね。森の中なら、木は森に紛れこんでしまうため見つかりにくいという意味です。転じて、何かを隠すならそれと同質の物がたくさんある場所が適しているという意味です。
これを英語で表現するなら2つの訳し方があり、以下のようになります。
「The best place to hide a leaf is in a forest.」
「If you want to hide something , that is the trees in the forest.」
前者は「隠すのに最も良い場所は森の中の葉である」という訳になり、後者は「何かを隠したいのであれば、森の中の木がよい」という意味になります。つまりは、どちらも「木を隠すなら森の中」となるわけです。
そしてこの「木を隠すなら森の中」という表現、実はイギリス由来だと知っていましたか?ギルバート・ケイス・チェスタトン氏が書いた、イギリスの推理小説『ブラウン神父の童心-折れた剣』の中にこの表現があるんです。
賢い人は葉をどこへ隠す? 森の中だ。森がない時は、自分で森を作る。一枚の枯れ葉を隠したいと願う者は、枯れ葉の林をこしらえあげるだろう。死体を隠したいと思う者は、死体の山をこしらえてそれを隠すだろう。
出典:ギルバート・キース・チェスタトン『ブラウン神父の童心~折れた剣~』
小説由来で日本にも広まるとは、すごいですね・・・!
まとめ
「森」は英語で2つの言い方がありましたね。Forestは比較的大きな森、そしてWoodsはForestよりも小規模で、田舎のイメージを持った単語でした。この「森」にひっかけて、「あつまれ どうぶつの森」を英語で言うならどうなるかもご紹介しましたが、作品のタイトルは意訳になることもわかりました。「木を隠すなら森の中」という表現も実は英語圏であるイギリスから来たのだと知ると、英語だけでなく文化面の知識も広がった気分になりますね!