時折ニュースなどで耳にする「彗星」。「すい星」と聞くと、「水星」を思い浮かべる人も多いかもしれませんね。日本語では「水星」と同じ音を持つ「彗星」、英語ではどのように表現するかご存じですか?
そこで今回は、「彗星」を英語ではどのように表現するかをご紹介します。「彗星」以外にも宇宙や星の英語や慣用句についてもお伝えするので、ぜひ参考にしてくださいね。
彗星とは?
まずは彗星とは何かを確認しましょう。
彗星はとは太陽の周りをまわる天体のひとつ。天体とは、地球の大気圏外にある物体のことで、惑星や衛星、星雲や銀河も天体です。なかでも彗星は太陽の周りをまわる小さな天体のうち、「しっぽ」のあるものを意味します。
彗星の正体は直径 数km~数十kmの氷とちりのかたまり。太陽に近づくとその一部がとけて光り輝きます。彗星はこれまでにおよそ4000個も発見されており、まだ発見されていないものをあわせるとその数は数千万以上になるとも!
もちろん、昔の人たちもわたしたちと同じように空に光る彗星を見ています。世界最古といわれている彗星の記録は紀元前240年。中国の歴史書「史記」にはハレー彗星とされる星は記録されています。
昔の彗星は災いや疫病を起こす「不吉な前兆」と考えられていたことはご存じですか。夜の空に急に現れ、白く長い尾をたなびかせる彗星は奇妙で不穏なものに映ったのでしょうね。
ハレー彗星ってどんな星?
彗星の中でも最も有名なものは「史記」にも記録されている「ハレー彗星」でしょう。
どのような動きをするかがわかりづらい彗星の中で、はっきりと規則的な軌道を持つのがハレー彗星の特徴です。ハレー彗星は75.3年を周期として太陽の周りを公転します。1682年に出現した彗星をイギリスの天文学者、エドモンド・ハレーが観測したため、彼の名にちなんで「ハレー彗星」と名付けられました。
前回地球に最接近したのは1986年のため、次に観測できるのは2061年。
最接近するのは7月28日頃で、日本では、前後数日間の夕方に北西の低い空で見ることができるそうです。
ほうき星ってどんな星?
ハレー彗星と同様に「ほうき星」もよく耳にすることばですね。ほうき星は彗星の別名。同じものを意味します。
立派な尾を持つ彗星が、掃除に使う「竹ぼうき」に似ていることことがその名の由来です。江戸時代では彗星の尾が白い雲のように見えるため、「白気(はっき)」と呼ばれることもあったようです。
彗星と流れ星はちがうもの?
彗星と流れ星は同じものだと思っていませんか?光の尾を持つという意味では似ていますが、この二つは全く別物。
流れ星は宇宙に漂う「ちり」が大気中に高温になり光を放ったものです。彗星は直径数kmなのに対し、流れ星は数cm程度。一晩中光っていることもある彗星ですが、流れ星は数秒しか見えません。彗星はぼんやりと光のようですが、流れ星は動く光の線のように見えます。
ほとんど違いはないだろうと思っていた彗星と流れ星、実は全く別物なんです。
彗星や流れ星の英語表現をご紹介!
彗星や流れ星など、天体や宇宙にまつわる英語を確認しましょう。
彗星
彗星は英語で「comet」。
もともとはギリシア語の「長い髪」を意味することばが由来です。彗星の尾を引く様子が「長い髪」の星のように見えたのでしょう。
ハレー彗星は76年に一度地球にやってくる。
彗星を見たことがありますか?
流れ星
流れ星は「shooting star」。「shoot」は「撃つ、発射する」などの意味を持つ動詞です。スポーツでは「ボールをシュートする」という意味でも使われます。
「meteor」は流れ星だけでなく、隕石という意味も持っています。一般的に「shooting star」は日常会話でよく使われ、「meteor」には少し専門的なニュアンスがあるため、ニュースなどで聞くことの多い単語です。
彼女は流れ星に願い事をした。
わたしは昨日、流星群を観ました。
meteor showerで「流星群」という意味になります。
宇宙
宇宙を表す英語は主に「space」「universe」「cosmos」の3つ。それぞれにニュアンスの違いがあります。
space
spaceは大気圏外の宇宙空間を意味します。空間という意味もあるため、宇宙のことは「outer space」と呼ぶこともありますが、spaceだけでも通じます。スペースシャトルなどでもなじみのある単語ですね。
彼の夢はいつか宇宙へ行くことです。
国際宇宙ステーションは現在も建築中だ。
universe
universeが意味するのは地球も含めた宇宙全体。spaceと比較すると、universeには「世界・世界観」のようなニュアンスが含まれます。「そこに住む人間や時間を含めた広大な宇宙」という感じです。基本的に「the」を付けて使うことが多いため、「the universe」とひとまとまりにして覚えておきましょう。
宇宙について勉強するのは楽しい。
宇宙は約170億年前に誕生した。
cosmos
cosmosは主に宇宙に対する考え方を表す単語で、「(秩序ある調和の取れた)宇宙」という意味。「秩序」や「宇宙」を意味するギリシャ語が語源です。なんだかいまいちピンとこないかも知れませんが、「cosmos」の反対語が「chaos(混沌)」だと知るとイメージしやすいかも。学術的なシーンでよく使われる単語なので日常会話で耳にすることはあまりありません。
神聖な宇宙は世界観の一部である。
科学者たちは今も、宇宙がどのように創造されたかの手がかりを探し続けている。
恒星
恒星とは自分のエネルギーで輝く天体のこと。わたしたちのいる太陽系での恒星は太陽です。中心にあって動かない恒星は英語では「fixed star」と呼ばれます。「fixed」は「固定された」という意味です。
太陽は恒星です。
惑星は恒星の周りを回る。
惑星
恒星の周りを回る惑星は英語では、「planet」。日本語でも聞き覚えのある単語ですね。さらに太陽系の惑星の英語での名前も確認しておきましょう。
水星 | Mercury |
金星 | Venus |
地球 | Earth |
火星 | Mars |
木星 | Jupiter |
土星 | Saturn |
天王星 | Uranus |
海王星 | Neptune |
冥王星 | Pluto |
太陽系の惑星の位置と名前は「すい・きん・ち・か・もく・ど・てん・かい・めい」と覚えませんでしたか?英語にもそれと同じような覚え方があります。
「My very excellent mother just served us nine pizzas.」(わたしのすばらしい母は、9枚のピザを私たちに送ってくれただけだった。)
それぞれの単語の頭文字が、惑星の名前の頭文字を意味します。何度も口ずさんでリズムで覚えてくださいね。
まとめ
今回は、彗星の正体や英語表現、宇宙や惑星の英語表現をご紹介しました。ニュースなどでもたまに耳にすることのある単語なので、余裕があればぜひマスターしてくださいね。
次にハレー彗星が観測できるのは、2061年。そのときまでに、誰とどこで観るのかを考えてみるのも面白いかもしれませんね。