時間の概念は万国共通。しかし、その表現の仕方は言葉によって異なります。
そこで今回は、「分」を英語で何と言うかをテーマにお話しさせていただこうと思います。
関連する「時間」「秒」についてはもちろん、「何でそう言うの?」という語源の話にも触れていますので、そのあたりが気になる人もぜひ読んでみてください。
「分」は英語で何て言うの?
何時何分何秒の「分」を表す英語は ”minute” です。発音記号では「mínɪt」と表記し、カタカナで表すと「ミニットゥ」という発音です。
複数の場合は、通例通り複数形の s を付けて “minutes” となります。日本語でも「1分」と単数で言うことが少ないのと同様、英語でもたいていの場合 “five minutes” などと複数形で使われます。日本人は複数形の s を忘れがちなので注意しましょう。
ちなみに、複数形の発音は「ミニッツ」です。こちらの方が聞き馴染みがある人も多いと思いますが、先ほどとは反対に one minute を「ワンミニッツ」と発音するのは誤りなので注意が必要です。
- 1分:a minute / one minute
- 5分:five minutes
- 15分:fifteen minutes(時間表記の際は quarter とも)
- 30分:thirty minutes (時間表記の際は half an hour とも)
minute が表すのは「分」だけじゃない?
minute という単語は、もともと「小さい、微小な」という意味を表す形容詞です。
その場合の発音は記号では「mɑɪn(j)úːt(mɑɪnjúːt)」、カタカナで表すと「マイヌートゥ(マイニュートュ)」となり、分を表す場合とは違っています。
Everything in this world is made of minute things.
訳)この世界のすべては微粒子でできているんです。
He always complains about minute differences.
訳)彼はいつも細かい違いにクレームをつけてきます。
なぜ「分」を minute と言うのか
ところで、読み方が違うとはいえ、時間の「分」になぜ「小さい、微小な」という意味の minute が使われているのでしょうか。
これには諸説あるものの、説得力のある説としては、「時間を小さく分割したから」というものが挙げられます。
人間はまず、太陽の動きから「日」、それを分けて「時間」という概念を作り出しました。そして、「分」は時間をさらに細かく分けたものを表します。
日本語ではそれを「分ける」という点に着目して「分」と、英語では「細かい」という点に着目して「minute」と呼んでいるんですね。似ているようで若干アプローチの仕方が違うのが面白いところです。
さて、「分」以外の時間にも話が及んだところで、続いては「時間」や「秒」の英語表記の仕方についても確認していきましょう。
「時間」「秒」は英語で何て言うの?
まず、「時間」は英語で “hour” です。発音記号は「άʊɚ( άʊə)」で、「アワー(アゥワ)」と読みます。1文字目の h は発音しないので注意してください。複数形の場合は hours(アワーズ、アゥワズ) となります。
- 1時間:an hour / one hour
- 5時間:five hours
- 24時間:twenty-four hours
続いて、「秒」は英語で “second” です。発音記号は「sék(ə)nd」、「セカンド」と読みます。複数形の場合は seconds(セカンズ)です。
- 1秒:a second / one second
- 5秒:five seconds
- 60秒:sixty seconds
「秒」= 2番目?
時間が hour なのは良いとして、秒が second なのに違和感を覚えた人も多いのではないでしょうか。
というのも、second といったらやはり、first や third と並んで以下のように順番や順序を表す際に用いるのが一般的です。
- 1番:first
- 2番:second
- 3番:third
- 4番:fourth
- 5番:fifth
なぜ英語では「秒」と「2番目」が同じ単語なのか。これにも諸説ありますが、説得力があるのは「時間を区切ったのが2番目だから」というもの。
先述の通り、時間(hour)をさらに小さく分けることで分(minute)が生まれました。しばらくはそれで上手くやっていましたが、文明や技術が進歩するに連れて、さらに細かい時間単位が必要となってきました。そのため、hour を細かくした minute をさらに小さくする必要があり、「minute の次(second)に小さく区切った単位」であるということで second と呼ばれるようになったと言われています。
もしかしたら、もともとは「分」を first minute、「秒を second minute などと呼び分けていたかもしれませんね。
ちなみに、日本語の「秒」という漢字も、「少」という部首が含まれている通り、もともとは「極めて小さいもの」を表していました。日本語は「分、秒」と上手くハマッている一方、英語の minute、second は少々苦し紛れのようにも見えてしまいますね。
英語での時刻、時間表記の仕方
時間、分、秒、それぞれの英語表記がわかったところで、それらを使った時間(時刻)の英語表記の仕方について確認していきましょう。
〇〇時ちょうど
時間ちょうどを表す場合は、時間を表す数字に “o’clock” を付けて表現します。
What time is it?
訳)今何時?
It’s one o’clock.
訳)1時ちょうどだよ。
〇〇時△△分
何時何分と表現する場合は、「時間」「分」の順に数字を言えばOKです。その際、わざわざ hour や minute と言うと逆に不自然なので注意しましょう。
ちなみに、「〇〇時15分」の場合は1時間の4分の1ということで “quarter”、「〇〇時30分」という場合は1時間の半分ということで “half” と表現することもあります。
Do you have the time?
訳)今何時かわかる?
It’s nine thirty (half).
訳)9時半だね。
〇〇時△△分前
時間ちょうどより少し前の場合は、to か before を用いて表します。この際、時間と分の順番が逆になるので注意しましょう。
It’s ten to(before)five.
訳)5時10分前です。
〇〇時△△分後
時間ちょうどより少し過ぎている場合は、past か after を用いて表します。先ほどと同様、時間と分の順番は逆になります。
It’s twenty past(after)eight.
訳)8時20分過ぎです。
まとめ
今回は「分」を中心に、時間に関係するワードについて確認していきました。
「分」は英語で “minute(s)” です。時間表記の場合だけでなく、「ちょっと待って」といったセリフでも使える便利な単語です。
今回学んだことをもとに、普段の会話でもどんどん活用していきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!