この「ことわざ」、「英語」で何と言う?シリーズ、今回は、「空」のつく「ことわざ」を英語に翻訳してみました。
「空」とは、頭上を見上げたときに見える「空間」のことを言います。「空」の色は時間や季節によって変化しますが、澄み渡るような青色が多くの人がイメージする「空」の色ですね。
ちなみに、朝方・夕方になると真っ赤な赤色に、嵐の前には鈍い灰色へと変化しますが、このような空の色の変化は、太陽の光の色が持つ性質が関係しているそうです。
「空」を英語でいうと?
まずは、「空」を英語で紹介します。「空」は「そら」、「くう」、「から」と読むことができます。読み方によって英語も異なってきます。
sky
「空」(そら)というと、一番よく使われる英語はskyではないでしょうか。
意味は、空、天空、空模様などになります。skyを使う表現には次のようなものがあります。
- in the sky(空に)
- a blue sky(青空)
- the night sky(夜空)
air
「空」は「空気」のように「くう」という読み方もあります。「くう」の英語はairとなります。
空中、空間を意味します。飛行機も英語でairといいます。airを使う表現は次のようなものがあります。
- in the air(空中に)
- into the air(空に向かって)
- air travel(空の旅)
- cut the air(空を切る)
empty / emptiness
「空」は「から」と読むこともできます。「から」の英語は、emptyやemptinessとなります。
emptyは「空っぽ」などの意味になります。また、emptinessは「空の空間」、「何もないこと」を意味します。
emptyを使う表現は次のようなものがあります。
- an empty purse(空の財布)
- an empty house(空き家)
- an empty street(人通りのない街路)
- empty promise(空約束)
emptyに似た英語に、vacantがあります。vacantは「使われていない状態」を示す際に使われ、主に物件や席、ポジションなどが空いている状態を表すときに使われます。
たとえば、vacant property「空き物件」やvacant lot「空地」などの表現が使われます。
その他、「無の状態」を意味するvoidという英単語もあります。存在しないというイメージで、the voidで「虚空」という意味にもなります。
voidには他にも「無効である」という意味もあります。
heaven
天、天空、天国などを意味します。宗教的な意味としては神々が住むとされる神聖な場所、死後の魂が昇る楽園を指します。一般的には、至福、極上の喜びを表すときに使います。
firmament
大空、蒼穹(そうきゅう)、天空などを意味します。文学的・詩的な表現として使われることがあります。
「空」に関するおしゃれな英語は?
高く広く広がった空のイメージから連想して、「空」に関連するおしゃれな表現が多数あります。いくつかご紹介しますので、ぜひ自分のお気に入りの言葉を見つけてみてください。
under the open sky
「大空の下で」、「戸外で」という意味です。
The sky’s the limit.
直訳すると「空が限界だ」となります。
そこから連想して、「何かの可能性や成果は無限である」ことを強調している表現です。
Reach for the stars.
「星に手が届くように追い求める」と訳すことができます。
現実には星には手が届きませんので、「高い目標を追求する」、すなわち、「高望みをする」という表現となります。
On the horizon
直訳すると「地平線に」となります。
「兆しが見える」、「もうすぐ起こる」を表す英語表現となります。
A clear blue sky
「澄み切った青い空」です。すがすがしさが伝わってきます。「空」の捉え方は、万国共通ですね。
Out of the clear blue sky は、直訳すると「澄み切った青い空の中から」となりますが、「突然」、「不意に」という意味です。予期していなかった出来事が前触れもなく起こったとき使われる表現です。
into the wild blue yonder
「蒼穹(そうきゅう)の彼方に」という意味です。
遠い空に向かうイメージで、未知の探究や冒険に進んでいくことを意味する表現となります。
「空」に関する英語の名言は?
次に、「空」に関する英語の名言をいくつかご紹介します。
The sky is not the limit; your mind is.
「空は限界ではない、あなたの心こそが限界だ」
自分の考え方や心の持ち方で、可能性を広げることができるという意味の名言です。
Don’t tell me the sky’s the limit when there are footprints on the moon.
