「国で一番偉い人」の言い方にはさまざまな表現がありますよね。
日本は「天皇」になりますが、「国王」「大統領」といった言葉が使われている国もあります。
また、天皇は「皇帝(emperor)」という称号になりますが、世界で「皇帝(emperor)」の称号を有しているのは日本の天皇陛下だけです。
つまり、世界でみても日本の天皇陛下は唯一無二の存在であり、天皇陛下の行動は世界的に注目されているのです。
最近では約202年ぶりの出来事となった平成天皇の「生前退位」が大きな話題となっていたのが記憶に新しいのではないでしょうか。生前退位のニュースは日本だけでなく、世界でも大きな話題となっていましたね。
そこで今回は、天皇に関する英語表現を紹介します。世界からみる天皇の存在についても解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
世界からみた天皇ってどんな存在?
「国で一番偉い人」の言い方にはさまざまな表現がありますよね。
アメリカ大統領、英国女王などが思い浮かぶのではないでしょうか。
なお、令和で新しく即位された現在の天皇は126代目にあたり、平成の天皇は125代目です。
何代目といわれてもピンとこないかもしれませんが、日本の天皇家は世界一長い歴史と伝統がある最古の家系で、約2,700年も続いているのです。
2番目に長いデンマーク王室が約1.000~1,200年の歴史、3番目に長いイギリス王室が約1,000年であるため、日本の天皇家の歴史がどれだけ長いか分かるでしょう。
これまでに世界では国王や女王が倒され、全く別の人がその座につくという歴史が繰り返されています。
つまり、国の君主が倒されることなく、同じ家系で続いていること自体が珍しいことなのです。
そのため、世界の天皇陛下の世界的評価は高くなっています。
単純にランキングにすることはできませんが、世界的評価が高いことは知っておきましょう。
また、各国でさまざまな表現がありますが、主に5つの称号があります。
・国王:King、女王:Queen
・大統領:President
・首相: Premier
世界の中で「皇帝(emperor)」の称号を有しているのは日本の天皇陛下だけです。
天皇陛下って英語でなんていう?
天皇陛下を英語で表す場合、His Majesty The Emperorになります。
先ほど天皇は「皇帝(emperor)」の称号を有していると解説したのでThe Emperorについては意味が理解しやすいでしょう。
一方、His Majestyとは何か疑問に感じるかもしれません。
His Majestyとは、国際儀礼(プロトコル)によって決められた敬称です。
国際儀礼(プロトコル)とは聞き馴染みのない言葉かもしれませんが、私たちは日常生活を送る際に自然とマナーやエチケットを守って生活していますよね。
個人間で相手に不快感を与えないよう礼儀正しくするのをマナーやエチケットとするならば、国際間の外交礼儀のことを国際儀礼(プロトコル)といいます。
国際間の外交を行う際、プロトコルを決めておかなければ文化や風習の違いから国際問題に発展してしまう可能性があります。そこで、お互いの文化や風習を尊重しあうための共通認識としてプロトコルが存在するのです。
なお、プロトコルには敬称に関する決まりの他にも席順、服装、食事マナーなど1,000項以上の内容が定められています。
【プロトコルの敬称】
国王陛下 | His Majesty |
女王陛下 | Her Majesty |
王族・王子・王女 | His/Her Highness
His/Her Royal Highness |
大統領・首相・閣僚・大使閣下 | His/Her Excellency |
なお、プロトコルは絶対的なものではないため、親しい間柄には適応されないケースもあります。
天皇陛下にはMajestyという敬称が該当するため、emperorの前に敬称をつけて「His Majesty The Emperor」になるのです。
皇后陛下は「Her Majesty The Empress」、天皇皇后両陛下は「Their Majesties The Emperor and Empress」になるので覚えておきましょう。
皇室を表す英語をマスター
日本は天皇制の国、天皇は日本の象徴という内容は学校の授業で習うのですが、「皇室」については詳しく習いませんよね。
そもそも皇室とは、「天皇とその一族」のことを指します。天皇陛下は皇族に含まれないため別で表記されています。つまり、皇室は「天皇陛下+皇族」となるのです。
では、皇族とは誰のことを指すのかというと、「皇室典範」で次のように定められています。
ということで、ここでは「皇室」を表す英語表記を紹介していきます。
海外の方に日本の天皇制を質問された際に答えられるよう、用語をマスターしておきましょう。
日本語 | 英語 |
皇室 | Imperial Family |
天皇家 | Imperial Household |
天皇 | The Emperor |
天皇陛下 | His Majesty The Emperor |
皇后 | The Empress |
皇后陛下 | Her Majesty The Empress |
皇太子 | Crown Prince |
親王 | Prince |
内親王 | Princess |
「退位」「即位」など皇室にまつわる英語表現集
2019年4月30日に平成天皇が「生前退位」され、現在の令和天皇が即位されましたよね。
これまでは「終身制」によって天皇の地位が変わるケースが一般的であったため、2016年に”平成天皇が生前退位の意向を示されている”という内容のニュースは大きな注目を集め、連日何度も報道されていました。
また、日本の限らず界中で天皇陛下の生前退位のニュースが報道されていましたが、英語で「退位」「即位」などはどのように表現するのでしょうか。
まず、「退位」を法的な言葉で表現するならabdicateとなります。しかし、固い表現になるため、日常会話では「引退する」という意味のstep downやstand downが使われるケースもあります。
一方、「即位」は英語でenthronement、動詞で「即位する」と言うならenthroneとなります。
When will the Emperor abdicate?
訳)天皇陛下はいつ退位されるのですか?
April 30. The Crown Prince will be enthroned as the Emperor.
訳)4月30日ですよ。皇太子さまが天皇陛下に即位されます。
まとめ
天皇陛下は日本の象徴とされる存在ですが、天皇の存在を深く考えることはあまりないかもしれません。
しかし、約2,700年続く家系であり、世界の中で「皇帝(emperor)」の称号を有しているのは日本の天皇陛下だけなのです。
天皇や女王、国王の存在に順位をつけることができませんが、国際社会の中で大きな意味を持っていることが分かるでしょう。
ぜひ今回の記事を参考に、天皇に関する英語表現を覚えてみてくださいね。