アメリカで子育てをしていると、「日本では当たり前」だと思っていたことが、実はまったく当たり前ではなかったのだと気づかされることがあります。その代表のひとつが、子どものお弁当です。日本で子どものお弁当といえば、白いご飯やおにぎり、おかずには卵焼き、唐揚げ、ウインナーなどが入っていて、彩りや栄養バランスを考えながら、なるべく食べやすいサイズに詰めます。ただ、アメリカで子育てを始めてみると、子どもたちのお弁当箱の中身はかなり違います。今回は、アメリカで子育てをする中で感じた、日米のお弁当の違いと、日本式のお弁当を持って行ったときの娘の周りの反応について書いてみたいと思います。
この記事の3行まとめ(AI要約)
- アメリカのお弁当は「頑張りすぎない」:PBJや冷凍チキンナゲット、クラッカーやフルーツなど、手軽に組み合わせるスタイルが一般的です。
- 日本式のお弁当は友達の注目の的:おにぎりや唐揚げ、餃子に”Can I have some?”と興味が集まり、子ども同士の小さな文化交流になっています。
- 正解はなく「子どもが食べること」が大事:冷凍食品も上手に使いながら、親も子も無理をしないお弁当づくりのヒントが見えてきます。
アメリカのお弁当は「頑張りすぎない」が普通?

アメリカの学校のお弁当を見ていて、まず感じたのは、「日本ほどお弁当作りに手間をかけなくてもいいんだ」ということでした。もちろんアメリカにも、毎日きれいに手作りのお弁当を用意する家庭はあります。ただ、日本のように「朝から何種類ものおかずを作って、きれいに詰める」というスタイルが必ずしも一般的というわけではありません。
例えば、娘が好きなのがPBJです。PBJとは、ピーナッツバターとジェリー、つまりジャムのサンドイッチのことです。食パンにピーナッツバターとジャムを塗って挟むだけなので、作る側からすると、とにかく簡単です。日本のお母さんなら、「今日のお弁当、PBJだけでいいの?」と思ってしまうかもしれません。でも、子どもにとっては、これが大好きなお弁当だったりします。
そしてもうひとつ、娘が気に入っているのが冷凍食品です。特に冷凍のチキンナゲットなどは、忙しい朝には本当にありがたい存在です。オーブンやエアフライヤーなどで温めて、お弁当箱に入れる。それだけでも、子どもにとっては十分に嬉しいお弁当になります。
アメリカで子育てをしていると、「お弁当は毎日完璧に手作りしなくてはいけない」という考え方から少しずつ解放されていきます。
日本式のお弁当を持たせると、意外な反応が返ってきた
そんな環境の中で、日本式のお弁当を持たせることもあります。おにぎり、唐揚げ、餃子、焼きそば。日本人の私からすると、どれも特別な料理ではありません。
でも、娘の学校の友達からすると、ちょっと珍しいものに見えるようです。
“What’s that?”
“Can I have some?”
“That looks so good!”
そんな反応が返ってくることがあります。親としては、ちょっと嬉しくなります。特に最近のLAでは、アジア系の食文化が以前よりずっと身近になっていると感じます。
日本食も特別なものではなくなってきましたし、韓国料理や台湾料理、中国料理など、アジアの食文化そのものへの関心も高いように感じます。そのためなのか、日本式のお弁当を持って行っても、「なんだそれ?」という反応より、「いいな!」「おいしそう!」という反応のほうが増えたように感じます。
手巻き寿司がお弁当になると、ちょっとした人気者?
あるとき、手巻き寿司のようなものをお弁当に持たせたことがあります。
それを学校のお弁当に持って行くと、娘の友達からすると、かなり興味深いようです。
「それ何?」「どうやって食べるの?」「おいしそう!」
と聞かれます。日本人にとっては見慣れた海苔も、子どもによってはちょっと珍しいものです。ご飯を海苔で巻いて食べるというスタイル自体が面白いのだと思います。おにぎりも同じです。三角形のおにぎりを持っていると、「それはサンドイッチ?」と聞かれたりします。”Rice ballだよ”と説明すると、「食べてみたい」と興味を持ってくれる子もいます。
餃子や唐揚げも「羨ましい」と言われます