「月に足跡があるのに、空が限界だなんて言わないでくれ」
1969年、アポロ11号によって人類史上初の月面着陸が達成されたことが知られていますが、人間の意志や努力は、想像を超えることを達成する力を持っているということですね。
To touch the sky, you just have to get that little bit higher.
「空に触れるためには、少しだけ高く上がる必要があるだけだ」
作家のアンソニー・T・ヒンクスによる言葉です。
成功するためには、さらなる挑戦や努力が必要だということを示しています。
I always believe that the sky is the beginning of the limit.
「私はいつも、空こそが限界の始まりだと信じている」
ミュージシャンのMCハマーによる言葉です。
限界は終わりではなく、挑戦や成長のスタートだということを示しています。
The sky is the limit only for those who aren’t afraid to fly!
「空に限界などない、ただし飛ぶことを恐れない者にだけだ」
恐れず挑戦する人だけが限界を超えることができるという言葉です。
「空」に関する表現は、スケールが大きく、人生に関する深い意味を表す言葉がたくさんありますね。
「空」のつくことわざは?
最後に、「空」のつくことわざをご紹介します。
秋の空は七度半変わる
秋は空模様が変わりやすい季節です。「秋の空は七度半変わる」は、そんな秋の空の変わりやすさに例え、人の心の変わりやすさを意味する「ことわざ」です。
英語では
「The mind is easy to change like an autumn sky.」
で秋の空のように心は変わりやすいと翻訳することができます。
“like”は「~のように」の意味です。
男心と秋の空
「男心と秋の空」は、「秋の空は七度半変わる」と同じく、人の心の変化を意味する「ことわざ」です。
「秋の空は七度半変わる」は、人の心の変化を意味する「ことわざ」ですが、「男心と秋の空」は、男性の愛情の変わりやすさを例える際に使用される「ことわざ」です。
このことわざができたのは江戸時代だといわれています。江戸時代は既婚女性の浮気は命を落とすほどの重罪でしたが、既婚男性の浮気には寛大だったそうです。そのため、移り気なのは男性だったということです。
英語では
「Man’s heart and autumn sky change easily.」
と翻訳することができます。
女心と秋の空
「女心と秋の空」ということわざもあります。これは、女性の気持ちを秋の空に見立てて表現されています。これは、「男心と秋の空」から派生してできたといわれています。
大正デモクラシーで女性の地位が向上し、恋愛の価値観も変化します。女性が素直に意思表示できるようになったこともあり、この頃から「女心と秋の空」と言われるようになったといわれています。男性に対する愛情だけでなく、喜怒哀楽の感情の激しさや物事に対する気持ちが移り気なことも表現していて、男心とは少し意味合いが異なっています。
英語では
「A woman’s heart and autumn weather are fickle.」
と翻訳することができます。
空樽は音高し
「空樽は音高し」は、空の樽を叩くと”ポン”と高い音が鳴るように、軽薄なおしゃべりには中身がないことを意味する「ことわざ」です。また、中身のない人ほどおしゃべりであるという意味でも使用されます。
英語では
「A high tone sounds when you hit an empty barrel.」
と翻訳することができます。
”barrel ”は「樽」という意味で、「バレル」という容量の単位でつかわれることもあります。
机上の空論
「机上の空論」は、「実現できない理論や計画」という意味です。
現実を見ず、理想論をゆずらないことに対する批判の言葉です。頭の中で考えただけで、実際には役に立たない可能性のある理論のことです。
ビジネスのシーンでも、現場の状況を見ないで作成されたトップからの指示に対して、「机上の空論だ」と表現することがあります。
英語では
「armchair philosophy 」や「empty theory」
と翻訳することができます。
まとめ
今回は「空」のつく言葉にまつわる「名言」や「ことわざ」をまとめてみました。
今回ご紹介した「ことわざ」のうち3つは、人間の心の変化を、移り変わりやすい「空(そら)」に例えたものです。また、中身がないことを意味する「空(から)」を意味する「ことわざ」も紹介しました。
同じ「空」でありながらも、「そら」、「から」、「くう」といった読み方があるのが日本語ならではの面白さです。こうした日本語を英語ではどう表現するのか、しっかり覚えることも英語上達への近道です!
今後もさまざまな「ことわざ」や「名言」を翻訳していきますので、お楽しみに!