日々の生活からビジネスシーンまで、私たちの身の回りには色々な「作業」が溢れています。

しかし、「犬の散歩」も作業、「資料のコピー」も作業、「荷物の梱包」も作業と、日本語ではなんでもかんでも「作業」の一語で済ませられますが、英語ではどうなのでしょう。それぞれに違う表現を使うのでしょうか。

ということで、今回のテーマは「作業」です。英語で「作業」を表す表現を複数取り上げ、それぞれの意味やニュアンスの違いについて詳しく確認していきます。

これを読めば、英会話でも「作業」を適切に表現できるようになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

「作業」は英語で何て言う?

「作業」は英語で何て言う?

「作業」という意味を表す英語は “task”、”work”、”operation”、”chore” の4種類です。

しかし、一括りに作業といっても、これらが表す作業は内容がそれぞれ異なります。そのため、場面に応じて適切な表現を使い分ける必要があります。

それでは、1つずつ詳しく確認していきましょう。

「作業」①:task

“task” は割り当てられた個々の作業を表します。発音記号は「tˈæsk」、カタカナだと「タスク」です。日本語の中でもしばしば使われる表現ですね。

task は「義務」を意味するラテン語 “tasque” を由来とする言葉。そこから、義務としてやらなければいけない作業や任務を表すようになりました。意外なことに、tax(税)と遠い親戚関係にあります。やらなければ(払わなければ)いけないという点では、税と作業は似てますよね。

Aさん
To accomplish tasks, pay taxes, it’s the life.
訳)作業をこなして、税金を払って、それが人生ってやつさ。
Bさん
What is on your mind?
訳)何か悩んでる?

 

なお、task は個々の具体的な作業を表すため、1つの作業なら”a task”、2つ以上なら ”tasks” と複数形で表現します。

「作業」②:work

“work” は個々の作業でなく、全体的な作業を表します。発音記号は「wˈɚːk」、カタカナだと「ワーク」です。

work のコアイメージは「働くこと」。そのため、細々とした作業の1つひとつではなく、仕事の中で生じる作業全般を表します。

たとえば、ある日の業務内容が「データを入力する」「用紙に印刷する」「コピーをとる」「関係者に配布する」だった場合、これら1つひとつは task、すべてを合わせると work になるイメージです。つまり、task は work の中に含まれるということになります。

work には具体的な形がないので、数えられない名詞(不可算名詞)扱いです。そのため、”a work”、”works” などと言うのは誤りになります。

Aさん
I have a lot of work to do today.
訳)今日はやらなきゃいけない作業がいっぱいだ。

「作業」③:operation

“operation” は一連の作業工程を表します。発音記号は「ὰpəréɪʃən」、カタカナだと「オペレーション」です。

operation のイメージは、個々の作業(task)が連なって出来上がった一連の流れです。たとえば、スイッチを入れてから切るまでの「機械の操作」、立ち上げてから収益を上げるまでの「会社の運営」などが operation で表されます。また、患部を切り開いて縫合するまでの流れがある「手術」も operation と言います。医療ドラマなどで「オペ」と呼ばれていますね。

task が合わさって出来ている点で operation と work は似ていますが、その違いは「一連の流れ」があるかどうかです。work は個々の作業の順番を変えても大丈夫ですが、operation の場合は流れが決まっているので、バラバラにすると不都合が生じてしまうでしょう。

また、work と違って operation には始まりと終わりがあるので、operations などと複数形にすることも可能(可算名詞)です。

Aさん
We must make our operations more efficient.
訳)私たちは作業をもっと効率化させなければなりません。

「作業」④:chore

“chore” が表すのは、日常的な雑務としての作業です。発音記号は「tʃˈɔɚ」、カタカナだと「チョア―」となります。

綴りが全然違うものの、chore の語源は「順番に回る」ことを意味する “ger”。そこから、毎日の暮らしの中で、繰り返し行う必要のある作業(雑務)を表すようになりました。

chore は基本的に家庭などで生じる作業を表すので、ビジネスシーンでは使われません。個々の雑務作業なら “a chore”などと単数形で、雑務全般なら “chores” と複数形で表現します。特に頻出の例としては “household chores(家事)” が挙げられます。

Aさん
I’m not good at doing the household chores.
訳)私は家事作業が苦手です。

「作業」の関連表現を英語で言ってみよう

「作業」の関連表現を英語で言ってみよう

最後に、「作業」に関連した英語表現をいくつかご紹介します。この機会にぜひボキャブラリーに加えておきましょう。

「作業着」in English

「作業着」は英語で “work wear” “working clothes” などと呼ぶのが一般的です。

ただし、工場などで職員全員が同じ作業着を着る場合は “(work)uniform” と呼ぶ方がしっくり来ます。工場作業着は一種の制服(ユニフォーム)ということです。

「作業時間」in English

「作業時間」は英語で “work time”、”working time” と言います。

もし “task time” と言ってしまうと、「ある1つの作業にかかる時間」といった意味になり、まるで作業のタイムトライアルをしているようなイメージで不自然なので注意しましょう。

「作業台」in English

「作業台」は “work table”、あるいは “workbench” と表現します。

とはいえ、「テーブルは良いとして、作業するのになぜベンチ?」と思った人も多いのではないでしょうか。

日本語で「ベンチ」と言うと公園などにある長椅子の意味ですが、英語の bench は「平らで長い台」全般を表します。そのため、座る椅子だけでなく、作業する机状の台もすべて bench で表すことができるんです。

「作業療法」in English

怪我などで日常生活が困難になった人のリハビリを行う「作業療法」は、英語で “Occupational Therapy(OT)” と言います。

「作業」と付くのに今回ご紹介した task や work が使われていませんが、作業療法の目的は日常生活全般の生活スキルを取り戻すことです。そのため、仕事などの活動を表す “occupation” が使われています。

ちなみに、作業療法を行う専門職「作業療法士」は “Occupational Therapist” と呼ばれます。略称は同じく OT です。

まとめ

まとめ

今回は、「作業」を表す英語表現について詳しく確認してきました。

「作業」は英語で “task”、”work”、”operation”、”chore” を使って表すのが一般的です。ただし、task は個々の作業、work は作業全般などと、それぞれに表す意味合いが異なるので、場面に応じて適した表現を使い分けていくことが大切です。

今回ご紹介したことを参考に、英語でも色々な作業を表現していきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!