餃子も反応がいいです。
アメリカにも餃子に近い食べ物はありますが、日本の焼き餃子をお弁当に入れると、”Dumpling! Nice!”「餃子だ!それいいな」と言われることがあります。
唐揚げも人気です。娘の友達から「あなたのお弁当、いいな」と言われると、作った側としても、「今日はちょっと頑張ってよかった」と思います。
焼きそばなどもそうです。焼きそばをお弁当に入れると、「麺がお弁当に入っている」というだけで興味を持たれます。日本では普通の光景でも、文化が違えば新鮮に映るのです。子どもたちとの間では、小さな文化交流になっているのだと思います。
一方で、娘が好きなのはアメリカ式のお弁当
ただし、ここで面白いのが、娘自身は必ずしも「日本のお弁当が一番好き」というわけではないことです。むしろ、アメリカ式のお弁当もかなり好きです。
その代表がPBJ。ピーナッツバターとジェリーを挟んだだけのシンプルなサンドイッチなのに、娘にとっては大好物です。「明日はPBJにして」と言われることもあります。そして冷凍チキンナゲットも、子どもには強いです。
ほかにも、フルーツやクラッカー、チーズなど、準備にそれほど時間をかけなくても組み合わせられるものがあります。日本のお弁当のように、毎日違うおかずを何品も作らなくてもいい。そう考えると、アメリカのお弁当は、親にとってもかなり現実的です。
「冷凍食品=手抜き」という考え方が変わりました
日本で子育てしていたら、冷凍食品を使うことに対して、どこか罪悪感を持つ人もいるかもしれません。もちろん、今の日本では冷凍食品もかなり進化していて、便利なものがたくさんあります。それでも、「できれば手作りしてあげたい」と思う親心はあります。私自身も、以前はそういう気持ちがありました。
でもアメリカで子育てをしていると、少しずつ考え方が変わりました。冷凍食品も、上手に使えば立派な「子どもが喜ぶお弁当」になります。何より、子どもがちゃんと食べてくれることが大事です。そう思えるようになったのは、アメリカで子育てをしたからこそかもしれません。
他の子のお弁当を見て「えっ、これがお昼ご飯?」と驚いたこと

そして、他の子どもたちが持ってくるお弁当を見て、「えっ、それがお昼ご飯なの?」と驚くことがあります。例えば、スナックのようなものが中心だったり、クラッカーやチップス、フルーツ、チーズなどが小分けになっていたりします。サンドイッチひとつとフルーツ、という日もあります。
アメリカではサンドイッチやスナック、フルーツなどを組み合わせて食べるスタイルも普通にあります。そして、それを見ているうちに、「お弁当って、もっと自由でいいんだ」と思うようになりました。
驚いたのは「量」だけではありません
私がアメリカのお弁当を見て驚いたのは、量や中身だけではありません。もちろんアメリカの親も栄養や食事内容を考えています。ただ、学校のお弁当を見ていると、「とにかく食べてくれるもの」という視点がかなり大きいように感じます。これは子育てをしている親にとって、実はかなり大切なことだと思います。
どんなに栄養バランスを考えて作っても、子どもが残して帰ってきたら、結局お昼ご飯にはなりません。それなら、好きなものをベースにしながら、食べられるものを少しずつ組み合わせる。そういう考え方も悪くないと思うようになりました。
日米のお弁当、どちらが正解という話ではない
アメリカで子育てをしていると、日本のやり方が正しい、アメリカのやり方が正しい、という話ではないと実感します。日本のお弁当には、日本のお弁当の良さがあります。アメリカのお弁当には、親も子どもも無理をしすぎない良さがあります。
この「無理しない」という考え方には、子育てをしていると助けられることが多いです。そして一番面白いのは、娘にとっては、日本式のお弁当もアメリカ式のお弁当も、どちらも自分の日常になっていることです。今日はおにぎり。明日はPBJ。。。娘からすれば、どちらも同じ「学校に持って行くお昼ご飯」なのです。そして、日本式のお弁当を持って行った日は、友達から「それおいしそう!」と言われます。アメリカ式のお弁当の日には、「やっぱりPBJ最高!」となります。
よくある質問
アメリカの子どものお弁当には、どんなものが入っていますか?
ピーナッツバターとジャムのサンドイッチ「PBJ」や冷凍チキンナゲット、クラッカー、チーズ、フルーツなどが定番です。何品もおかずを作らず、手軽に組み合わせるスタイルが一般的です。
日本式のお弁当をアメリカの学校に持って行くと、どんな反応がありますか?
おにぎりや唐揚げ、餃子、焼きそばなどに”What’s that?”や”Can I have some?”と興味を持たれることが多いです。アジアの食文化が身近になったLAでは、「おいしそう!」という反応が増えています。
お弁当に冷凍食品を使っても大丈夫ですか?
上手に使えば、冷凍食品も子どもが喜ぶ立派なお弁当になります。栄養を考えて作っても残されては意味がないため、子どもがちゃんと食べてくれることを大切にする考え方もあります。
お弁当ひとつで、子どもの世界が少し広がります
海外で暮らしていると、自分が日本人であることを意識する瞬間が増えます。日本にいた頃には当たり前すぎて気づかなかった食べ物も、海外に出ると「日本の文化」になります。自分たちにとってはただのお昼ご飯なのに、誰かにとっては「初めて見る食べ物」になります。
逆に、娘がPBJや冷凍チキンナゲットを好きになったことで、私自身もアメリカの食文化を身近に感じるようになりました。そしていつか娘が大きくなったとき、「学校のお弁当で、友達に日本のおにぎりを羨ましがられたな」とか、「PBJばっかり食べてたな」と思い出してくれたら、それだけで十分です。お弁当には、その国の文化や家庭のスタイル、そして親子の思いが、ぎゅっと詰まっています。日米のお弁当の違いを実際に経験してみて、私はそんなことを思うようになりました。
